- 公開:2013/4/13
- 監督:福田雄一
- 出演者:鈴木亮平, 清水富美加, ムロツヨシ
- 製作国:日本
- 上映時間:1時間45分
HK 変態仮面をご存じでしょうか?1992年から1993年にかけて『究極!!変態仮面』という漫画が週刊少年ジャンプで連載していました。その実写映画がなんと2013年に公開されたのです。
あの漫画がやっていた時、僕はまだまだ少年でして、パンティーを被るヒーローのゲスさを理解しておらず、ただただそのフォルムがかっこいいなぁ…なんて思いながら読んでおりました。
仮面ライダーが大好きだった僕としては、変態仮面と仮面ライダーは見た目ほぼ一緒に見えていたのです。その違いは緑色であるか、肌色が多いかだけ。
だって、筋肉すごいし、アクションすごいし、目もかっこいいし。そう。なんだかんだ言って、変態仮面はパンティーを被っているという事さえ忘れれば見た目かっこいいのです。
…とまぁ、そんな感じでPTAの方々には強烈なイメージを残していった漫画なのですが、気がつけばいつの間にか連載が終わっていました。
それが今回実写化されるという事で、これは観ねば!!と期待に胸を膨らませ再生ボタンを押してみた所、映画『HK 変態仮面』はとんでもない映画だったのです…。
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HK 変態仮面 – あらすじ
ネタバレ注意『HK 変態仮面』のあらすじまとめ
警察官とSM嬢の子供として生まれた色丞狂介は父親の血を引き正義感だけは強い。何かというと問題に首を突っ込みたがる性格だが、ケンカは弱い。高校では拳法部に所属しているが、今日も登校途中でいじめられているホームレスを助けようと首を突っ込んだが逆にやられてしまった。弱い、弱すぎる。強そうに見えるのは顔だけである。
そんな狂介のクラスに転校生、姫野愛子がやってくる。彼女を一目見た瞬間から、狂介の心は奪われた。怪我をしている狂介の顔を心配そうに眺めている愛子にドキドキ。そんな愛子は狂介が入っている拳法部のマネージャーになった。
早速今日にでもゴハンに誘ってみようかともじもじしている狂介だったが、勇気も出せずにいるうちに愛子は帰ってしまった。誘えなかったことをしょんぼりしながら帰る狂介。なにやら帰り道で事件が起きているよう。騒ぎが起きている建物を見上げると、そこには覆面マスクの犯人にとらわれている愛子の姿が。
愛子を救おうと建物の裏口から忍び込む狂介。何かないものかと忍び込んだ更衣室を探していると、様子を見に来た犯人の一人にばったりと出会ってしまう。とっさに正拳突きを出した狂介のパンチは見事犯人のみぞおちに入り、犯人は気を失う。
やっと練習の成果が出たと喜ぶ狂介だったが、覆面で気を失っている犯人を見ていいことを思いつく。こいつに変装して忍び込めば犯人達を騙せるのではと。早速犯人から服を剥ぎ取り、着替える狂介。そして最後に覆面をかぶると何かが違うことに気が付いた。
頭にかぶったものは覆面マスクではなく女性のパンティーだったのだ。
間違えたことに気がつき脱ごうとする狂介だったが、その吸い付くようなフィット感に興奮し始め、狂介の様子が徐々に変化していく。そして叫ぶ。気分はエクスタシーーーーーー!!
人間は通常、自らの潜在能力の30%しか使うことができない。しかし、狂介はパンティーをかぶることによって母親の変態の血が覚醒し、100%の潜在能力を引き出すことができるのだ。
クロスアウトー!!狂介は着ている服をすべて脱ぎ捨て、変態仮面に変身した。
愛子たちを人質に立てこもっている犯人の前に現れ、自らを変態仮面と呼ぶ狂介。ブリーフ姿に網タイツ、そしてパンティーをかぶっている姿は犯人の笑いを誘い、それと同時に人質達の恐怖感も引き出した。
犯人が発砲した銃弾を華麗によける狂介。しかし、愛子が変態仮面を怖がり逃げ出そうとする姿に気をとられ、犯人に足を打たれてしまう。そこで狂介はブリーフの両端を引き伸ばし、体にクロスさせて肩に引っ掛け、局部により強い刺激を与えることにより、変態パワーがアップした。
パワーアップした狂介は瞬時に犯人達をやっつけてしまう。その姿を見た愛子は、「変態仮面、変態だけどカッコイイ」という言葉を残し、変態仮面の局部にショックを起こし気を失ってしまう。
それから変態仮面はいろいろな場所ではびこる悪を倒し、新聞のトップ記事にも取り上げられるぐらい有名になる。愛子はその新聞を読み、「変態仮面様」とサマ付けで呼び出す始末。
愛子に変態仮面のことが好きになってしまったと打ち明けられた狂介だったが、変態仮面は変態だけど、変態じゃない。勝手な想像だけど変態は借りの姿だと思うと弁明する。自分が変態仮面であることと変態であることに悩む狂介。
そんな彼は今日も困っている人たちを助けずにはいられない。テレビで飛び降り自殺をしようとしている人を見つけ、すぐに変態仮面に変身しようとするが、手元にパンティーがない。あせった狂介は女装し、パンティーショップに出かけた。
しかし、いくつものパンティーを試着してみたが、変身することができない。どうやら、一度女性が身に着けたパンティーでなければ変身することができないらしい。
おれは変態じゃない。何も人を助けるのにパンティーをかぶる必要なんてないんだ。そうつぶやく狂介だったが、目の前には干してあるシマシマのパンティーが。狂介は再び変態仮面に変身し、飛び降り自殺をしようとしていた若者を救う。
自分が変態仮面であることと変態であることに悩む狂介。
そんな狂介の目の前に不穏な空気が立ち込める。愛子と一緒に拳法部の部活に向かうと、拳法部の部員が倒れていた。そしてその説明をする髪の長い気持ち悪い男。大金玉男(おおがねたまお)と名乗るその男は、空手部の主将になり、さらには拳法部までのっとろうとしていた。
一瞬にして倒されてしまった狂介はその場を逃げ出し、変態仮面として現れた。そして、死闘の末、大金玉男を倒した変態仮面。変態仮面に恨みを抱いた大金玉男は数々の刺客を変態仮面に差し向けるのであった。
まじめ仮面、さわやか仮面、モーホー仮面、ほそマッチョ仮面と次々と送り出される刺客を倒し続ける変態仮面。そんな無敵の変態仮面に立ち向かうため、大金玉男は変態仮面が現れるところに姫野愛子が必ず近くにいることを突き止め、姫野愛子から崩していくことに決めた。
そして送り込まれた、ニセ変態仮面。彼は愛子を洗脳し、町中で女性のスカートめくりをし始めた。狂介から離れていく愛子と、落ちに落ちる変態仮面の人気。失意の中、狂介はニセ変態仮面と戦い、そして敗れてしまう。
愛子を救うため、再び立ち上がる変態仮面。はたして変態仮面はニセ変態仮面勝つことができるのであろうか。そして、大金玉男の野望を打ち破ることができるのであろうか。
『HK 変態仮面』の名言
俺はただの下着泥棒じゃない。たまたまパンティーが必要な正義の味方なんだ。
『HK 変態仮面』のおすすめポイント
・再現性の高い変態仮面の完成度がすごい。
・原作ファンも納得の変態仮面のポーズ。
NHKの連続テレビ小説で活躍した俳優の筋肉がすごすぎる。
なんか、この俳優見たことあるんだよな。どこでみたんだっけ?と狂介役の鈴木亮平を調べてみると、花子とアンで主人公の安東はなのだんなさん役で出演していました。
あ!この人か!とそのあまりにも違いすぎる役にびっくりしつつ、変態仮面に変身した後の役も鈴木亮平がやっていることを知り、その肉体美にビビリました。完璧すぎる変態仮面の模写。
本当にマンガから飛び出してきたようなその姿を観るだけでも、この映画を観るに足りると思います。
ただ、原作を読んでからだと、若干商業的な設定変更に嫌気を感じなくもなかったですが。ケンカが弱かったり、一度はいたものじゃないと変身できなかったり、変態に対して異様なほど抵抗感を持っている主人公の性格だったり、諸所気になる設定変更がありました。
確かに、物語の王道から言えば、何もできない主人公が変身することによって、超人的な能力を手に入れるって言うほうがわかりやすくはあるんですが、ケンカが弱いって言う設定はなくてもよかったのではないかなと。
原作の方では、一応拳法部のエースなので。もともと強いのだけれど、パンティをかぶることで、人間が普段は30%しか使えていない潜在能力を覚醒させるっていう設定なんすよ。だから0が100になるわけじゃないのです。
あとは、まぁ、文句はないですが、姫野愛子に正体ばらしちゃうのもちょっとなぁと思いましたが、ストーリーの展開上仕方がなかったのでしょう。
原作で結構活躍した、四季兄弟が出てこなかったのも残念。
映画『HK 変態仮面』 – まとめ
まぁ、いろいろといいましたが、何でもかんでも実写化すればいいっていうわけではないですが、この作品に関しては実写化しても原作の魅力をそれほど落とすことなくできたのではないでしょうか。
でもまぁ、やっぱり、マンガ読んだほうが、変態仮面の面白さは伝わってきます。ということで、結論。変態仮面を知らない人には導入としてオススメできますが、変態仮面ファンの人としては、ある程度納得できてもある程度ガッカリする内容だったのではないでしょうか。
かなり、評判は良かったみたいですけどね。僕はそんな感じの感想でした。
ということで、スパイダーマンが面白かったので、マンガ変態仮面を読み、マンガが面白かったので映画も観てみましたが、やっぱりこの二つの作品は並べちゃ駄目なんですね(笑)
スパイダーマンは文句なしに面白かったですが、変態仮面は狙いに行っている感が漂っていたので、そこだけが観ていて残念でした。でも、マンガを実写化した作品の中では成功の部類に入る映画だと思います。
ほかのサイトのような大絶賛ではないですが、観るに絶えない内容じゃなくて良かったです。
それにしても、ここまで完璧に変態仮面を模写できるとは、俳優の鈴木亮平さんには頭が下がります。すごい肉体美だったわぁ。しかも動きまで完璧に変態仮面だった。
コレでもう少しストーリーが良かったら、いい映画だったんだけど、狙いに行った感がどうしても抜けてなかったからなぁ。うん。ただ、福田雄一監督ってそういう感じで撮る傾向にあるよね。勇者ヨシヒコとか。
基本的には好きな監督なんだけど、やっぱり原作が好きな気持ちが邪魔しちゃって、今回はうまく受け取れなかったかも。
それでも、観てみてもいいかなってオススメできる映画ではありますので、まだ変態仮面を原作で読んだことがないあなたはぜひ映画から入ってみてくださいませ。それなりに楽しめると思いますよ。
ではでは、『HK 変態仮面』でした。
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