96時間 - 映画情報
- 公開:2008/02/27
- 監督:ピエール・モレル
- 出演者:リーアム・ニーソン, マギー・グレイス, ファムケ・ヤンセン
- 製作国:フランス, アメリカ合衆国
- 上映時間:1時間33分
MOVIE REVIEWS
96時間という映画をご存じでしょうか?2008年に公開されたアクション映画なのですが、フランスとアメリカの合作なのです。
どこら辺が合作なのかと言いますと、まずは脚本。
『レオン』で有名なフランス人のリュック・ベッソンと『ベスト・キッド』で有名なアメリカ人のロバート・マーク・ケイメンが共同で脚本を担当しているのです。
ちなみにこの二人は2002年に『トランスポーター』でも共同で脚本を担当しています。
そして舞台がアメリカからフランスという展開。
カリフォルニア州に暮らす主人公は、娘がパリ旅行に行ったときに拉致され、フランスに飛ぶんですね。ここら辺が上手な脚本ですよね。
ちなみに96時間ってなんの数字やねんって思われるかもしれませんが、「誘拐事件の被害者が無事でいられると考えられる猶予期間」が96時間なのだそうです。
ま、原題は「Taken」で96時間なんてどこにも書いてないんですけどね。
という事で、映画『96時間』のレビューをしていくことにしましょう。
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映画『96時間』 – ストーリー
公開日:2008年02月27日
ジャンル:アクション映画, 犯罪映画, スリラー映画
監督:ピエール・モレル
出演:リーアム・ニーソン, マギー・グレイス, ファムケ・ヤンセン
元CIA工作員のブライアンは自分の仕事が原因でレノーアと離婚してしまったのだが、娘のキムの近くにいたいと仕事を辞めた。キムから連絡があり会いに行くと友達と2人だけでパリ旅行に行きたいと許可証のサインを求められた。10代の女の子2人だけじゃ危険だと拒否したがレノーアからあなたは異常だと諭されてしまう。定時連絡を入れる事を条件にサインをしたが、パリに着いた娘からの電話は助けを求めるものだった。電話越しに聞こえる娘を誘拐する犯人の声や音だけをたよりに娘の救出に向かう…。
もし、あなたにおにぎり屋で『96時間』ってどんな映画?あらすじは?と聞かれたなら…
この映画は一言で言えば、“最強の父ちゃんの娘の救出劇”なんだ。
元のタイトルは『TAKEN』。邦題の『96時間』ってのは誘拐事件の被害者が無事でいられるとされる猶予期間から付けたのだそうだよ。
96時間以内に娘を救うっていう映画なわけだね。
あらすじ的には非常にシンプルで主人公の無双モードを楽しむもんだと勝手に思ってる。
主人公のブライアンはCIA工作員である事を辞め、一人寂しくひっそり暮らしていた。
唯一の楽しみは離婚した妻レノーアとの娘であるキムの誕生日の度に撮っている写真を収めたアルバムを眺める事ぐらい。
今年もキムの誕生日パーティーが開かれ、ブライアンは考えた末に娘の夢である歌手を応援しようとカラオケマイクをプレゼントした。
それを見てキムは喜んだが、レノーアの再婚相手である大富豪・スチュアートがプレゼントに馬を連れてくるとブライアンからのプレゼントをほっぽり投げ、向こうへ行ってしまった。ひどい娘だね…。
元CIA仲間から割のいいバイトとしてキムが大好きである人気歌手シーラのボディーガードを引き受けたブライアンは、ストーカーから見事にシーラの命を守る。
シーラはお礼としてキムが歌手になる手助けをしてあげると言ってくれた。
ちょうど娘と会う機会があり、きっとキムも喜ぶだろうとシーラの話をしようとしたが、キムはその話を遮り友達と2人でパリ旅行に行きたいから許可証にサインしてとお願いしてきた。
10代の女の子が2人だけじゃ危険だとその申し出に渋ると、キムは怒って帰ってしまう。
その二人のやり取りを見ていた元妻のレノーアは「なぜ許してあげられないの?あなたは危険だなんだと心配するけど異常よ。あなたのそういう所がイヤで離婚したんだ」とグチグチ言ってくる。
後日、ブライアンはキムに携帯電話を渡し、必ず決まった時間に電話をするという約束を条件にパリ旅行の許可証にサインをする。
娘の旅行当日、偶然スケジュールを見てしまったブライン。
スケジュールにはパリだけでなくヨーロッパ全土に渡るツアー日程が書き込まれていた。
娘に嘘をつかれたと気がついたには時すでに遅し。娘は満面の笑みで空港に姿を消した。
心配そうに娘の後ろ姿を見送るブライアン。
案の定、その日の夜、約束の時間になっても娘から電話がかかってこない。
心配になったブライアンはレノーアに連絡をかけたが、煙たがられ電話を切られてしまった。
キムに何度も電話をかけ、やっと電話が繋がったと思うと、どうやらキムの様子がおかしい。
キムが泊まっているホテルに男達が侵入し、友達を拉致している所を目撃してしまったのだ。
パニックに陥るキムにブライアンは冷静に指示をする。
チャンスは5秒か10秒。拉致される時に犯人の特徴を叫べ、と。
娘の悲鳴を電話越しに聞いているブライアン。娘がさらわれると犯人と思われる者が「グッドラック」と言葉を残し電話を切った。
ブライアンはレノーアに連絡し、困惑するレノーアを横目に金持ちのステュアートにプライベートジェットを貸すように指示する。
必ず連れ戻して帰ってくると約束し、そうそうにパリへ飛びだつ。
飛行機の中で、元CIAの仲間に解析を依頼していた先ほどの電話の音声ファイルを何度もリピート再生し耳に焼き付けるブライアン。
これから彼の命を張った娘の救出劇が始まる。
…まぁ、導入20分ぐらいだけのあらすじだけどこんな感じだね。
「グッドラック」というたった一声から犯人を捜し出し、娘を救出するって所が、もう人間離れでクッソかっちょいい!しびれる!
しかもこのお父さん、戦闘力53万なのかってぐらいに強い。
カーアクションもこなし、車で家に突っ込んだりすることも厭わない。
さらには昔の顔なじみの奥さんだって情報を得るためなら平気で拳銃で撃つ。まさに鬼。
一瞬で立場を逆転させる運さえ持ち合わせ、敵に情けなど微塵もかけない。
殺した人数35人。彼が現れたところには草さえ生えない。
敵はすべて皆殺し。首の骨もグリッとし、車のドアでバンバン挟み、ワインボトルでさえ凶器になる。
拷問だって容赦なく、電気を流したまま立ち去るその姿、まさに鬼。
そして無双モードはラスト15分にピークを迎える。
相手よりも常に先に行動し、出会って5秒〜10秒には殺している。
娘を人質に取った敵には言葉を話すことさえ許さない。
そんな鬼のブライアンも、娘を無事救出すると優しい親バカに戻っている。このギャップ、たまらん。
しかも、あんなに厭味ったらしい元妻にも笑って応対し、金持ちステュアートのお礼の申し出も娘がいればそれだけで十分さ、とさらっと答える。
くうー!ダークヒーロー!渋い!かっこいい!
この完璧超人の暗殺者、しかし実は人情味あふれる人間性っていうのは『
ボーン・アイデンティティ』のボーンにも通じる所あると思うから、ボーン・シリーズが好きならこの映画もきっと好きになるはず。
娘の名前もキムで一緒だし、金持ちのスチュアート役のザンダー・バークレーはジョージ・メイソン役で出てたし。
ジョージ・メイソン結構好きだったな、死に様がカッコよくて。
ま、興味が湧いたら調べてみてよ。比較的短い映画だし、さくっと観られるアクション映画だけど、主人公のカッコよさに惚れると思うよ!
…そんな事を『96時間』についてツナマヨおにぎりをかじりながらおにぎり屋の前で話すと思います。
『96時間』の名言・心をざわつかせた言葉
豪勢な暮らしに慣れすぎて、世の中の恐ろしさを分かっていない。
お前が誰だか知らん。お前の狙いも。身代金が目的ならカネなどない。だが俺には非常に特殊な能力がある。長年の仕事で身につけたお前らを震え上がらせる能力だ。娘を解放するなら見逃そう。お前を捜すことも追跡もしない。だが解放しないならお前を捜し必ず見つけ出す。そしてお前を殺す。
必要ならエッフェル塔も壊す。
信じるよ。だが容赦はしない。
内勤になって勘が鈍ったな。銃と弾の重さを忘れたか。
「勘弁してくれ。ビジネスなんだ。個人的な恨みはない」「俺には個人的だ」
命がけで守る。
「何でも言ってくれ」「娘がいれば十分だ」
『96時間』のおすすめポイント
・アクションは適度な量。
・カメラワークも良くボーン・アイデンティティみたいな感じ。ただあの映画よりも主人公のかっこよさが際立ち、あの映画のようなサスペンス要素はないので、好みで選んだらいいかなと。
・主人公の能力ずば抜けてる系映画が好きならどストライクな映画だと思う。
・何より、ブライアンの喋る言葉がかっこいい。
映画『96時間』 – まとめ
96時間を観たのは実はこれで2回目です。
最近観たボーン・シリーズの感想を書いている時、あれ?96時間の記事ないんだけど?書いてなかったっけ?という事で、今回もう一度観てみる事にしたのですが、この映画はあらすじや結末を知っていても面白い映画ですね。
やっぱりこのお父さんはクソかっこいい!娘を守るためなら違法だろうがなんだろうが命がけで守る、その姿は癖になります。
今の所続編が2つ作られていますが、相当な人気らしく、この映画の主人公が結婚する前の物語を描くテレビドラマが2017年から始まりました。
それもAmazonプライムビデオで観られるので楽しみで仕方がない…。
とにかく主人公がカッコよくて、最近見たシンドラーのリストの映画のイメージも相まってリーアム・ニーソンが5割増しでカッコよく見え、なおかつ最後の優しい笑顔のギャップにやられる。
敵に対しては最強の鬼のような存在なのに、娘には最弱の父。
二回目に観ても、やっぱりこの母親と娘は好きになれないんですが、ブライアンが好きになった人、大事な娘なわけですから、大目に見なければ。
たいてい主人公っていうのは敵に情けをかけたり、敵に捨て台詞を吐く時間を与えたり寛大な事が多いんですが、敵に対して全く愛の手を差し伸べない徹底さ加減は、笑ってしまうほどあっぱれです。
ここまで敵にとって怖い主人公も珍しいと思います。
続編はまだ観ていないんですが、尻すぼみ系のシリーズみたいなので、あまり期待せず時間が空いたら観てみようかな。
ではでは『96時間』のレビューでした。
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96時間 - 感想・評価
公開日:2008年02月27日
ジャンル:アクション映画, 犯罪映画, スリラー映画
監督:ピエール・モレル
出演:リーアム・ニーソン, マギー・グレイス, ファムケ・ヤンセン
96時間
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ストーリー - 65%
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キャラクター - 95%
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演出 - 85%
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映像 - 90%
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音楽 - 55%
78%
映画レビューまとめ
敵に情け容赦ない主人公、最強な男がみたいのであればこの映画。時間も短いのでサクッと観れて何度も観たいと思える作品だと思います。ラスト15分のアクションは特に圧巻の最強超人感がハンパない。
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