銀のエンゼル - 映画情報
- 公開:2004/12/18
- 監督:鈴井貴之
- 出演者:小日向文世, 佐藤めぐみ, 山口もえ
- 製作国:日本
- 上映時間:1時間50分
MOVIE REVIEWS
銀のエンゼルという映画をご存じでしょうか?2004年に公開された邦画なのですが、何よりも注目すべきはその監督。
北海道の怪物、大泉洋を生み出した伝説の番組「水曜どうでしょう」でおなじみであり、大泉洋率いるTEAM NACSが所属する芸能事務所CREATIVE OFFICE CUEの社長、鈴井貴之が監督を務めた映画なのです。
しかもプロデューサーは鈴井貴之の奥さんであり、CREATIVE OFFICE CUEの副社長である伊藤亜由美。もう鈴井さんファンにしては絶対に見なくてはならない映画。
とは言え、主演も見逃せません。これも北海道出身の小日向文世さん。しかもローソンの店員として出演するのもあって、ローソンが全面的にバックアップしてる。
マチのほっとステーションと謳うだけあって、北海道ローカルなこの映画ですが、あたしてその内容はどんなものなのでしょう。
ということで、映画『銀のエンゼル』をレビューをしていくことにしましょう。
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映画『銀のエンゼル』 – ストーリー
公開日:2004年12月18日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画
監督:鈴井貴之
出演:小日向文世, 佐藤めぐみ, 山口もえ
北海道のとある小さな町にみんなにお願いされて農家を辞めコンビニのオーナーになった男がいた。妻を店長にして店の運営はすべて任せていたが、ある日妻は事故にあい入院してしまう。すべて妻任せだった事を全て自分でやらなくてはいけなくなり、てんやわんや。しまいには高校生の娘が東京の大学に行きたいと家出をする始末。コンビニを中心に展開する緩やかな時間が流れる町のあるひと時…
もし、あなたに中華料理屋で『銀のエンゼル』ってどんな映画?あらすじは?と聞かれたなら…
この映画は一言で言えば、“北海道の小さな町を舞台とした色々な人のちょっとした出来事を重ねた映画”だね。
父と娘の確執をメインに据えてはいるけど、それだけをピックアップしているわけではなく、とにかく沢山の人が出てきて沢山の場面が出てきて、それぞれの日常を楽しむってのが多分この映画の雰囲気だと思う。
僕は水曜どうでしょうが好きでね、その主メンバーである鈴井さんが監督をつとめて、大泉洋とかTEAM-NACSのメンバーも出るっていうんだから、これは是非とも観たい!と思ってたんだよね。
でも近くのレンタル屋にはなくてさ。Amazonのプライムビデオで発見した時は小躍りしたぐらいだ。ただ、まぁ無料ってなるといつでも観れるしいいかって後回しにしてたんだけど、この度無料期間が終わるっていうんで観てみたのさ。
そしたらのっけから、鈴井さんのラジオトークから始まり、大泉洋がトラックを運転してる場面が出てくるからさ、テンションあがったわけ。
さらにね、あれ?!この男の子、金八に出てた信太(のぶた)じゃね!?ってなってね。金八先生に信太が出てた第6シリーズはさ、まさに僕が同じ年ぐらいの学生の時でね、金八先生の話をしただけで高校の面接受かったっていう思い出があるぐらい金八大好きだったわけ。
しかもこの信太の口癖「いやになっちゃうよな〜」を真似してたぐらい信太が好きでね。この辻本祐樹という俳優さんをあんまり他で見かけた事なかったから、鈴井さんマジでナイスチョイスっす!って感じだった。
さらにさらにね!これだけじゃ終わらない。
なんかまたもや見たことある女の子がいるのね。ああ!!!繭子じゃん!英語得意な繭子じゃん!!
金八のさ第6シリーズは上戸彩が出てたからさ、学校の友だちとかは上戸彩推しだったんだが、僕は俄然、繭子役の佐藤めぐみが大好きだったのさ。
繭子と信太。まさか僕が大好きだった二人を共演させるとは鈴井さん恐るべし!!ってなってた。
…ま、個人的なキャスティング好みは置いといて、ちょろっとあらすじにも触れていこう。この映画、あらすじを説明するのがすごく難しい。
というのも、中心となるストーリーがあるっちゃあるんだが、それがメインっていうわけではなく、ゆるやかに流れる北海道のとある小さな町の雰囲気を楽しもうっていう感じがメインに思えるぐらいゆるい映画なんだ。
なんての。とりあえずざっと流れを言ってみるけど、主役は小日向文世が演じる、ローソンのオーナー、北島さん。
彼は元々農家をやっていたんだけど、便利だからコンビニやってくれない?って町のみんなから頼まれて転職したのね。
それからはお店の運営は妻の浅田美代子に任せっきりで、自分は昼間っから村上ショージとガソリンスタンドの屋根でコーヒー飲んだりのんびり暮らしてる。
この小日向文世と浅田美代子の娘役として佐藤めぐみが高校生を演じているわけなんだが、高校3年生でそろそろ進路を考えているんだけど、絵が好きでね、東京の大学に行って絵の勉強をしたいと思っているわけ。
でも、お父さんは自分に興味持ってないし、東京に行きたいって言っても反対されるだけだろうからという事で話をしていない。
んで、三者面談があるんだけど、その三者面談に向かう途中、浅田美代子は車で事故にあってしまって全治3ヶ月の怪我を負う。
当然妻に任せっきりだったコンビニの運営を小日向文世がやらなければならなくなるんだけど、何から何まで全くやり方がわからなくててんやわんや。
早く戻ってきてくれないかって妻に頼んでも、妻は心が折れたみたいで、怪我が治っても、もうコンビニには戻りませんからって言われてしまう始末。
さらには、コンビニにちょこちょこ娘が顔を出すんだけど、人伝いに娘が東京の大学を受けるって事を聞いちゃうのね。
そんな話聞いてないぞ!って怒るんだけど、周りはみんな知ってた事だし、娘の部屋にはいつの間にか鍵がかかってて話もしてくれないし。
実はその鍵でさえ1年前からあったもので、いかに自分が周りに無関心だったかを思い知らされるわけ。
んで、娘と話をしたいのに、店はシフトに入ってくれる人が少なくて自分が出ないといけないし、発注ミスで豆腐が大量に届くし。
…もう!!なんなんだよ!ってなっている時に、娘が客として来てね、今から家出しますから。東京で住む場所見つけたら連絡します。なんて事を言われてしまう。
娘を追って行きたいけどコンビニは24時間店を開けてないといけない。
あんた店なんかやっている場合かよ!娘の事心配じゃないのかよ!なんて大泉洋に言われたりしてね。小日向文世、大泉洋をぶん殴る。
大泉洋、佐藤めぐみを追いかけて、親父さんの気持ち届けに来たわと、殴られた顔を見せる。娘改心する。戻ってお父さんとちゃんと話をする。っていうのがだいたいの大筋。
ね?これだけ聞くとぶっちゃけ30分ぐらいで終わるし、すんごーく薄ーい内容のストーリーなわけ。
だからね、この映画はあくまでも本筋は骨格なだけで、町の中の人々の暮らしが肉としてついてるって感じだな。
タイトルにもなっている銀のエンゼルはさ、森永製菓のチョコボールの当たりくじの事なんだけど、コンビニにねチョコボールを買いに来る女性がいるわけ。
銀のエンゼル5枚集めるとお菓子の缶詰がもらえるんだけど、今まで5枚揃ったことないんですよねー。4枚は集まるんだけど、最後の1枚がどうしても揃わない。
私の人生っていっつもそう。5枚目が揃ったと思ったら、あったはずの4枚のうちの1枚がどっか言っちゃったりね。
だから、このお菓子で銀のエンゼルが出たら何か私の人生が変わるかもしれないって買い続けているんですよー。なんていう小話が挟まってたり。
「おにぎり温めます?」「いえ、バナナを温めてください」「バナナですか?」「家でそうやって食べてるんですよ」「バナナって温めて大丈夫なんですか?爆発とかしません?」「だから家でそうやっているんですって」っていう本筋とは全く関係ない話が差し込まれたりね。
正直な所、あまりにも本筋とは関係ない所が多すぎて、これ、多分、ストーリー重視の人には全く受け入れられない系の映画だなって思ってしまったぐらい余計なものが入っている。
ま、余計なものであって、無駄なものではないんだけどね。こういう余計な場面が好きな人にとっては堪らない映画だね。うん。
それにね、キャストがかなり豪華。マジでチョイ役で色々な人が出ている。
いや、多分、今考えたら豪華なだけで、その当時はまだ売れていない人ばっかなのかもしれないけど。なにせ2004年の映画だからね。
西島秀俊がコンビニの店員として出て来るんだけど、なかなか顔が幼く感じたし、ももいろクローバーZの有安杏果が子役として出てる。まだももクロのメンバーでもない時の。
ユースケ・サンタマリアが出てた『
UDON』を思い出してしまったね。
あの映画もチョイ役で、すげー俳優さん沢山出てきたからな。あれは意図的に出演してたけど、こっちはどっちかというと、え!あの人もこの映画出てたの!?って感じかな。鈴井さん、ナイスチョイスっす。
ま、あれだ。そういう感じでさ、この映画は雰囲気映画だな。このゆるーい雰囲気を楽しめるかどうかだね。
でもね、やっぱり小日向文世はすげーわ。演技むっちゃ上手い。全然ストーリー的にはポカーンだったけど、最後に涙流すシーンで、釣られて泣いてしまったもんね。うん。
あと、ちょっとカメラワークが独特な部分があるから、余計だったなぁ…って感じる所もちょっとあるっちゃある。
でもまぁ、こういう撮り方もあるよねって感じ。この映画に完璧さを求めちゃいけないよね。それなら他の映画観てりゃいいじゃんってなっちゃうから。こういう映画もあるんだよーって軽い気持ちで見るのがいいと思う。
そーだな。雰囲気的に『
きょうのできごと』とか『
茶の味』みたいな映画が好きならこの映画も好きかもしれない。
一見どうでもいい所にむちゃくちゃこだわりがあるっていう感じのやつね。ゆるい感じの映画なんだけど。
ま、興味が湧いたら調べたりしてみてよ。なかなか手厳しいレビューもなかにはあるけどねー。
…そんな事を『銀のエンゼル』について、月餅をお持ち帰りにして、中華料理屋で話すと思います。
『銀のエンゼル』の名言
頼りにならない人は町の為にコンビニ始めてくれ、なんて頼まれたりしないわよ。
全部自分の蒔いた種じゃないですか。実がなるまで育て上げればいいんですよ。
俺はな、物を運ぶのが仕事なんだよ。親父さんの気持ち、あのバカ娘に届けてやる。
ダメなことなんてないんですよ。確かに規則じゃそうかもしれませんが、それが全てじゃありませんから。
『銀のエンゼル』のおすすめポイント
・所々に見えるこだわりに気がつくと、フフフと笑える。なるべくアタマを空っぽにして、そこに流れ込む北海道の雰囲気の風を楽しもう。
・何気にセリフに聴き応えのあるものが多いのもポイント。
映画『銀のエンゼル』 – まとめ
個人的な事を言えば、もう僕の中では信太と繭子が金八以外で共演していたという事を知れただけで満足です!
大好きだった二人がまさか同時に違う作品の中で見られるとは…。大泉洋大好きな僕でも、その衝撃が強すぎて大泉洋がどっか行っちゃってました。のぶたーのぶたーってブツブツ言いながら観てましたね。
あと、この映画はセリフの中にところどころ、ハッとさせられる言葉が混じっていて、西島秀俊がお酒を飲むシーンが好きでした。飲めましたっていうシーン。ローソンの看板が粉々になった所も現実的に考えると大問題なんだけど、笑ってしまった。
まあ、グランドホテル形式で色々な人が出てくるわりに、全然回収もしないし、ほっぽりっぱなしな部分も多いけど、その瞬間瞬間に楽しめるなら、こういう映画も良いんじゃないかっていう映画でした。
ローソンとチョコボールの宣伝みたいな気もするけど、元コンビニ店員だった僕はちょこっと懐かしくなりました。チョコボール最近食べてないなー。昔もらったお菓子の缶詰、どこ行ったんだろ…。
ではでは『銀のエンゼル』でした。
…たしか、僕がもらった時は金のエンゼル一枚で応募したはず。
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銀のエンゼル - 感想・評価
公開日:2004年12月18日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画
監督:鈴井貴之
出演:小日向文世, 佐藤めぐみ, 山口もえ
銀のエンゼル
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ストーリー - 35%
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キャラクター - 80%
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演出 - 70%
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映像 - 55%
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音楽 - 65%
61%
映画レビューまとめ
水曜どうでしょうファンじゃなくても楽しめる内容だとは思いますが、出来れば水曜どうでしょうなどを観てからの方が、この映画を数倍楽しめそうな内容です。観たことなければ変な人が変な事やってるっていうシーンが多いかな。結構クセのある作品。