宇宙人ポールという映画をご存じでしょうか?2011年公開のイギリス・アメリカのSFコメディ映画なのですが、なんとも素朴なタイトルでしょ?
原題は『Paul』で「宇宙人」という言葉すらついていないのです。
この映画は、おっさんみたいにフレンドリーで汚い言葉を使う宇宙人ポールと、彼に出会った2人のSFオタクの旅物語。
低予算のB級映画のようですが、ちょっと下品で、ちょっとくだらない。でも、ちょっぴりしんみりする。そのギャップがまさにツボにはまります。個人的には久しぶりの掘り出し物な気がします。
落ち込んでいたので、まさにこういう映画が観たかった!
ということで、映画『宇宙人ポール』のレビューをしていくことにしましょう。
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映画『宇宙人ポール』 – ストーリー
公開日:2011年02月14日
ジャンル:冒険映画, コメディ映画, SF映画
監督:グレッグ・モットーラ
出演:サイモン・ペッグ, ニック・フロスト, セス・ローゲン
イギリス人のSF作家のクライヴとイラストレーターのグレアムは二人仲良くアメリカにUFO巡りの旅行に来ていた。キャンピングカーでドライブ中、車の事故現場に遭遇する。車から降りてきたのはなんと宇宙人。ポールと名乗ったその宇宙人は政府から追われていると言う。戸惑いつつも彼をキャンピングカーに乗せ、追手から逃げることに。宇宙人ポールを故郷の星に帰すため、命がけの逃走劇が始まる…。
もし、あなたに焼き鳥屋で『宇宙人ポール』ってどんな映画?あらすじは?と聞かれたなら…
この映画は一言で言えば、ちょっと質のいいパロディ満載のコメディー映画なんだ。ちょっと質のいいって所がミソね。
まぁ、あんまりSFを観てこなかったからパロディの元ネタを知らないものも多かったけれど、それでも充分に楽しめた映画。ストーリー的には王道よりかな。でも王道なのにギャップがある。そこに“ちょっとの質”が隠れているんだ。
出演している俳優さんはほとんど知らない人だった。もちろん僕が知らないだけで有名な人もいるんだろうけど。
でも出演者は知らないにしても映画の中に出てくる会話に登場してくる名前は知ってるものが多い。スピルバーグやらE.T.やらスタートレックやらエイリアンやらメン・イン・ブラックやら…。全部は拾いきれなかったけど、元ネタまとめサイトがあるぐらい散りばめてあるんだよね。
もしかしたら映画に詳しい人からすると「表面だけをかっさらったような物しか出してねーじゃねーか!ミーハー野郎が!」と怒りが生まれてくるのかもしれないから、僕ぐらいなちょっとかじった事あるぐらいが一番楽しめる映画なのかもしれないね。
僕もaikoとか好きなアイドルとかの特集組まれている番組見て「なんでこんな有名な曲ばっかり選曲するんだよ。もっといい曲あんだろーが!」って思っちゃうもんね。好きだから仕方がない。
でもやっぱり名刺として差し出すにはキャッチーで有名な感じの方が受け取りやすいし、受け入れやすいんだろうね。
さて、ではではこの映画の王道ストーリーであるあらすじを追っていこうとしよう。この映画の主人公はイギリス人の二人のSFオタク。一人は小説家。一人はその小説に挿絵を入れているイラストレーター。二人は大の仲良しで周りから見ればゲイのように勘違いされてしまうほど。
そんな彼らはアメリカに旅行しに来ていた。目的は二つ。コミコンとUFO巡り。コミコンっていうのは日本のコミケみたいなもの。UFO巡りは聖地巡礼。それのSF版ね。
スターウォーズとかのコスプレしたり人が集まって即売会や握手会を行うコミコンに行って、その後キャンピングカーを借りてUFOが目撃されたり、SF映画で使われた現場などに行って同じポーズして写真撮ったりね。
まぁ、日本と違うのは場所がアメリカだから端から端まで車で大移動しなきゃいけなかったって事。キャンピングカーで寝泊まりして次の場所に一日かけて向かう的なね。
そんな道中、セダンの車が事故を起こす瞬間を見てしまう。
心配になってその様子を見るために車を降りると、セダンから出てきたのは典型的でステレオタイプな形、グレイと呼ばれるような見たまんまの宇宙人。しかしその宇宙人は自分の事をポールと呼び、喋っている言葉遣いはまさにおっさんそのもの。
ビックリした二人のうち小説家の方は失神してしまい、イラストレーターの方は笑って受け入れた。ポールは言う。「とりあえずビックリしているだろうが、助けてくれ。そうじゃなきゃ俺は殺されてしまうんだ」
…冷静に考えればSFオタクにとってこれほど嬉しいことはない。“本物”に会えたわけだから。イラストレーターはポールと協力して失禁して失神している小説家をキャンピングカーに乗せ、ポールの言われるがままに車を発車させる。
彼らが発車したちょっと後、車の事故現場に一人の厳しい顔をした男が現れる。彼は残された事故車を調べ、地面に落ちている水たまりをひとすくいして舐める。ペッ!…小便だ。彼はどこかに無線で連絡し指示を受けキャンピングカーが向かった方向に車を走らせる。
ま、その後はさ、女性を逃亡の仲間に加えたり、そのことで女性のお父さんからも追われたり、色々な所で敵を作って様々なグループから追われるドラゴンボール的な王道ストーリーになる。
宇宙人ポールとその御一行様はポールが故郷の星に帰る為に右往左往、時には仲間割れをしつつ時には恋愛もありつつ、時には友情もありつつ、時折ブラックジョークを踏まえながら、時折パロディを踏まえながら頑張るっていうのが大筋なんだよね。
パイオツが屁をこいたとかちんこがどうのとか下品な雰囲気が常に漂っているから、シリアスとは程遠い映画なんだけど、時には真剣なアクションあり、特にはどんでん返しあり、そしてラストはしんみりムード持ってくるからそのギャップがもうなんかね。やられたーって感じだった。
やっぱりさ、シリアスムードからのしんみりよりもギャグムードからのしんみりの方が振り幅が大きいから、同じようなシーンを見せられているにも関わらず、おお!!ってなるよね。
ちょっと昔の漫画の『
みどりのマキバオー』とか、ギャグなのに泣いたもんね。うんこたれ蔵とかいう主人公の漫画なのに泣きまくったもんね。ギャップはずるいよね。
あれだな。『
TED』みたいな映画が好きなら、この映画が好きかもしれない。あれもまぁ、かなりお下品で最後はちょっぴりしんみりだからね。あれはクマと人間の友情だけど、こっちは宇宙人と地球人たちの友情。
まぁ、あれだ。この映画は観終わった後、特に何も考えずにいられるから気楽に観るにはちょうどいい映画だね。
…そんな事を『宇宙人ポール』についてボンジリでも食べながら焼き鳥屋で話すと思います。
『宇宙人ポール』の名言
ピザだ!
たまには冒険するのもいい。
自分らしく正直に言うのが一番さ
『宇宙人ポール』のおすすめポイント
・コメディーなので知らないものは知らないままでも充分に楽しめる。深い意味を理解しなくてもその場の雰囲気を楽しめばいいのです。
映画『宇宙人ポール』 – まとめ
なかなかに期待を裏切ってくれたB級映画でした。低予算なんてなんのその。充分面白いよ。
他の人のレビューを沢山読んでみて感じたのは、この映画は映画が大好きで仕方ない人にとっちゃ観るに耐えないものっぽいけど、家族でたまーに映画を観て楽しみたいっていうライト層にはウケがいいってこと。
まぁ、エロ用語やそれを彷彿させる行動が出て来るので、子供と一緒に観たらアレどういう意味なの?って質問されたりして気まずいかもしれないですが、充分に大人になったお友達などとピザ食べながら観るならいいんじゃないでしょうか。
なんだかんだで100件以上レビューついてて、高評価を維持しているし。
映画は自分の感情と相談して、どのジャンルを観るかってとても大切な事なんだと思います。どんな名作だって、自分の身近な人が死んだすぐに観て、映画でも死ぬシーンが描かれてたら、そのシーンが普通の時は感動していたのに、とても観られたものでなくなっちゃうし。
ものすごくへこんでいる時は、こういう何も考えずに笑える映画がいいのだと思います。怒ったり、泣いたり、喜怒哀楽に心が揺さぶられて冷静になれなくなったら、おっぱいの事を考えなさいって死んだばっちゃが言ってたもんな。
ではではそんな感じで『宇宙人ポール』でした。
次もきっとおバカ系のコメディー映画を観ようと思います。落ち込んだ時はやっぱりこういう映画。
宇宙人ポール - 感想・評価
公開日:2011年02月14日
ジャンル:冒険映画, コメディ映画, SF映画
監督:グレッグ・モットーラ
出演:サイモン・ペッグ, ニック・フロスト, セス・ローゲン
宇宙人ポール
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ストーリー - 65%
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キャラクター - 90%
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演出 - 85%
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映像 - 70%
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音楽 - 65%
75%
映画レビューまとめ
ダークユーモアたっぷりなのに、最後はしっとり。そのギャップにやられた。何も考えずに観るならこの映画は最適だと思う。深く考えちゃダメ。ただ楽しむ為に観るのだ。