ミッドサマー - 映画情報
- 公開:2019/07/03
- 監督:アリ・アスター
- 出演者:フローレンス・ピュー, ジャック・レイナー, ヴィルヘルム・ブロングレン
- 製作国:アメリカ合衆国, スウェーデン
- 上映時間:2時間21分
MOVIE REVIEWS
ミッドサマーという映画をご存知でしょうか。21世紀最高のホラー映画と称された『ヘレディタリー/継承』のアリ・アスター監督が2019年に発表したサイコホラー映画です。
自身初の長編ホラー映画がサンダンス映画祭で激賞された監督なので、果たして次回作の『ミッドサマー』はどんな内容になってくるのだろうと期待したのですが、この監督、その期待を遥か右上をいく映画を作ってくれました。
とにかく『ミッドサマー』は評判呼んだのです。どんな評判かと言えば胸糞映画。観ていて胸クソが悪い映画として評判になったのです。
「カップルでこの映画を観ると別れる」とジンクスまで生まれ話題性は抜群でした。
ちなみにこの映画、日本の村ホラーを参考にしたと言われています。
ところがどうでしょう。いざ観てみると、日本のホラーにありがちな陰鬱とした薄気味悪さはどこへやら。非常にきれいな映像美が流れてくるんですよね。
綺麗な映像美のホラー。なのに胸糞映画。これは一体どういうことなのでしょうか?
…という事で、そんな映画『ミッドサマー』のレビューをしていくことにしましょう。
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映画『ミッドサマー』 – あらすじ
公開日:2019年07月03日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, ホラー映画, ミステリー映画
監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピュー, ジャック・レイナー, ヴィルヘルム・ブロングレン
双極性障害を患っていた妹が両親とともに無理心中をしてしまった事にひどく落ち込んでいたアメリカの大学生のダニーは、彼氏とその大学仲間とともに交換留学生の故郷であるスウェーデンのとある村を訪れた。90年に1度しか開催されない夏至祭に参加し、穏やかな村人たちに温かく迎えられたメンバーだったが、アッテストゥパンという儀式をきっかけに不安と恐怖に襲われるようになる。しかし「これは長らく続けられてきた事であり我々の文化なのだ」と説明され、大学の論文のテーマとしてその村を扱うことに決めていたことを理由にメンバーは居残る事にしたのだが、ダニーの心は次第にかき乱されていく…。
映画名作レビュー戦記シネマネオン!-ミッドサマーの巻-
前回までのシネマネオンは…
館見放題
とある映画館でポスター貼りのアルバイトをしていた館見 放題。「続きはCMの後で!みたい手法じゃん!」と言いながら映画ランキングと興行収入を参考におすすめポスターを入れ替えていたが、その作業中、謎の組織ノーモアーズに襲われ記憶と顔を盗まれてしまう。何も思い出せない館見。彼は自分を取り戻すため、引き込まれるように映画館に入り『ミッドサマー』を観ようとしたのだが…
映画『ミッドサマー』 -内容紹介-
ち、畜生!なんだったんだ。あの赤い顔の男は…。何かを思い出せそうだったのに、映画館から追い出されてしまった。『ミッドサマー』とは一体どんな映画なんだ…。
一言で言えば、“ホラーの常識を覆した作品”。アリ・アスター監督の2019年の作品です。
呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン。レビューロボ、シネマネオンです!
まぁまぁ、落ち着きなさい。君は、フローレンス・ピュー主演の映画『ミッドサマー』が観たかったんでしょう?
そうだ。『ミッドサマー』を観れば何かを思い出せそうな気がするんだけど。
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アジャラカモクレン、ミッドサマー、テケレッツのパー
うわああーー!『ミッドサマー』の映像が頭のなかに広がっていくぅぅぅぅうう!!
映画『ミッドサマー』 -解説-
ホラー映画のイメージってどんなのです?
うーむ、そうだなぁ。暗くて、殺人鬼がいて、叫び声出しながら逃げ惑う感じ。
そうそう。そういうのがホラー映画のイメージですよね?ですが、今回の『ミッドサマー』は全然違うのです。
まず、舞台がスウェーデンなのですが、白夜で夜九時になっても昼間のように明るい。この映画は、暗いどんよりとした雰囲気がほとんどないのです。
そして日本の村ホラーを参考にしたと言われています。
たとえば、ある村では昔こんなことがあって、祟りがあるんです。村人はそれを信じていて…みたいなのあるじゃないですか。
この映画もね、スウェーデンのヘルシングランド地方にあるホルガ村というコミューンを扱っています。
地方自治体。共同社会。まぁ、自分たちのルールがある村ですね。
まずはあらすじを説明してしまいましょう。主人公ダニーには双極性障害をわずらっていた妹がいました。
そうです。パッケージにいる女性がダニーです。ダニーは大学生で心理学を学んでいるんですが、本人はパニック障害を抱えていて、不安に駆られるたびに恋人のクリスチャンに電話してしまいます。
支えてもらえる恋人がいるのね。ふむふむ。
ですが、クリスチャンはもう1年も前からダニーと別れようと思っていたのです。
しかし、情があるからなのか、なかなかクリスチャンはダニーを振ることが出来ません。そんな中で大学生の友達は論文の研究がてらスウェーデンに行こうよ!と提案していました。
大学の友人の中にスウェーデンとの交換留学生がいるんですね。それがホルガ村出身なのです。
旅行に行って、素晴らしい体験やら素敵な出会いがあれば、彼女の事も吹っ切れるだろうと。
恋愛の事は恋愛で忘れなさいというやつだな。
しかし、タイミングが悪いことにここでダニーの妹さんが一家心中をしてしまうんですね。
父と母を巻き込んでガス自殺してしまうのです。
なんてこったい…。ダニーは天涯孤独じゃないか。
数日前からダニーは妹の意味深なメールで不安になってクリスチャンに何度も電話をかけては「妹は君の気を引きたいだけだよ。君が相手をするから妹もつけあがって、君がパニックになっちゃうんだ。ほっときな」的な事を言っていた矢先の事でした。
あらま…。それはクリスチャンとしても後味が悪い…。
なのでクリスチャンは別れを切り出すタイミングをまたもや逃してしまうんですね。そして一緒にパーティーに参加した時に友達がスウェーデン旅行の事をダニーに話をしてしまうのです。
「え?なにそれ?聞いてないんだけど!」ってなりそう。
当然、そんな流れになりました。ただダニー的にはいっつもクリスチャンに頼ってばかりなのであまり強く言えません。「イイよ、行って来て」と告げるのですが、それを見たクリスチャンは「君も一緒に行かない?」とダニーを誘ってしまうのです。
ありゃー、友達としては男友達だけで遊びに行くつもりだったのに、ハメはずしにくくなるね。
当然困惑する友人たち。クリスチャンも「建前上誘っただけで、ダニーは来ないよ」と言っていたんですけどね。
「一応、形としてお前らがダニーを誘ったらどう?って言ってくれたことにしておいてくれ」とクリスチャンの提案に、スウェーデン留学生のペレはダニーを優しく誘います。
まぁ、自分の故郷に来てくれるわけだからね。誘いやすいかもしれないね。
そこで見せた自分の故郷で着ている衣装やら風景がダニーには魅力的に映ったんでしょうね。それとペレは「自分の両親も実は昔亡くなっていて、君の気持ちは本当によくわかるんだ」ってダニーに打ち明けるんですね。そこでダニーは号泣。
自分の気持ちに共感者がいるとついつい抑えていた感情があふれ出てしまう事あるよね。
それでダニーは結局スウェーデン旅行についてきてしまうのです。
ヘルシングランド地方のホルガ村に着いた一同は、村人に温かく迎えられます。
ホラー映画の定番だよね。最初は温かく迎え入れてくれるんだ。
そこにはペレの兄弟分のイングマールという若者がいて、彼は彼でカップルを一組この村へ連れてきていました。
どうやらホルガ村では90年に1度「夏至祭」というのが行われるみたいなんですよね。それがこの映画のタイトルにもなっている「ミッドサマー」なのです。
へー。あ、ミッドサマーって夏至って意味なんですね。
まぁ、原題は「Midsommar」でスウェーデン語なんですけどね。
いえ、アメリカ人です。キーがスウェーデンにあるので、タイトルもスウェーデン語にしたのでしょう。ま、しかし日本人にはスウェーデン語はなじみがないので、「ミッドサマー」と英語に変換したんだと思います。
スウェーデンがキーって、スウェーデンじゃないといけない理由があるの?
それがあるんですね。このホラーを特殊なものにしている理由が。スウェーデンは夏至のころ”白夜”なのです!
スウェーデンの夏至は6月なんですが、6月のスウェーデンは白夜で一日中太陽が沈まず、夜の12時になって空が真っ暗にならないのです。
えー、でもそれだとやっぱり怖くないのでは?
と、ここでイングマールは平然とマジックマッシュルームを勧めてくるんですね。
そう。ダニーは一度は断ったものの、みんなの輪を壊したくないとトリップすることに決めました。そして手から草が生えたりする幻覚を見るようになるのです。
しかもその幻覚の影響で、死んだはずの妹が見えたりしてしまうのです。
さらにですよ、ホルガ村でおこなわれる夏至祭はただの祝祭ではなく、村独自の宗教的な文化の祭りだったのです。
村独自の宗教的な文化の祭り?それの何がいけないの?
まぁ、これがいわゆる日本の村ホラーを参考にしているわけですよ。わかりやすい例で言えば死生観ですかね。
死生観?生と死に関する考え方ってこと?
この村では人の人生は四季に例えられます。
人生は”季節”だ。18歳までの子供は”春”。18歳から36歳までは巡礼の旅をする”夏”だ。そして36歳から54歳は労働の年齢、季節は”秋”。54歳から72歳は人々の師となる。
この村の人々は72歳を超えるとアッテストゥパンという儀式を行い、命を次の命へつなぎ渡すのです。
ま、早い話が72歳を超えた人たちは自殺するんですね。それでその名前が新しく生まれた子供につけられるのです。
メンバーは目の前で行われたアッテストゥパンという儀式に困惑します。目の前で老人が崖から飛び降りて死んでしまったわけですから。
目の前で人の死に際を見せられるとか…。
もちろん主人公のダニーは一家心中をした家族たちの記憶がフラッシュバックします。
そしてこの村を出たいと言うのですが、これがこの映画の不思議なところ。他のメンバーは論文のために残ろうって言うんですね。
温かく迎えられたこともあってなのか、宗教の違い、考え方の違いは否定したくない、研究対象として論文に書きたいみたいな形で残る事になるんですよ。
あらま。これがホラー映画じゃないなら、この村から脱出してこの話はおしまいって感じになるのかもしれないけれども…。
という感じでかなりカルト地味た村で、狂信的な村人たちに白夜の明るさの中でメンバーは追い詰められていくっていうのがこの映画のあらすじです。
正直なところ、最初の方はなかなかホラーっぽくならないなぁーって感じで、ちょっとダラダラした感じはありました。
でも、アッテストゥパンの儀式で流れが一変。やっと不気味な雰囲気が来たなと。
お、それじゃあ後半に右肩上がりに怖くなっていくのね!?
かと思うとそうでもなくて、とにかく緩急がすごいんですよ。舞台が昼間だからって感じで。怖いシーンが一瞬で去って日常に戻り、急にまた怖いシーンになる、みたいな。
んで、だんだんエスカレートしてきて、最終的には怖いというより、笑ってしまうみたいな。
村人の狂信的なところが全面的に明らかになると「なんだこれ」感がすごくて、怖いと言うよりも笑ってしまうんです。
ネット上では話題になったのもあって、考察サイトとかたくさんありますけどね、正直なところ1回見たらもう良いかなって感じの映画ではありました。
考察サイトがあるのに繰り返し観たら面白くないの?
一応、字幕と吹き替え両方観たので二回観たんですけどね。二回目は、あれ?こんなにあっさりした映画だったっけ?って感じでした。流れがわかってしまうとそれほど恐怖もなくただ異質な映画だなというだけの印象でした。
話題のために観るにはいい映画だと思いますけどね。映像も演出もなかなか凝っているので。カメラワークとか良かったですよ。
そかそか。…って胸糞映画の理由は一体どこに!?
それらの話はネタバレのコーナーの方で改めて話したいと思います!
アジャラカモクレン、レビューラビュー、テケレッツのパー
映画『ミッドサマー』の批評を終えて
…続きはCMの後で!みたい手法じゃん!…ん?あれ?ここは?あ、ポスターの前か。
あー、今回は『ミッドサマー』推しなんだな。このポスター貼って、次の試写会の会場に行く前に、ささっと限定20杯の燻製ラーメン食べに行かなくちゃ!あー。腹が減ってきたなぁ。急がなくっちゃ!!
それにしても、この「映画名作レビュー戦記シネマネオン!」とかいう知らない映画の前売り券を支配人にもらったけど、どうしよう…。一緒に見に行ってくれる人なんていないしなぁ?。
映画『ミッドサマー』の名言・心をざわつかせた言葉
感じるか?地中から湧き上がるエネルギーを。
「もう”明日”なの?」「昨日から見ればね」
「熊は無視するのか?」「ただの熊だ」
人生は”季節”だ。18歳までの子供は”春”。18歳から36歳までは巡礼の旅をする”夏”だ。そして36歳から54歳は労働の年齢、季節は”秋”。54歳から72歳は人々の師となる。
我々にとって命は”輪”。再び巡る。
動画視聴で『ミッドサマー』を実況・解説!
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なんか奇妙な絵から始まった。あとで意味がわかるようになるのかな。
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ただの電話の音でビビる(笑)
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考えてみれば、映画の中でiPhoneを使っているのを見たことが無い。
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たまに食パンかじるみたいにケータイ持って話すシーンあるけど、これ実際にやったりするの?
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シーンが唐突に変わりすぎだろ!不気味だよ!
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えー!?さっき普通に映ってた人じゃん!
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こ、こわっ!こんな死に方は絶対に嫌だ…。
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BGMの不協和音と泣き声がマッチしすぎ!このオープニングの入り方はすげーな。
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「MidSummer」かと思ってたら「MidSommar」なのね!?スウェーデン語!?「夏至祭」ってなんじゃい!
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5秒の無言に、「面倒くせー!!」という心の声が聞こえた(笑)
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無言で困惑のシーンが多いな(笑)
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お、パッケージの衣装だ。
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だからなぜ急にシーンが変わるんだ!(笑)
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ん?意味深なカット!
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うおお!無重力って感じの撮り方!ちょっと気持ち悪い!
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ほんとに無言の困惑のシーン多くない!?(笑)
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うわっ…突然の草にビビった!気持ちわるっ!
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だんだんホラーっぽくなってきた。
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脇汗が気になるよ!
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緩急半端ねーな。
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なかなか写真映えしそうなオブジェだ。
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いまだにどんな映画かわかっていない。ひたすら民族音楽みたいなのが流れる映画だなとしか…。
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このモノマネする芸人出てきそうだな(笑)
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笑う夏目漱石を思い出した。
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三角形って時に奇妙だよね。
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突然のシモ!何料理だよ!(笑)
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中々火がつかないコント(笑)
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お笑い芸人がマネしたくなるシーンが沢山!ホハッ!
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なんで急にこっちみるの?
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やっぱりこういうシーンがあると思ってた…。
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うわ…。これは…。想像はしてたけどキツイ…。
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エグいなぁ…。
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これはホラーという感じではない…。うおぉぉ…。
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なんてこったい!!
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人の呼吸とか声でシーンが切り替わる事多いな。
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待ってよ、緩急がすごすぎるよ!集中していたころにこの映像はすごすぎるって!
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急なCG!トラウマの再現がすげーな。
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お、ついに内と外で不和が起き始めたぞ。これを待っていた。
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クリスチャンはなんでこんなに嬉しそうなんだ(笑)意外と一番ヤバいやつはコイツなのか?
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やっぱりクリスチャンはヤバいやつだ(笑)
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ちょいちょい泣き声を入れてくるんだよなぁー。
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それは思っていても言っちゃダメー!
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やば!伏線回収来た(笑)
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一瞬だけフォーカスさせるカメラの撮り方いいね!
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え?何を?
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あー、タブーを犯してしまう。鏡を見せる演出にくいぜ…。
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うわー!ここに来てついに犠牲者が!やっと!?やっとだよ!やっとホラー映画だよ!
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お玉から水を注いでいるだけなのに、狂気を感じる。
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いつの間にか仲間入りしているし、体の一部がこうなるのがこんなに怖い描写だったなんて初めて知った。
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ほんとコント見ているみたいなシチュエーションばっかりだな。
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手がぼやけているのは意図的なんだろうな。
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観てるこっちが頭おかしくなってくるわ。
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なんかこの話、小説にしても面白そうな感じしてきた。
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ってか、花がでかくなったりちっちゃくなったりしてる!何この細かいCG!
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みんななんも食べてない!(笑)フォークとナイフカチャカチャさせているだけだー!何このシュールさ!(笑)
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こわっ!もうファンタジーじゃん!
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幻覚症状的なの大好きだな。
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ここにこれはもう笑ってしまう(笑)
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これは一体何を見せられているの!?ぽくぽくチーン!
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歌うなやー!(笑)もうコントだよ、これ。
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もうほんと辞めてー(笑)ホラー映画じゃないのかよ(笑)
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そんな覗き方ある!?ドア開けなよ!
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かんべんしてー、笑いが止まらない(笑)
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なんでここに来てモザイクなんだよ(笑)さっきまで普通に見せてたでしょうが(笑)
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音楽でごまかしているけど、もうこれはドリフだよ!
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うわっ…。緩急すごすぎるって…。刺さり方が大根のそれだよ…。こわっ!
- 2:08:25頃
え?誰?…こわっ。目がすごい。
- 2:09:05頃
やべぇ。人間の狂気だ。
- 2:14:25頃
なんじゃそりゃー!
- 2:16:40頃
ここで熊!?
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シュールすぎて笑ってしまう!何を見せられているんだ!
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狂気の極みだ…。薬効いてないじゃん!
- 2:22:25頃
これでフィナーレかよ!
映画『ミッドサマー』 – オチ・エンディング・ラストの感想・考察
ここから先はネタバレを含む場合がございます。まだこの作品を観ていないあなたはこのままページを閉じるか、覚悟の上でお読みください。
by シネマネオン
ここから
今回の映画の最大の論点は、最後に主人公ダニーはなぜ笑ったのか?ということになると思います。
結構いろいろなところで論じられているよね。
この点に関して監督であるアリ・アスターは脚本に↓こんなことを書いています。
「ダニーは狂気に堕ちた者だけが味わえる喜びに屈した。ダニーは自己を完全に失い、ついに自由を得た。それは恐ろしいことでもあり、美しいことでもある」
引用:Wikipedia – ミッドサマー(映画) ラストシーンの意味 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%BC_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
うーむ。正直何を言っているのかわからん!!
まぁ、ダニーは恋人のクリスチャンにずっと頼りっぱなしだったわけですよね。
クリスチャンは正直別れようとしていたけれど、情が厚いこともあってなかなか切り出せなかった。
そうそう。それでスウェーデン旅行でパーっとって所で、タイミング悪くダニーの妹が一家心中を起こしちゃって、結局旅行にも連れて行くことになったんだよね。
なんだかんだでねクリスチャンは良いやつなんですよ。友達からは電話に出なくて良いと言われても、そんなわけにはいかないだろ?って電話に出ているし、旅行だって本当は無視して行けたけど、ダニーを誘っているんです。
でもね、ダニーが欲しかったのは良い人ではなく、共感なのです。自分の気持ちをわかってくれる事。
最初の方でダニーは「そう。あなたが正しいわ。あなたには私が間違ってるって言って欲しかったの」みたい事を言っているんです。いつもねクリスチャンは自分の意見を押し付けてくる癖があると推測出来ます。
自分もそうだけど男性って基本的に話聞くより、答えを伝えがちだよね…。
んで、映画が進んでいくにつれて、ダニーはだんだんクリスチャンの考えが信じられない…みたいなシーンが増えていくのです。ダニーは本当は同じ感覚を持ってほしい、共感してほしいのに、クリスチャンはそうじゃない行動をとる。
まー、最初はそれを良しとしていたのだし、人ってそんなに変わらないでしょ?別にクリスチャンが悪いわけではないのでは?
そこにこの村の文化がバチーンとダニーにハマってくるんですね。この村は共感こそが一番の価値としている所がある。みんなが家族で、同じ感覚を分かち合おうみたいな。だから命でさえも共有するんですね。
なるほど。天涯孤独になったダニーからすれば家族のように扱ってくれる事は非常に魅力的だったろうね。
それでまぁ、ダニーはクリスチャンの浮気現場を観てしまうわけですが、その時にパニックを起こして泣き叫ぶ姿を観て、周りは同じように泣き叫ぶ行動に出るんですね。
ダニーが求めていたものがここにあったわけです。一緒に泣いてくれる人たちがね。
だから、最後のシーンで生贄を差し出すという時に、クリスチャンか村人かの二択に迫られた時に彼氏を生贄として差し出す方の選択をとっちゃったと思うんですよ。
浮気を許せないというより、共感してくれる環境をとったみたいな?
ただね、そんな中で生贄たちが炎に包まれて焼かれるシーンがラストにあるんですね。
生贄に自ら名乗り出た村人、イングマールとウルフは事前に恐怖や痛みを忘れられる薬を口にしています。
この映画は薬物のオンパレードだな(笑)
ただ、この薬は効果がないんですよね。体が火に包まれていくに連れて、ウルフは絶叫し始めるんです。
いくら狂信的な村人でも、死を前にしては効くとされる薬も効果がないんだな。
その叫び声を聞いて、共感を大事にする村人たちは、建物の外で一緒に絶叫し始めるんですね。そしてダニーも泣いている。
おお。まさにダニーは村人の一員になったのだね?
ところがです。建物が焼け落ちた時には、ダニーは村人たちと違う行動に出るんですね。笑うんですよ。これこそが今まで共感を求めていたダニーが自由を得た瞬間の変化なのです。
ははーん。物語が主人公の成長の記録だとしたら、この物語を通してダニーは共感を求める人間から、自由を良しとする人間に変化したという事なのかな?
ま、だから監督は「それは恐ろしいことでもあり、美しいことでもある」と書いたんだと思うんですよね。生贄という文化を通して学んだという点で恐ろしくもあり、依存的で共感を求めていたダニーが自立した姿が美しいみたいな。
でも、これってある意味で「恋人が浮気したから、成敗できてにっこり笑顔」みたいな感じにも取れるシーンじゃないの?
だから胸糞映画って話題になったんですよ(笑)
人によってはダニーがすごい嫌な人に見えるし、人によってはクリスチャンがすごい嫌な人に見える。立場によってそれぞれ見え方が違うんですね。
ま、でもそういうの観たいなら恋愛映画でも良いんじゃないの?
それとともに明るい中で、人体破壊やら死体やら、死への尊厳みたいなのを無視してハンマーで叩いたりするわけですから、一応唯一無二な作品になっていると思います。
映画『ミッドサマー』のような映画・似てる作品・おすすめ
公開日:2008年09月03日
ジャンル:ホラー映画
監督:パスカル・ロジェ
出演:モルジャーナ・アラウィ, ミレーヌ・ジャンパノイ, カトリーヌ・ベジャン
こちらフランスとカナダの胸糞映画です。宗教的な内容を扱っている点では似ているかもしれません。しかし、こちらはあまりにも理不尽極まりない拷問がただただ続けられる映画なので、見終えた後の後悔度合いで言うと勝っているかもしれません。興味本位で観ることはおすすめしません…。
映画レビューまとめ
ども。シネマネオンの中の人、野口明人です。最近は運動不足の体に鞭打って、腕立て伏せを頑張っております。普通にやって15回、膝をついて高速で15回やるだけなんですけど、かなりきつい(笑)
さてさて。
「常識を破る形容しがたい傑作(ウォール・ストリート・ジャーナル)」
「本気で凄い映画。頭がブっ飛ぶ!(エンターテインメント・ウィークリー)」
「ゾッとするほど美しい(デイリー・テレグラフ)」
などなど、宣伝映画を観るだけであまりにも興味をそそられてしまう本作『ミッドサマー』ですが、明るいことがおそろしいと銘を打った珍しいホラー映画になります。
ですが、実際に見てみるとどうでしょう。
ぶっちゃけあんまり怖くないんだけど…っていう人の方が多かったのではないでしょうか。
ホラー映画としてね。
僕は途中から、笑いが止まらなくなってしまって”ホラー映画”として全く観ることが出来なくなってしまいました。
やはり人間の恐怖心というのは正体がわからない・見えない・理由がわからない、みたいな所から来ると思うんですよね。
それを白夜という明るい舞台で行うとなると、正体はわかっているし、見えているし、理由もある程度説明されているからわからなくなくなってしまう。
残るものは異質感だけで、ホラーと言うよりもサイケデリックよりの映画になっていた気がします。
不気味。そう。なんかヤバい感じがするアレです。
んで、最終的に見せられているものが、薬の力などで正常な感覚を失った人たちの恋愛のもつれみたいな所なので胸糞が悪いということになるのです。
ただね、映画の存在感としてはかなり立派なもので、映像の撮り方はきれいだし、音楽の使い方もうまい。緩急の付け方も上手でなんとも評価がしにくい映画でした。
誰かに勧めたいとは思わないけれども、映画好きとして存在は知っていたい映画?って感じでしょうかね。
ということで、これをあなたに勧めるというのもどうかとは思うので、観ようというあなたは自己責任で。多分もっと胸糞映画はたくさんあるとは思うので、それほど…という気もしないではないのが正直な所です。
ではでは、そんな感じで『ミッドサマー』でした。
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました!
野口明人
あ、最後に『ミッドサマー』のレビュー点数です↓
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ミッドサマー - 感想・評価
公開日:2019年07月03日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, ホラー映画, ミステリー映画
監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピュー, ジャック・レイナー, ヴィルヘルム・ブロングレン
ミッドサマー
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ストーリー - 53%
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キャラクター - 69%
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演出 - 94%
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映像 - 90%
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音楽 - 88%
79%
映画レビューまとめ
「明るいことがおそろしい」と通常のホラーの常識を破った映画でしたが、常識を破っただけでホラー映画としての評価はそれほど高くありません。それほど怖くないからです。ただエンターテインメントとしてみると、演出は凝っているし、映像も美しく、音楽の使い方もなかなか面白いものでした。赤ちゃんの泣き声とかをうまく使ったりして、環境音が意味ありげにBGMになっています。出来ればネタ枠として観てみるといいかもしれませんね。個人的にはお笑い芸人の方とかに真似してもらいたいシーンが沢山あったので、3分のコントみたいな感じで切り貼りしたら面白そうだなぁーなんて感じました。あ、最後に一応言っておきますがカップルで観るのはあまりおすすめしませんよ…。
User Review
88%
(2 votes)