- 公開:1989/04/21
- 監督:フィル・アルデン・ロビンソン
- 出演者:ケビン・コスナー, ジェームズ・アール・ジョーンズ, レイ・リオッタ
- 製作国:アメリカ合衆国
- 上映時間:1時間47分
フィールド・オブ・ドリームズという映画をご存じでしょうか?テレビドラマで演出などをしていたフィル・アルデン・ロビンソン監督が1989年に監督、脚本を務めた映画です。
取り扱っている題材が野球でアメリカで大ヒットしました。ちなみに興味深いのは、この映画は全世界の映画賞を5つ受賞したのですが、そのうちの4つが日本の映画賞だということです。
やはり、日本人も野球大好きなんですね。
話は変わりますが、今日、ニュースで2014年の8月11日にロビン・ウィリアムズが亡くなった事を知りました。
毎日一本ずつ映画を観ることにしている僕としては今日は彼の作品を観ようと思っていたのですが、手元にはなかったので死者が蘇ってくるという映画『フィールド・オブ・ドリームズ』を観ることにしたのです。
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映画『フィールド・オブ・ドリームス』 – ストーリー
公開日:1989年04月21日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, ファミリー映画, ファンタジー映画
監督:フィル・アルデン・ロビンソン
出演:ケビン・コスナー, ジェームズ・アール・ジョーンズ, レイ・リオッタ
ネタバレ注意『フィールド・オブ・ドリームス』のあらすじまとめ
レイ・キンセラは結婚してからアイオワ州の田舎町に農場を購入し、決して裕福とは言えないが奥さんと子供とともに幸せに暮らしていた。
ただし、若い頃に父親と口げんかをし、家を飛び出したまま父が亡くなってしまったことを心のどこかで常に悔やんでいた。母親を3歳で亡くし、父親一人で育てられたレイにとってはすごく大きな後悔だ。
ある日、レイがトウモロコシ畑で仕事をしているとどこからともなく声が聞こえてきた。
「それを作れば、彼はやってくる」
意味の分からないレイ。妻のアニーに今の聞こえたか?と聞いても聞こえなかったらしい。トウモロコシ畑にいると聞こえてくる声にイライラしながらもその意味を考えるレイ。
そして「それ」とは野球場の事だとひらめく。野球場を作れば死んだはずのシューレス・ジョーが野球をやりに来る。そういう意味なのだと思えた。
八百長野球の疑いで野球界を追放されたシューレス・ジョーは、自身もマイナーリーグの選手だったほど野球が大好きだった父親のヒーローだった。そのヒーローのプレイをもう一度観れば何かが変わるのだ。
もしかしたら父にも同じように声が聞こえてたかもしれないが、父は夢の為に何もやらなかった。今の自分と同じ年の頃の父はもっと老けて見えた。自分も同じように老けていき、何もなさぬまま人生を終わる事は嫌だ。
自分には妻も子供もいるがローンもある。このままでは父親と同じ道をたどるんだ。
そう語るレイにアニーは、
「あなたが本気でそれをやらなくちゃと思うのならやるべきよ」
と背中を押す。思い切ってトウモロコシ畑を切り開き野球場を作ってしまった。周りはその奇妙な行動を非難したがやってしまったものは仕方がない。野球場が完成しても何も起こらなかった。
野球場を作った時のお金と、切り開いた分のトウモロコシ畑から得られるはずの収入がなくなった分だけ借金は苦しくなった。このままではせっかく作った野球場も売らなければならない。イライラするレイに娘のカリンが「球場に誰かいるよ」と告げる。
レイは恐る恐る球場をのぞく。そこには懐かしきシカゴ・ホワイトソックスのユニフォームを着たシューレス・ジョーが立っていた。幽霊のシューレス・ジョーとレイは一緒に野球をした。それは素晴らしい瞬間だった。
レイは野球が出来なくなってしまった事を後悔していた。レイだけではない。八百長事件(ブラックソックス事件)で野球界を追放された他の選手たちも野球がやりたくて仕方がなかった。
シューレス・ジョーはチームメイトを連れ度々その野球場に野球をやりに来た。その光景を家族で眺めるレイ。すごく幸せな時であったが現実が厳しいことは変わらない。借金の問題でアニーの兄が野球場を売れと何度も言いに来る。
アニーの兄にはジョーたちが野球をしている姿が見えないのだ。ジョーのプレイを見ることに喜びを覚えていたレイは絶対に野球場を手放したくない。しかし、何もいい案は思い浮かばない。そんなレイに新しい声が聞こえる。
「彼の苦痛を癒せ」
再びその意味について考えるレイ。アニーと一緒にPTAに参加し、そこで議題に上がった作家テレンス・マン。「彼」とはテレンス・マンの事ではないだろうかとレイはひらめく。
そのひらめきのとおりテレンス・マンを調べると彼の著書の中にレイの父親の名前の主人公の作品が存在していたし、昔のインタビューで、繰り返し見た夢はドジャースで野球をすることだと言っていたのを発見した。
自分のひらめきを信じ、テレンス・マンを訪ねるレイ。始めはレイを怪しみまともに話を聞かなかったが、レイと一緒に野球場に行き、レイが次なるお告げを聞くとテレンス・マンは彼の話を信じた。テレンス・マンにもお告げが聞こえたのだ。
次なるお告げはこうだった。
「やり遂げるのだ」
その声と同時にバックスクリーンに記されたムーンライト・グラハムという名前とミネソタの場所をメモをし、その場所を訪ねるレイとテレンス・マン。しかし、そこで知ったのはムーンライト・グラハムはすでに亡くなっているという事だった。
元メジャーリーグの選手だったグラハムだったが、野球の方ではあまり芽が出ず、父親の後を継いで医者になっていた。彼の評判はすこぶる良く、何一つ後悔してそうなことは見当たらない。レイを必要とする理由が見つからないのだ。
夜の道を散歩するレイ。何か不思議な感じがする。周りの風景がすべて昔へタイムスリップしている。そこでレイは老人のグラハムを発見し、彼と会話する。
彼が大リーガーだった時、長い間ベンチにいた。ある日、ライトへ行けと監督の指示があり、喜んで守備についた。しかし、打球は一度も飛んでこず、打席に立つ前に試合は終了した。そしてマイナー落ちする。マイナーはとても苦しく、グラハムは引退をした。
グラハムは夢を叶える一歩手前で夢が叶わなかった事を後悔していた。一度でいいから打席でバットを振りたかった。ピッチャーを睨み付け、かっ飛ばしてやるぞとウィンクする。そして思い切りボールを打ち、必死に走り2塁打を3塁打にする。そしてベースにヘッドスライディングで飛び込む。そんなプレイを一度でいいからやってみたかった。
そんな夢を叶える場所があるんです。一緒に来てくれませんか?というレイだったが、グラハムは断った。彼は医者としての人生に何も後悔していないし、奥さんを愛していた。ミネソタの街を離れたくなかったのだ。
無理に連れて帰ることは出来ず、レイとテレンス・マンは帰ることにした。その帰り道。イイコトをしておこうとヒッチハイクをしている若者を助けた。
その若者の名前はグラハムと言った。若かりし頃のムーンライト・グラハムだ。その奇跡に顔を見合わせるレイとテレンス・マン。
野球場に戻ったレイとテレンス・マンとグラハム。シューレース・ジョーはグラハムを仲間に入れ野球の試合をした。グラハムの願いは叶う。
レイと妻アニー、娘カリンと一緒にその試合を見ながらテレンス・マンはレイを主人公にした物語を語る。この野球場により借金は何とかなる。
そんな夢物語を聞きながら、選手たちが見えない借金の催促をしに来たアニーの兄は野球場を売れと言う。見えもしない虚空を眺めていると。それに対し娘のカリンはちゃんといるよと反論する。
カッとなっているアニーの兄は娘ですらこんなおかしい有様だとカリンを持ち上げる。その拍子にカリンは高いベンチから地面に落ちてしまった。
息をしないカリン。
救急車を呼ぼうとするアニーだったが、レイはある事をひらめきアニーを止める。
そして、そこから次々と奇跡が起こり始める。
どのサイトでも評判が良い映画
この映画、良く出来ていると思います。実際、アカデミー賞にノミネートされているし、日本でも日本アカデミー賞最優秀外国語作品賞を受賞している。
Amazonのレビューでもかなり高評価で泣く人続出。
…でも、僕は全然泣けなかった。
なんでだろ。ロビン・ウィリアムズの訃報で泣きたい気持ちだったから、泣ける映画を選んだのに、全然泣けない。父子ものの話が好きな僕だったけど、全然泣けない。
きっと映画と言うのはその時の気分が反映するものなんだろうな。
ファンタジーだったこともあるのだけれど、あまりにも現実離れした物語だったから、現実にロビン・ウィリアムズを失った僕としては、作り物という気持ちが強くなってしまって全然物語に集中できなかった。
あぁ。失敗した。完全に今見るべき映画ではなかった。
どんなに良い映画でも、その時の気持ちに相応しくない時に観てしまうとよい作品ではなくなってしまうものなのだという事を知りました。
リアリズムを求める人には向いていないと思う
オススメ出来るかどうかは別として、世界観はさりげないファンタジーで、理屈が通らない所も「ただそういう風に思うんだ」という事で理屈が通っちゃう系の映画です。
リアリズムを求める人には向きません。ファンタジーとしての映画でも、ファンタジーファンタジーしていなくて、リアルの世界に不思議なことが起きたという感じのファンタジーです。
ハリーポッターのように周りの世界すべてが別世界になっているならそういう世界観なんだろうなって思えるんですけど、ベースは現実で、理由が説明できない所は”だってファンタジーだもん”という事で通しちゃうから、ちょっと物語に没頭できない。
良く出来た話だとは思うんですけどね。・・・うーん。今日はダメだな。
映画『フィールド・オブ・ドリームス』 – まとめ
野球好きだし、父と子をテーマにしたものも好き。きっと気に入るはずの映画だったんですが、ダメでした。
うーん。ケビン・コスナーの映画は過去にパーフェクト・ワールドというこれも泣ける映画と言われる映画を観た時も泣けなかったんだよな。
もしかしたら、個人的にケビン・コスナーが苦手なのかもしれません。
…あれ?でも『ボディガード』もケビン・コスナーだったよな?という事は、ケビン・コスナーの問題じゃない。
やっぱり、その時の気分次第なんだなと思います。
つまりはどんなにいい映画でも、観る時によって評価が変わります。
なので、何年後かにまた違った気分の時にもう一度観てみようと思います。今はどんな映画もダメだわ。
この映画を好きな人には申し訳ないですが、こんな感じの感想になりました。
はい。
ではでは、今日はこれでおしまい。『フィールド・オブ・ドリームス』のレビューでした。
あ、テレンス・マンのモデルは「ライ麦畑でつかまえて」で有名なJ・D・サリンジャーだそうです。
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フィールド・オブ・ドリームス - 感想・評価
公開日:1989年04月21日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, ファミリー映画, ファンタジー映画
監督:フィル・アルデン・ロビンソン
出演:ケビン・コスナー, ジェームズ・アール・ジョーンズ, レイ・リオッタ