フィラデルフィア - 映画情報
- 公開:1993/12/23
- 監督:ジョナサン・デミ
- 出演者:トム・ハンクス, デンゼル・ワシントン, ロバータ・マクスウェル
- 製作国:アメリカ合衆国
- 上映時間:125分
MOVIE REVIEWS
フィラデルフィアという映画をご存じでしょうか。トム・ハンクスが最初にアカデミー主演男優賞を受賞した作品として有名で、1993年に公開されたジョナサン・デミ監督の映画です。
ジョナサン・デミと言えば、『羊たちの沈黙』のイメージが強いのだけれど、こんな感じの映画も撮るのだとビックリしました。
ところで…。
フィラデルフィア。
この単語を聞いて、まずあなたは何を思い浮かべるでしょうか。
僕は真っ先にクリームチーズを思い浮かべてしまったのですが、この映画のタイトルは『フィラデルフィア』である事が非常に意味を持ちます。
まずひとつ。それはフィラデルフィアがアメリカ合衆国の首都であった事。
もしかしたらあまり知られていないかも知れませんが、現在の首都ワシントンD.C.になる前、アメリカの首都はフィラデルフィアだったのです。
アメリカ合衆国がイギリスから独立してからニューヨーク→フィラデルフィア→ワシントンD.C.と首都を移転しています。
そして国として独立するために大切なアメリカ合衆国憲法の制定会議がフィラデルフィアで行われたのです。
「全ての人間は平等に造られている」で有名な、あのアメリカ合衆国憲法が。
そしてもうひとつ。フィラデルフィアの街名の語源がフィロス(愛)、アデルフォス(兄弟)、ア(都市の語尾)にある事。
フィラデルフィアとは「兄弟愛の都市」という意味なんですね。
この2つがなぜこの映画で大切なのか。
それはこの映画が同性愛とエイズ等による偏見を扱った映画だからです。
…というのを理解していただいた上で映画『フィラデルフィア』のレビューをしていくことにしましょう。
いや~、トム・ハンクス、すげぇよ…。
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フィラデルフィア – あらすじ
公開日:1993年12月23日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画
監督:ジョナサン・デミ
出演:トム・ハンクス, デンゼル・ワシントン, ロバータ・マクスウェル
法律事務所で働く敏腕弁護士のベケットは、大事な案件を任された後、突然のトラブルに見舞われ会社を解雇されてしまう。彼がエイズだと知って不当な解雇をしてきたのだと見当をつけたベケットは、差別と戦う為に法律事務所を訴える決意をした。同性愛に嫌悪感を抱くミラーという弁護士は、ベケットの毅然とした姿を見て一度は断った弁護を引き受ける事にし、2人は自由と兄弟愛の街フィラデルフィアの法廷でエイズとゲイの偏見と戦っていく…
映画名作レビュー戦記シネマネオン!-フィラデルフィアの巻-
前回までのシネマネオンは…
館見放題
とある映画館でポスター貼りのアルバイトをしていた館見 放題(たちみ ゆきみつ)。「トム・ハンクス!!」と言いながら映画ランキングと興行収入を参考におすすめポスターを入れ替えていたが、その作業中、謎の組織ノーモアーズに襲われ記憶と顔を盗まれてしまう。何も思い出せない館見。彼は自分を取り戻すため、引き込まれるように映画館に入り『フィラデルフィア』を観ようとしたのだが…
フィラデルフィア -内容紹介-
ち、畜生!なんだったんだ。あの赤い顔の男は…。何かを思い出せそうだったのに、映画館から追い出されてしまった。『フィラデルフィア』とは一体どんな映画なんだ…。
一言で言えば、“同性愛に対する偏見を扱った映画”だな。ジョナサン・デミ監督の12番目の作品さ。
呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン。レビューロボ、シネマネオンだ!
だから誰やねん!誰もオマエの事なんて呼んでないぞ!
まぁまぁ、落ち着きなさい。今の君の体ではきっと映画館から追い出されてしまうだろう。アレに非常に似てるからね。アレに。
アレとはなんだ!僕は自分が誰だか思い出せないんだ。
君は『フィラデルフィア』を観たかったんだろう?
そうだった。『フィラデルフィア』を観れば何かを思い出せそうなんだ。
では、私と合体しなさい。期間限定レンタルロボ貸出中、今だけ非常にお得だよ。
ええい。やってみればわかる。君の持っているそのスマホのアプリのボタンを押せ!
いつの間にこんなアプリが!ちくしょー!!こうなりゃヤケだ!ポチッと!
アジャラカモクレン、フィラデルフィア、テケレッツのパー
うわああーー!『フィラデルフィア』の映像が頭のなかに広がっていくぅぅぅぅうう!!
フィラデルフィア -解説-
昔はさ、ホモって、テレビとかでもネタにされたりしてたけどさ、そもそも女性とか男性とか分ける前に人間である事は変わらないのだから、人間が人間を好きになるって普通な事だと思うんだけどな。
普通か。その「普通」という言葉が常に偏見を生むのだよ。
今回の『フィラデルフィア』という映画では、普通や常識という人々の無意識に生じる偏見を扱っているんだ。
まずは『フィラデルフィア』のストーリーを知ってもらった方が早いかも知れない。
主人公のアンドリュー・ベケット(トム・ハンクス)は、実力派たちの集まる有名な法律事務所に所属して弁護士として働いていた。
ある日、社長に呼び出され、事務所が取り扱う大きな案件を任される。
しかし、その時、同僚の一人がベケットの額にアザがあることに気がつく。ベケットは「ラケットボールでぶつけた」と説明するけれども、実際はカポジ肉腫によるものだった。
エイズ患者の末期に発症する事で有名なガンだね。もうこの時すでにベケットはエイズでね、法廷に向けて準備をしているけれども、資料をまとめたぐらいで体調を崩してしまうんだ。
訴状を提出しなければならない日。なぜか準備したはずの書類がないとの電話を受けるベケット。書類の写しもパソコンのデータも消えてしまっている。
ギリギリのタイミングで書類は見つかり、裁判は滞りなく行われたのだけれど、ベケットはその翌日、再び社長に呼び出され突然の解雇を言い渡される。
ベケットは誰かが書類を隠し、自分を解雇する口実を生み出したのだと考えた。実際の解雇理由はエイズであることだと。
あれ…。エイズを理由に解雇するのって不法行為なのでは。ちょっと前に日本でもHIVに感染していること自体は就業禁止や解雇の理由にはならないのに不当な扱いをされたってニュースになってたでしょ。
だからこそのでっち上げだとベケットは法律事務所を訴える事にした。しかし、弁護を引き受けてくれる人がなかなか見つからない。
ベケットは過去に対決したことのあるジョー・ミラーという男の元に依頼しに行った。テレビでも有名な弁護士。このミラーはデンゼル・ワシントンが演じてる。
デンゼル・ワシントンかー。『
タイタンズを忘れない』の人だね。フィラデルフィアでデンゼル・ワシントン。ふむ。
久しぶりの再開に握手をする二人。その顔は?とアザの事を聞いたミラーに「エイズで」とベケットが答えた瞬間に、ミラーの顔は氷付き、握手をした手を放す。そして距離を取り、素っ気なく要件を聞き始める。
あれ。エイズは体液感染しかしないんじゃなかったっけ?
ミラーは無知だった。それに赤ん坊が生まれたばかりでね。ベケットの要件を聞いたけれど、同性愛者を嫌悪しているミラーは断るんだ。そしてすぐさま病院を予約し、感染していないか確認する。
病院で体液感染しかしないと説明を受けても、自分の判断は正しかったと妻に豪語するミラー。古い男だと言われても、ホモは異常だ、まともじゃないと自分を正当化するわけだ。
しかし、ミラーが図書館で調べ物をしている時、ベケットが訴訟に向けてエイズ差別の本を探している場面に遭遇する。図書館員がエイズと言葉を発した瞬間、周りの冷たい視線はベケットに集まり、図書館員は個室の利用を促した。
彼らの態度に落胆したミラーは、ベケットに話しかけ、弁護を引き受ける決意をした。
裁判が始まると、事務所側はベケットが能力不足で解雇したのだと主張し、病気を隠していた事を非難した。そして同性間性交渉によりエイズに感染したのだから、彼は被害者ではないと糾弾する。
元々は同僚だったのに、そんな言い方ないよ…。
世間はベケットがゲイである事を面白がり、ミラーもゲイなのではないかと囃し立てた。
…もうなんなの。これが自由と平等の国のすることなの。
まぁ、こんな感じでベケットとミラーが法廷で同性愛とエイズに対する偏見と戦っていくっていう映画だ。
法廷物ってなんか難しい感じがするんだよなぁ。
それこそ、君の偏見だよ。この映画はそういう映画ではありません。どちらかというとミラーの変化をみていく物語なのかもしれない。
ああ。君が言ったように、登場していた当時、ミラーは嫌なやつだと思われても仕方がないぐらい、偏見と差別意識が強かった。実際、ベケットの弁護を引き受けた後でも、それはあまり変わっていなかった。
うむ。ホモは相変わらず大嫌いだと豪語していたし、近寄ってきたゲイにも気持ち悪いと殴りかかろうとした。法が汚されたことの為に俺は戦っているという意識で弁護をしていた。
ベケットの人間性には目を向けず、とにかくエイズを理由に解雇されたという事象として弁護をしていた。しかし、ベケットにゲイパーティーに誘われた時のこと。
ゲイパーティーを終えた後、証言の練習をする為にベケットと二人きりになった時に、ベケットは自分の好きなオペラ、マリア・カラスのアリアについて語る。
オペラかぁ。あんまり聴かないからマリア・カラスがわからないな。
このシーンのトム・ハンクスの演技力は圧巻だったね。何かに憑依されたかのように曲に酔いしれるベケット。そしてその姿をただただ見つめるミラー。ミラーはベケットの人間性に初めて目を向ける。
この映画はさ、目がすごいんだ。目が特徴的で、セリフを言わずとも目で語るシーンが多い。ベケットが事務所を訴えると決意した目も、偏見の目も、ベケットを見つめるミラーの目もそうかもしれない。メッセージが伝わってくる。
事務所側の弁護により、好奇の目や偏見の目でベケットをホモである事が罪だと見ている人たちに、ミラーはベケットにシャツを脱がせ、体中のシミを見せ、エイズとはどういうものなのかを目で見てわかるように示した。
動揺が広がる法廷。それから社長や同僚の証言があり、エイズや同性愛に対する偏見が露呈される。徐々に自分がその偏見を無意識の上で持ってしまっている事を陪審員も、映画を見ている人も気が付かされる。
確かに。エイズがどういうものなのかを目の当たりにしなければ、その人が病魔に侵されている過程など無関心で、ただ自分が感じる感染の恐怖などでエイズ患者を見てしまうかもしれない。
この映画の中で、「差別とは個々人を公正な判断に基づかず、特定の集団に属するがゆえ不当に扱うことである」と紹介されている。私達も日々、無意識に個人に目を向けずグループで判断してしまっている事ってあるでしょう。
君は最初に「普通」という言葉を使った。しかし、それを普通だと感じない人たちはどうだ。
うーむ…。確かにそうでない人たちを排除してしまっていたかもしれない。
君は自分が差別をしているのだと感じたかね。
少数派、マイノリティに属する人たちが、世間で普通だと言われている事を普通だと感じる事が出来ず、悩み、苦しんでいるかもしれないという事を考えたかね。
普通である事や常識などというものはマジョリティの人たちの言い分であり、それから外れた人たちに、人権や幸せを感じる権利はないのか?普通ってなんだ?君の言う普通というのは正義なのか?
もういいよ!わかったよ!僕にも無意識に偏見を持ってしまっている所があった。だからと言ってそんなに責める事なのか!?
いいかい。君は昔はホモとかをネタにしていたと言った。確かに今ではLGBTという言葉も浸透し、性的マイノリティーに理解が深まってきた感じはすると思う。
昔はボキャブラ天国とかで川合俊一をホモだといじって笑ったり、とんねるずの保毛尾田保毛男を見て、笑い、それを次の日学校で真似したりして笑った事もあったさ。でも今はそんな事しないよ。
だからと言ってだね、性的マイノリティーの差別が消えたわけじゃない。君は再びLGBTという常識におかされている。
レズビアン、ゲイ、バイ・セクシャル、トランスジェンダーの頭文字だろ?
君はその言葉を知って、性的マイノリティーのことを理解したつもりになっているだろう。
り、理解したつもりというか、LGBTという言葉が浸透したことで昔ほど差別はなくなったはずだろう?
それでは、君は性的マイノリティーの人たちにこう聞くのかい?君はGなの?Bなの?それともT?と。理解しているふりをして。
いや、相手が打ち明けて来るなら受け入れはするけど、あえて自分からは聞かないかな。そういう問題って非常にセンシティブな問題だし。
いいかい。「差別とは個々人を公正な判断に基づかず、特定の集団に属するがゆえ不当に扱うことである」とあったね。差別の根本的問題は個々人に目を向けないって事なんだ。
うん。だから個人の感情を考えて接しようとしているじゃないか。
じゃあLGBTという言葉はなんなんだ。
なんなのってだから、性的マイノリティーの人を端的にわかりやすく分けた言葉だろ。
じゃあ君は本当に性的マイノリティーの人たちはそのどれかに分けられると思っているのか?それは特定の集団に属させている事ではないのか?BでありTである人はどうなんだ。
まぁ、そんな感じでね、私達は差別している意識がなかったとしても、無知により、勝手に区別をし、理解したつもりになり、常識や普通という言葉で常に偏見を作っているんだ。今も偏見はあるのだよ。
特に日本ではホモジェンダーの意味を理解していない人も多い。ホモとは「同じ」であること。それを勘違いして、男が好きな男の人をホモ、女の人が好きな女の人をレズと思っている人もいる。
あー。確かにそうかも。ホモは男性の事を指して使うものだと思ってた。ホモジェンダーはゲイやレズビアンの両方を指すんだね。
テレビやニュース、雑誌なども、ある種の偏見に満ちたものだと知らなければならない。そして私のこの意見でさえ偏見だ。ある特定のグループに分けて論じようとする時、そうでない人も含めてしまっている。
ぐぬぬ。それでは一体どうすれば。なんか難しい問題だなぁ…。
私たちはあれだ。自分の持っている常識などを真実だと信じ、正当化しがちだ。もちろん私も含めて。
だけれど、それが必ずしもみんなに当てはまらない。相手に適応させようとしない、無理強いしない意識が大切だと思うんだ。グループ化させずに、ひとりひとり、個人があるのだから、個人を尊重する。
アメリカ合衆国の憲法で有名な「全ての人間は平等に造られている」というものがあるだろう?
日本でも福沢諭吉がそれの影響を受けて、『
学問のすゝめ』で「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといへり」と紹介したね。
されども今廣く此人間世界を見渡すにかしこき人ありおろかなる人あり貧しきもあり冨めるもあり貴人もあり下人もありて其有様雲と坭との相違あるに似たるは何ぞや
引用:「学問のすゝめ」福沢諭吉著
つまり「天は人を平等に作ったとか言われているけど、実際は金持ちも貧乏人もいるし、貴人も下人もいるよな」と言っているんだ。
あれ…。思ってたのと違う。真逆の事を言ってないか?
福沢諭吉の「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という言葉の方だけが常識になってしまって、人間の平等を訴えてる本みたいになってるけど、福沢諭吉が言いたかったのはそういう事ではない。
この本のタイトルのとおりさ。『学問のすゝめ』だろ。実学を学べって事を福沢諭吉は言いたいんだ。さもなければ身分は低くなるし、下人となるだろうと。つまりは無知である事が人間に差を生むって言ってるんだよ。
そうか…。完全に勘違いしてた。人間は生まれながらにして皆平等で、差をつけるのやめようぜって言いたいとばかり思ってた。
でも逆に考えれば、無知である事が偏見を生むという見方も出来るだろう?
人間が学ぶことで差が生まれてくる事を学ぶのだとしたら、学ばない事ですべてを同一視してしまうわけだ。
まぁ、平等というのはすべての人が一緒である事を言うのではなく、すべての人が違っていて、それを理解した上ですべての人を尊重せねばならないのだよ。
そうか。確かにこれは君の意見を尊重していない事にもなるかもしれないな。ま、色んな意見があるからな。とりあえず私はこの『フィラデルフィア』という映画を見てそんな事を思ったのだよ。
ふむ。とにかく実際に見てみない事には僕にはなんも言えないや。
そうだね。自分で観てみて、自分で感じたことを大切にしてくれ。
アジャラカモクレン、レビューラビュー、テケレッツのパー
フィラデルフィアの批評を終えて
トム・ハンクス!!…ん?あれ?ここは?あ、ポスターの前か。
あー、今回は『フィラデルフィア』推しなんだな。このポスター貼って、次の試写会の会場に行く前に、ささっと限定20杯の燻製ラーメン食べに行かなくちゃ!あー。腹が減ってきたなぁ。急がなくっちゃ!!
それにしても、この「映画名作レビュー戦記シネマネオン!」とかいう知らない映画の前売り券を支配人にもらったけど、どうしよう…。一緒に見に行ってくれる人なんていないしなぁ〜。
フィラデルフィアの名言・心をざわつかせた言葉
どんな問題にも、解決策はある。
私を6歳の子だと思って説明を。
エイズも身障と認める。身体の障害に加え、エイズへの偏見が彼らが死に至る前に社会的な死まで強いるからだ。
差別とは個々人を公正な判断に基づかず、特定の集団に属するがゆえ不当に扱うことである。
今までもお前は病気と闘ってきた。ミゲールと二人で大変な勇気だ。誰が何と言おうと恥じることはない。わしらはお前を誇りに思っとるよ。
私は偏見に負ける子は育てなかったわ。堂々と戦いなさい。
独立宣言の言葉は、“普通”の人間が平等ではなく、人間は“皆”平等だ。
この病気を持つ者は皆、同じです。有罪でも無罪でもない。ただ生きたいだけです。
「裁判長。この法定の人々は、性のことが頭から離れない。性的な興味がだ。誰と誰にどんな性癖があるかと。ベケット氏を見てそう思い、ウィラー氏にも裁判長にすら、どうかなと。私のことは間違いなく疑ってる。ならハッキリさせた方がいい。隠さずに…。話はエイズだけじゃない。本当のことを話すべきだ。我々の中にある嫌悪、恐怖。同性愛へのだ。その嫌悪と恐怖の気持ちが、この同性愛者の解雇にどうつながったか。ベケット氏の解雇にです」「座ってください。この法廷では正義だけを考え、人種も宗教も肌の色も個人の性の志向もいっさい関係ありません」「しかし我々の社会は、法廷の中とは違います」
「法を愛すとは?」「色々です。法の一番好きな所?年中というわけではないが、たまに、あなた自身が正義の一部になれるのです。それは素晴らしい感動です」
「弁護士1000人を海に沈めたらどうなる?」「さあ」「世の中、よくなる。お見事、弁護士さん」
動画視聴で『フィラデルフィア』を実況・解説!
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え!?美しいBGMが流れているけど、なんか人が落ち葉の上で焼かれてない!?人形!?
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トム・ハンクス、若いし、細い!
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こんなわかりやすい社長像も珍しいなぁ。
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完全にクビにする流れかと思った。なんでこの社長、ザ・悪者っていう風貌なんだろ。
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シミがすごく印象的な映画だな…。もう不穏な空気が漂ってきた。これからだというのに。
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カポジ肉腫…。
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またもシミだ。すごく印象に残るカメラワークだな。
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エイズに対する偏見を一瞬で語るシーンだな。
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そうか。だからあの社長像が必要だったのか。
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トム・ハンクスの眼力すごいな。顔は真顔なのに、眼だけでメラメラとした闘志が伝わってくる。
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やっぱりこの時代の感覚としては、これが普通なんだよな。今ではきっと映像でさえこんな感じで同性愛を嘲る事はそうそうないだろうに。本当に常識というのは、無意識で偏見を作り出すもんだな。
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目線というのはこうも印象な偏見を映し出せるものなのか。何もセリフを言わずとも、すごく差別の意が伝わってくる。
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こういうファミリー感の強い集まりに憧れる。
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かつての同僚をよくもまぁ、こんな感じで言えるもんだ…。
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これをふざけた態度と取るかどうかだよな…。
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トム・ハンクスが、ガリガリに見える…。
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歌、うまーっ!!
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鬼気迫るものがあるな。
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この映画、眼が語る印象的なシーンが多い。
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トム・ハンクスが本当に倒れそうで心配になる。すごいな、これ。
- 1:35:50頃
もう、胸が痛いよ…。正義とはここまでして証明しないといけないものなのか。トム・ハンクスの命が本当に心配になってきた。すごい演技力だわ…。
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やべぇ…。もう涙が。頼む。誰か助けてあげて…。
- 1:42:15頃
存在感は放っていたけど、突然現れた熱い陪審員。
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案外、あっさり裁判の決着付いたな。これはあまり主題ではないって事なのか。
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これが演技だとは思えない。本当にすごいわ、トム・ハンクス。
- 1:49:40頃
…母の言葉に、またもや目頭が熱くなってきた。
- 1:57:00頃
終わっちった…。押し付けがましくないラストだったな。
フィラデルフィア – オチ・エンディング・ラストの感想・考察
ここから先はネタバレを含む場合がございます。まだこの作品を観ていないあなたはこのままページを閉じるか、覚悟の上でお読みください。
by シネマネオン
この映画、意外とあっさりと法廷での決着は付いちゃうんですよね。
ベケットが倒れてから、さらっと。例えばそれで悪役である社長が悔しがるというわけでもないし、事務所側は上訴するつもりである事を示唆しているし。
ちょっとばかり感動的な感じで情熱に訴える論説が始まるものだと想像していたんですけどね。デンゼル・ワシントンの。
結構、こういう法廷みたいな多くの人の視線を集める場所を舞台にした映画のラストはそういうものが多くて、『マジェスティック』とか『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』でのラストの演説でガッツリ涙してしまった僕はそういうのを期待してしまっていたのです。
ですが、この映画のラストはそこにピークを持ってきませんでした。どっちかと言えば、判断はあなたがたにおまかせするって感じで法廷は終わるのです。まぁ、勝訴はするんですけどね。
やはりこの映画の中心となっているのはデンゼル・ワシントン演じるミラーの変化のようで、始まりは握手をしたことさえ嫌悪感を感じていたミラーが、最後はベッドで横たわるベケットの顔を両手で触ります。
ただ、それでもそこがピークではなく、ミラーは立ち去り、ベケットの家族とのふれあいが最後に描かれます。
僕はもう、ベケットの母が話かけた言葉で涙がキラリとしておりました。
そして最後はどういう感じで終わるんだろうって思っていると、ベケットが小さく幸せそうにしている頃のビデオで終わるっていう。
この映画、全体を通してみると、ちょっと強烈な描写もあるんですけど、ラストに行くにつれて押し付けがましさが消えていくんですよ。
うん。視聴者に委ねる感じっていうんでしょうか。
個人的にはこういうラストの作り方もあるんだなぁ〜と、ジョナサン・デミ監督の優しさに好意を抱きました。『羊たちの沈黙』を撮った監督のイメージが見事にぶっ壊れましたね。
ジョナサン・デミ監督の他の作品も観てみなければ!
フィラデルフィアのような映画・似てる作品・おすすめ
公開日:2001年07月20日
ジャンル:コメディ映画, ヒューマンドラマ映画, 音楽映画
監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
出演:ジョン・キャメロン・ミッチェル, ミリアム・ショア, スティーヴン・トラスク
レビューまとめ
フィラデルフィアの映画のレビューをしていきましたが、何よりもまず心を打ったのは、トム・ハンクスの演技力です。
徐々に病魔に蝕まれていく様子が、演技とは思えないほど表現されています。もちろんメイクさんの力もあるとは思うんですけど。
この映画、とにかく目なんですよね。
トム・ハンクスの目。デンゼル・ワシントンの目。事務所の社長の目。そして周囲の民衆の目。
セリフで語らず、目で物語るとはこういう事か!というのが印象的な映画でした。
むちゃくちゃ心をえぐられたのは、初めにミラーに断られて、街の中で地面を見つめている時のベケットの目。
開始30分ぐらいの所の場面なんですが、35秒ほどトム・ハンクスのアップが続くんですよ。地面を見つめて、空を見つめて、左を見て、右を見て、そしてまた地面を見つめる。
その時の最後の時の目が、もうなんとも言えないほど胸をえぐってきました。すべてを観終わった後に、そのシーンだけ観てもなんか目頭が熱くなるというか。
ぜひとも観てもらいたいシーンです。
もちろん、他の人がレビューであげているようにオペラの部分もぜひ観てもらいたい。
あと、法廷でベケットが倒れる時シーンも。机に一度強く胸を打ってから地面に倒れる所なんて、骨折してないだろうか…と心配になるほどでした。
もしかしたら、人によっては不愉快に感じる部分や、20年ぐらい前の風潮を知らずに観ると違和感を感じる人もいるかもしれませんが、フィラデルフィアというタイトルの意味を知ってから観ると、多分イメージは変わるでしょう。
まぁ、とにかく観てもらいたいシーンが多い映画でした。うん。ということで、うまくまとまっていない気がしますがフィラデルフィアのレビューでした。
ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!
野口明人
あ、最後に『フィラデルフィア』のレビュー点数です↓
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フィラデルフィア - 感想・評価
公開日:1993年12月23日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画
監督:ジョナサン・デミ
出演:トム・ハンクス, デンゼル・ワシントン, ロバータ・マクスウェル
フィラデルフィア
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ストーリー - 91%
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キャラクター - 97%
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演出 - 88%
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映像 - 82%
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音楽 - 80%
88%
映画レビューまとめ
第66回アカデミー賞で主演男優賞をトム・ハンクスがブルース・スプリングスティーンが歌曲賞をこの映画で受賞したようです。個人的には演技ばかりに目を向けてしまって、歌の方はあまり意識が向けられずにこんな点数をつけてしまったのですが、アメリカ映画主題歌ベスト100で68位にランクインしているらしいです。デンゼル・ワシントンも、トム・ハンクスの恋人を演じたアントニオ・バンデラスもとにかく演技がすごいので、一度ご覧あれ。
User Review
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