バタリアンという映画をご存じでしょうか?『エイリアン』の脚本家として有名なダン・オバノンが映画監督として名を轟かせた1985年の映画なのですが、バタリアンは大好評につき2006年までシリーズが展開していきました。
なんとバタリアン5まで出ている程の人気。名前だけでも知っている人はいるのではないでしょうか?意外と続編が5つ以上も続く映画って少ないのです。
ちなみに『バタリアン』というのは日本独自の邦題で、原題は「The Return of the Living Dead」です。
この原題を見て、ピンと来る人もいるかもしれませんが1968年公開のゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のパロディです。
「ゾンビに噛まれたらゾンビになる」とか「脳を破壊するまで活動し続ける」のようなゾンビのルールを作った映画である『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』。
それをパロディするって事は、ある意味コメディ要素も含むわけで、頭を破壊しても死なないとかトンデモ設定が追加されております。
それと今では死語ですが、僕が子供の頃のバラエティー番組に頻繁に登場していた「オバタリアン」という流行語の元ネタでもあります。
僕はこの『バタリアン』という映画を【感動】最も泣ける映画を教えてください的な記事で知りました。調べてみるとAmazonでも評価が高い。
ホラー映画で泣けるとか最強じゃないですか。ギャグ漫画がたまにシリアス展開をやったら名作が生まれるみたいな、ふり幅が大きい作品は大好物なのです。
なのでこりゃー観るしかないないなと映画『バタリアン』を再生してみると、まさかのとんでもないラストが待っていたのです…。
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映画『バタリアン』 – ストーリー
公開日:1985年08月16日
ジャンル:コメディ映画, ホラー映画, SF映画
監督:ダン・オバノン
出演:クルー・ギャラガー, ジェームズ・カレン, ドン・カルファ
ネタバレ注意『バタリアン』のあらすじまとめ
「この映画は真実だけを描いている。したがって人物や団体もすべて実名である」という前書きから始まるホラー映画。
医療倉庫で働く事になったフレディ。アルバイト初日、先輩のフランクから仕事のあれこれを指南されている。社長は非常に陽気な人ではたらく環境もよさそうだ。
内臓や骨なども扱い、本物の死体でさえ保管してある。その死体にゾッとしたフレディは、興味本位で先輩のフランクに「今までで一番ゾッとしたことは?」と質問する。
するとフランクは真剣な顔でこういう。
「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッドを見たか?」と。
ゾンビが世界を乗っ取るというジョージ・A・ロメロ監督のアメリカ映画。あの映画は実は実話で、1969年にピッツバーグの軍人病院で起きた事件なのだという。そこではある薬品が流出して遺体安置所へ流れ込んでしまった。
すると、死体が生きているみたいに飛び跳ねた。その薬品とはダロウ製薬が陸軍用に開発中だったトライオキシン245。軍は秘密裏に薬品に汚染された死体を処理した。そしてその死体が何かの間違いで、フレディの働いている医療倉庫に届いたという。
その話を聞いたフレディは地下に保存されている死体をフランクと一緒に見に行く。奇妙な樽に密閉されて保存された死体。漏れないの?と心配げにフレディは質問するも、フランクは笑いながら「大丈夫。軍事技術団体の作ったタンクだ」とタンクを叩く。
ブシュー!!
フランクの考えとは裏腹に中のガスが勢いよく漏れ出した。白いガスはたちまち周囲を覆い、それを吸い込んでしまった二人はその場で気絶してしまう。
異様な匂いとともに気が付いた二人はタンクを見る。そこにはさっきまでいたはずの死体はいない。もしかしたら空気に触れて溶けちゃったのかもしれないなとフランクはつぶやく。
部屋の匂いを取ろうと脱臭剤を撒いていると何やら犬の声がする。その鳴き声の方に向かうと内臓剥き出しの犬の剥製が動き出している。その異様な光景とともにまた別の方ではドアを叩く音がする。もしかしたらさっきの死体が動き出したのでは…。
何とかしなければならないと社長を呼ぶ。
もしこのことがバレてしまうと、ダロウ製薬に告訴され、軍に会社を潰されると予想した社長は秘密裏に事を進める。映画のように頭を破壊すれば何とか死体の動きが止まるはずだ。武器を構え、扉の鍵を外す。
飛び出してきた動く死体は一目散に社長に襲い掛かる。何とか残りの二人が取り押さえ、死体の頭をつるはしで一撃!
…しかし、死体の動きは止まらない。映画と話が違うじゃないか!頭を切り離しても襲ってくる死体。ロープで縛り、対応策を考える。そうだ。隣接する葬儀屋の遺体処理係に頼んで焼き払ってしまえばいい。
早速バラバラにした動く死体を焼却炉で焼き払うと跡形もなく焼け落ちた。しかし、その煙は空へと充満し、雨に交じり地面に沁みこんだ。そして墓場で眠る多くの死体を復活させてしまった。
事態は悪化するばかり。友人のフレディを待つ間、墓場でパーティーをしていた若者たちは動く死体に襲われ逃げ回る。その多くは脳みそを食べられ、自らも動く死体、バタリアンになってしまう。
部屋にこもり、対応策を考えている社長や葬儀屋の遺体処理係やフレディやフランク、そしてフレディに会いに来た彼女とその友達。しかしどうやらフレディとフランクの様子がおかしい。彼らの体は冷え切っていて、脈もない。顔色も徐々に失われていく。
このままでは彼らもバタリアンになってしまう。
彼らを閉じ込めておこうと提案するも彼女は一緒にいると意地を張る。やがて、フレディはバタリアンになってしまい彼女を襲う。
助けに来た警察隊でさえすぐに多くのバタリアンの餌食になってしまう。
もうどうしようもなくなった社長は決意し、最初の死体が入っていた樽に書かれている軍の連絡先に電話をするのであった。
ずっとその死体を探していた軍は、初めからそういう事態が起こる事を推測していたのか、対応は非常に冷静なものであった。軍はすぐに指令を出し、バタリアンを一掃する作戦に入る…。
あらすじはこんな感じです。
今まで見たホラー映画の中で一番怖くなくて一番笑った
この映画は、オバタリアンの語源にもなったバタリアンというシリーズものの第一作ですが、まさかここまで期待を裏切るとは思わなかった。
「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」のパロディらしく、いたるところにファン要素が組み込まれているようなんですが、ナイト・オブ・ザ・リビング・デッドを観ていないのでよくわかりません。
とりあえず、僕が勝手に想像するホラー映画の定義をことごとく破ってきます。
ホラーと言えば、ゾンビ。ゾンビと言えば、人間の姿ではあるが似て非なるもの。たとえば、ゾンビは人間と違ってその動きは遅く、人間と会話も出来ず、徐々に迫ってきて人間を食らう。…ていうイメージを抱いていたんです。この映画観るまでは。
ただ、この映画のゾンビは人間と同じように走ったりするし、人間と同じように言語使うし、頭もいい。しかもすでに死んでいるからという言う理由で死ぬことはない。倒し方が存在しないゾンビなのです。
とりあえずチートです。チート化されたレベルマックスのゾンビです。出現したらもうどうすることも出来ない。人間の脳みそを食べるという目的を人間と同じスピードと知恵で行うゾンビです。ゾンビと人間の違いは見た目と脳みそを食べるという事しかありません。
ここまでゾンビの迫りくる姿に笑ったものはありません。やっぱりゾンビはあのゆっくりなスピードだから怖いのです。ゾンビは不可解だから怖いのです。
それが人間と同じように動いて、人間の言葉を話してしまうと単なるカニバリズムでしかない。
そして最強にチート化されたゾンビたちに対して人間が取りうる対応策は一つしかない。
その土地ごと消し去る。
・・・まさかとは思いましたが、この映画はそんな結末でした。
え…。このエンディング許されるの?と観終わった後ぽかーんでした。
映画『バタリアン』 – まとめ
どうやら僕は借りてくる映画を間違えたみたいです。泣けるのはシリーズ第3作品目の『バタリアンリターンズ』らしい。
今まで見た映画の中で最強にB級色の強い映画でした。
でも、これシリーズ化されているんだよね。ってことは需要あるんだよね。5本も出てるってことは人気があるんだよね?
これは本当にホラーなのか。ホラー映画という定義を超えてきています。ホラーの皮を被ったコメディです。ホメディーです。コラーです。
Amazonでもレビューがまさかの4.5以上で大絶賛。突っ込みどころ満載のウンコ映画だったとしか言いようがないのですが、見たことは不思議と後悔はしていません。
そんな映画です。アメリカの方じゃDVD化もされていないみたいですが、日本ではなぜか人気がある。感性の違いですね。
どうやら、この映画を本当に楽しむためには本家の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を観なければならないようです。1969年という時代設定がキモなんだそう。ラストのシーンは特に。
でもどう解釈しても、あのラストは受け止められそうにありませぬ。なんだったんだ、あれは。
それにしても気になることといえば、冒頭で邦題『バタリアン』は日本独自と言いましたが、英語で書くと「Battalion」です。
…読み方、バタリオンじゃね?
監督がエイリアンの脚本家というところに寄せてきたのかしら。
ちなみに「Battalion」は大隊って意味なんですが、ラストの処置からつけているのかしら。それともゾンビ軍ってことなのかしら。
あぁぁ。考えれば考えるほど、無意味な時間を過ごしている気になってくる。
正直、今まで観た映画の中でこの映画は史上最低のラストな気がしますが、コレには意味があるのだと信じて、他の作品も観てみようと思います。史上最低は誉め言葉…です。
レビューの点数は低くなりましたが、別のクソ映画とは一線を画している別次元のウンコ映画ということだけはお伝えしておきます。しかも、日本で待望の吹き替えが入っているHDリマスター版が近々出るみたいです。
誰にもおすすめは出来ないけれど、リマスター版を観たくなってくる不思議さよ。
ではでは。映画『バタリアン』のレビューでした。
バタリアン - 感想・評価
公開日:1985年08月16日
ジャンル:コメディ映画, ホラー映画, SF映画
監督:ダン・オバノン
出演:クルー・ギャラガー, ジェームズ・カレン, ドン・カルファ
バタリアン
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ストーリー - 5%
5%
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キャラクター - 35%
35%
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演出 - 5%
5%
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映像 - 65%
65%
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音楽 - 80%
80%
映画レビューまとめ
もうとにかくびっくりする。多分、わかってないなお前とか言われそうだが、点数的にはこんな感じ…。