- 公開:2004/05/14
- 監督:ウォルフガング・ペーターゼン
- 出演者:ブラッド・ピット, エリック・バナ, オーランド・ブルーム
- 製作国:アメリカ合衆国
- 上映時間:3時間16分
トロイという映画をご存じでしょうか?2004年に公開されたブラッド・ピット主演のアメリカ映画なのですが、題材はトロイア戦争です。
トロイの木馬という言葉をどこかしらで聞いたことがあるかもしれませんが、そのもととなった戦争であるトロイア戦争。
この戦争にはアキレス腱の元となった英雄アキレスが登場します。まぁ、このアキレスがブラッド・ピットなんですけどね。
ただ、この映画の少し変わっている所は、トロイア戦争に神々が出てこない所。そう。本来ならばトロイア戦争とは神話のお話なのです。
神が戯れに人々をそそのかせて、戦争を起こさせ、神に愛された戦士アキレスが奮闘する。そんなお話が今までの通例でした。
しかし、この映画の監督ウォルフガング・ペーターゼンは、神との関わりをなくし、人間臭いドラマに仕立て上げました。
まぁ、この映画の出来にブラッド・ピット自身は満足しなかったらしいのですが、世界的には大ヒット。
僕もその流れを受けて、その昔、この映画を観て「3時間以上の作品のわりには、飽きずに最後まで面白かったなぁ…」っていう感想を抱きました。
しかし。
今回「昔見た映画を再び観てみようブーム」で再チャレンジしたんですが、最初に観た時の面白さよりも、戦争の残酷さをより強く感じてしまって昔の自分の感受性の幼さを感じたのであります。
だって、赤ちゃん投げちゃうんだぜ…。
戦う兵士達は一突きで殺されたりするのに、逃げ惑う市民は首を縄でくくりつけて外に吊るされちゃうんだぜ…。
それを全く気がつかず、愛だの恋だの意外と面白かったな…なんて思った昔の自分って一体。
さてさて、冒頭にグダグダ語っても仕方がないので、映画『トロイ』についてレビューをしていくことにしましょう。
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映画『トロイ』 – ストーリー
公開日:2004年05月14日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, 歴史映画
監督:ウォルフガング・ペーターゼン
出演:ブラッド・ピット, エリック・バナ, オーランド・ブルーム
もし、あなたに駄菓子屋で『トロイ』ってどんな映画?あらすじとか評判は?と聞かれたなら…
…そんな事を『トロイ』について、きのこの山とたけのこの里が一緒に入っている『きけのこの山里』って言うの出てくれないかな…って考えながら、駄菓子屋で話すと思います。
『トロイ』の名言・心をざわつかせた言葉
一緒に来れば、平安はない。追っ手が来るし神々には呪われる。でも愛してる。この身が燃え尽きるまで君を愛す。
ラリサに留まれば安らぎを得られる。よき伴侶を得て、やがて子供が産まれ孫もできる。家族に愛され死んでも彼らの心に残る。でも家族が死に絶えるとあなたの名は消える。トロイに行けば栄光が手に入るあなたの勝利は何千年も語り継がれあなたの名は世に残る。
パリスは時々愚かになるが、見殺しにするよりは千度でも戦おう。
戦では若者が死に老人が語る。いいな、政治に関わるな。
大事なのは忠義より戦いに勝つ力です。
いいことを教えよう。神殿では教えない。神々はうらやんでる。限りある人の命を。いつ死ぬか分からない。終わりがあるからこそ美しい。美貌もいつかは衰える。“今”は二度とない。
息子を愛していた。目を開けた時から、お前に閉じられるまで。
また二人一緒になれる。この世か次の世で。
『トロイ』で心に残ったシーン・実況
- 0:07:40頃
あれ、このシーン、ブラピと女性が普通に裸で寝ているだけかと思ったら、女性二人いるじゃん(笑)やはり猛者はモテるんだな。 - 0:10:10頃
あんなデカい大男を瞬殺…。せつねぇ。言葉、「うおぉ!」「うぁ…」しか、しゃべってないぞ。 - 0:33:25頃
海、むちゃくちゃ綺麗じゃん! - 0:52:30頃
剣を持ってカメラ目線のブラピ(アキレス)がすごくかっこいい。 - 0:57:15頃
持っていた盾を一瞬で背中に背負い、華麗に戦うブラピが、アキレスの無双感をひしひしと感じさせて良い。こりゃ強い。そして結構エグいシーンあるな。 - 1:12:30頃
猛者のアキレスと王のアガメムノン、どちらが後世に名を残すか。なかなか見ごたえのあるやり取りだった。アガメムノン、すごい悪い顔だな。 - 1:40:40頃
うおぉ!この巨大なおっちゃん、盾さえも貫く怪力じゃん!まじかよ!ただ、倒され方が安易すぎるよ…。でも刺されても動じず敵に立ち向かっていく。弁慶じゃ。こいつは弁慶じゃ。口は悪いけどかっこいい巨人であった。 - 1:45:20頃
人がアリのように死んでいる…。一体この戦いで死んだ人は何のために散っていったのか。本当に戦争の理由がこんな私的な理由だったら報われない…。くそう…。パリスのやつめ。くそう。 - 1:54:25頃
本当に海が綺麗だなぁ。この映画、海が綺麗なシーンが多い。 - 2:02:00頃
なるほど!この炎の矢とお団子転がすやつはこうやって絡むのか!昔の人の戦略って面白いな。 - 2:07:10頃
あぁぁぁぁぁぁ…。若さゆえの…。哀しい。泣いてもうた。 - 2:23:00頃
怒りに燃えたアキレス、かっこいいし強いな…。ヘクトルとの一騎打ちのアクションすげー。これは見ものだ。ジャンプアタックがかっこいい。 - 2:49:00頃
うわぁ…。赤ちゃん投げたよ。戦争怖えぇ…。教科書からじゃ学べない事だわ…。 - 2:57:00頃
最後までトロイの王様は王様だった…。このおじいちゃんだけは生き残ってほしかった。 - 2:59:00頃
これがアキレス腱の由来か。勉強になるな。トロイの木馬やらアキレス腱やら言葉を知っているけど、その由来知らんもんな。良い演出だな。ただ、このパリス王子は完全に憎まれ役だ…。すげー卑怯で、すげー空気を読まない。国の為なのはわかるんだが、どうしても好きになれないな…。弓使ってるし。
『トロイ』は↓こんな作品や世界観が好きなあなたにおすすめ。この映画を観ている時にパッと思い浮かんだ映画・小説・漫画・アニメ・テレビドラマ、または音楽など
公開日:2000年05月05日
ジャンル:アクション映画, 冒険映画, ヒューマンドラマ映画
監督:リドリー・スコット
出演:ラッセル・クロウ, ホアキン・フェニックス, コニー・ニールセン
『トロイ』のような映画が好きなあなたに、ぜひ次に観て欲しい映画はズバリ…
公開日:1959年11月18日
ジャンル:冒険映画, ヒューマンドラマ映画, 歴史映画
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:チャールトン・ヘストン, ジャック・ホーキンス, スティーヴン・ボイド
映画『トロイ』 – まとめ
さてさて、ブラッド・ピットが出ているから…という理由で昔は観てみた映画だったんですが、ただのイケメン・美女俳優を使っている戦争映画というわけではございませぬ。
ところどころショッキングな表現に目を向けてみるといかに人間が愚かであるかがわかる。
いかに人間の欲が醜い結果を産むだけのものかがわかる。
愛だの恋だの扱っていますが、実際クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史も変わっていたとか言われるぐらいですから、人間は本当にどうしようもない理由で戦争をはじめたりするんです。
すべては自分だけが良ければなんでも良いという欲が産み出すもの。
まさにそれを体現しているのがパリスのイケメンクソ王子。
本来ならばラストのシーンでトロイの民から袋たたきにされてもいいのでは?滅びゆく自分たちの国を観て、もっと自分の行いを後悔していいのでは?その苦悩を描いた方がいいのでは?と思うのに、徹底的にそんな姿を描かない。
こいつのせいでこいつのせいでこいつのせいで…。そんな事が何度も頭に浮かんできますが、これが人間。結局ズルいやつは生き残る。
ただ、そういうクソみたいな人間を許さなければならない。こういうやつを否定するとさらなる悲劇を産むだけ。それを教えてくれている映画なのです。
負の連鎖は誰かがどこかで大きな心で許さなければとまらない。
誰かが欲を捨て、大きな器で大きな愛で受け止めなければならない。
それがガンジーだったりするのかなぁ…。
そしてきっとその行動こそが歴史に名を残すという事になる。きっとその姿を見て、知って感化される人がいる。
その人達が多くなっていけば世の中は平和になっていくはず。
欲は人間を成長させていく為に必要なのはわかっていますが、欲を捨てることも人間を進歩させるために必要なのだと僕は思います。同じことを繰り返しているといつか成長がとまる。
たまにはその逆のことも行わなければ…。
…うーん。何が言いたいのかわからなくなったな。
ま、あれですよ。世界中でいまだに戦争が起きていますが、結局誰かが何かを許せなくて起きてしまっていると思うんです。
反戦運動っていうのも戦争が許せなくて行うものでしょう?だからそれを受けて更に戦争が悪化していく。
僕らがやらなければならないのは、許すこと。学ばなければならないのは許すことなんだと思うんです。
何かを憎んでとった行動は更なる憎しみを産む。ニュースを見ても「許さない」というコメントばっかりだしね。
許せない。その気持ちを抑え、許してみようからはじめられたら。きっと歴史はもっと違う方向に行くんだと思います。
ではでは、なんというかこんな感じの気持ちになるはずじゃなかったのにな…と思う『トロイ』でした。
昔はただの愛みたいなものを扱った映画だと思ったのに、僕も色々とものを考えるようになったんだな。これは成長か?頭が硬くなっただけか…?
よければディレクターズ・カット版を見てくださいませ。
あ、昔書いた感想が出てきたので、引用して終わります。
期待せず観た分だけ、かなりの胸アツな映画だった。
ホメロスの叙事詩「イリアス」を下地に、神話としてのトロイア戦争ではなく、人間ドラマとしてのトロイア戦争を描いたというブラッド・ピット主演のトロイを観ました。
全く期待していなかったし、Blu-rayを入れた瞬間に3時間とか表示されたものだから、なんだかなぁ…なんて気乗りせずに観たにも関わらず、最後は前のめりで画面に見入ってました。
Blu-rayの方は、ディレクターズカット版だったみたいで、いわゆる劇場で公開されていなかった部分を付け足された状態での作品だったので、3時間以上にもわたる作品になっていたようです。
それでも、特典でついてきていたウォルフガング・ペーターゼン監督の解説を聞いてみると、ディレクターズカット観ておいてよかったと思いました。え?映画だとこのシーンないの?っていうのばっかりだったので。
この映画、何が面白かったかというと、アキレスという主人公が悪の組織を倒すというわかりやすい構図にはなっておらず、主人公としてアキレスは存在しているけれど、敵軍、味方軍どちらも筋が通っており、善と悪では分けられず、どちらにも感情移入してしまうのです。
いわゆる、ガンダムシステム。アムロとシャア、どちらにも言い分があり、戦わなければならない。
それがね、何とも切ない物語を紡ぎだしていて、歴史戦争映画で人がボロッかすに死ぬシーンがわんさか登場するってのに、人が死ぬことが当たり前なんかではなく、敵だろうが味方だろうが、人が死ぬと哀しい。どちらの国もあっぱれなんです。
まぁ、一人、クソみたいなやつがいましたが。いや、二人いましたが。
それはそれとして、この映画残り30分の所でトロイの木馬が出てくるシーンらへんからが本当に胸アツで面白い。
この30分の為の前フリだったんじゃないかって思ってしまうぐらい、ラスト30分の詰め込み方が素晴らしいです。
現在でも、この映画で使われた巨大トロイの木馬は海外のどこかに行けば観れるらしいので、一度は観てみたいかな。
下地になったイリアスという本は持ってはいるんですが、読んでなかったので、かなり改変されているらしいんですが、読んでみたくなりました。
それと、この戦争のきっかけになったエレン役のダイアン・クルーガー、本当に綺麗っす。でも、アキレスを魅了したブリセイス役のローズ・バーン、すごく魅力的だったなぁ。
なんか、映画って期待せずに観るといい作品だったってことが多いなぁ。
…出来れば、この映画も期待せずに観てください。最後の感動の為に。
ではでは。
…同じ映画なのにこうも感じ方が違うとは。自分って一体。
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トロイ - 感想・評価
公開日:2004年05月14日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, 歴史映画
監督:ウォルフガング・ペーターゼン
出演:ブラッド・ピット, エリック・バナ, オーランド・ブルーム
トロイ
-
ストーリー - 66%
66%
-
キャラクター - 71%
71%
-
演出 - 76%
76%
-
映像 - 86%
86%
-
音楽 - 55%
55%
映画レビューまとめ
ストーリーは単純なのであまり点数は伸びませんが点数ほど悪いものでもありません。わかりやすくていいなという感想です。キャラクターはクッキリとしていていいかな。もう少し苦悩とか描いていたらもっと魅力的になったかなとは思います。演出は所々光る所があります。映像は圧倒的に綺麗な部分があるので高得点です。音楽はほぼ意識に残りませんがそれだけマッチしていたと受け取ってみました。