スカーフェイス_ブライアン・デ・パルマ
スカーフェイス - 映画情報
  • 公開:1983/12/09
  • 監督:ブライアン・デ・パルマ
  • 出演者:アル・パチーノ, ミシェル・ファイファー, スティーヴン・バウアー
  • 製作国:アメリカ合衆国
  • 上映時間:2時間50分
MOVIE REVIEWS

スカーフェイスという映画をご存じでしょうか?1983年公開のアメリカ映画なのですが、主演はゴッドファーザーでおなじみのアル・パチーノ。

ゴッドファーザーではマフィアのドン役を演じましたが、こちらは麻薬の密売でのし上がっていく若いギャングを演じております。

実はこの映画、公開当時は批評家たちに酷評されていた映画なのです。しかし、今ではマフィア映画の金字塔とまで言われるほどの評価を得ています。

ちなみにゲーム好きな人は知っているかもしれませんが、世界的に大ヒットした「Grand Theft Auto: Vice City」はこの映画の影響を受けている作品。

やはり人間は悪役に惹かれてしまうものですね。アル・パチーノがかっこよすぎる。

…とまぁ、物知りぶりましたが、正直に言いますとこの映画の存在を僕は全く知りませんでした。この映画を知ったきっかけは友達のメールアドレスに「scarface」と入っていた事です。

scarface。傷のある顔という意味ですが「一体これはなに?」と聞くと、どうやら一番好きな映画のタイトルらしいのです。

それがきっかけでこの映画『スカーフェイス』を観てみたのですが、そろそろレビューをしていくことにしましょう。

スポンサードリンク

映画『スカーフェイス』 – ストーリー

スカーフェイス
4.3

公開日:1983年12月09日
ジャンル:犯罪映画, ヒューマンドラマ映画
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:アル・パチーノ, ミシェル・ファイファー, スティーヴン・バウアー

キューバから追放されマイアミにやってきたチンピラのトニー・モンタナ。犯罪歴のある彼はフリータウンに送られるが、政治犯の殺害依頼を受ける変わりに労働許可証を手に入れた。皿洗いにありつくがもっと稼げる仕事としてコカインの取引きを引き受ける。そこから麻薬王フランクに気に入られ闇社会で働くようになり成功を手に入れる。フランクの座まで乗っ取った彼は全てを手に入れたように見えたが、彼の栄光は仲間との確執や薬物中毒により蝕まれていく…。

もし、あなたに天丼屋で『スカーフェイス』ってどんな映画?あらすじは?と聞かれたなら…

野口明人
野口明人
この映画は一言で言えば、ピカレスク・ロマンの映画なんだ。
野口明人
野口明人
え?ピカレスク・ロマンって言いたいだけだろって?
野口明人
野口明人
そうだよ。だってこの映画観てから知った言葉だからね!Wikipediaで調べてしまったよ。元の語源はスペインの作家マテオ・アレマンっていう人の作品に出てくる「ピカロ」って言葉かららしいよ。
野口明人
野口明人
まぁ、日本語に訳すと“悪者”っていう意味なんだけど、ただの悪者ではなく、出生に含みがあるとか、社会的に嫌われ者であったり、食べる為や生きる為に罪を犯したりするような特徴をもった者の事をピカロというんだってさ。
野口明人
野口明人
なんつーの、つまり仕方なく悪い道に進んだ的な。観ている側がちょっと同情したくなるような感じ?
野口明人
野口明人
たまにあるじゃん、身寄りのいない子供がパンを盗んで…みたいなシーン。ああいうやつをピカロっていうんだね。
野口明人
野口明人
そういう悲しき悪者みたいなのを取り扱ったのがピカレスク・ロマンなわけだ。
野口明人
野口明人
この映画でもさ、ゴッド・ファーザーで有名なアル・パチーノが主人公なんだけど、彼が演じるトニー・モンタナはキューバから追い出されるわけ。
野口明人
野口明人
カストロがどうとか詳しい事情があるんだけど、まぁそこらへんは後で調べてもらって、まず出生に含みがあるっていう点が当てはまるでしょ。
野口明人
野口明人
それでアメリカに来たんだけどさ、仕事につけないんだよね。犯罪歴があるとかなんとかで。それがまぁ社会的に嫌われ者っていうのも当てはまる。
野口明人
野口明人
トニーみたいなチンピラは一箇所に集められて収容所に入れられててね、無駄に時間だけを過ごしていたんだけど、仲間のマニーから、ある政治犯を殺せばグリーンカードもらえるらしいんだけど、やる?って提案されるわけ。
野口明人
野口明人
ま、トニー的にはカストロとかいううやつのせいで今の自分の状況を生み出したわけで、政治犯なんて許せないし、そいつを殺せば仕事につけるんだったらやるしかないって感じなわけで。んでやっちゃうんだね。
野口明人
野口明人
そして見事、働けるようになるんだけど、デブにひたすらこき使われて皿洗いしかさせてもらえない。
野口明人
野口明人
自分の人生こんなはずじゃなかったのに…という時に、またもやマニーから稼げる仕事があると教えてもらえる。
野口明人
野口明人
それがコカインの取引き。コロンビアの人間とコカインの取引きをするんだけど、ハメられて仲間を殺されてしまう。
野口明人
野口明人
…が、トニーはそのコロンビアの人間を皆殺しにしてコカインとお金の両方を手に入れるわけ。
野口明人
野口明人
その両方を持って麻薬王と言われるフランクに会いに行くと負けん気の強さを気に入られてマニーたちとともに彼の元で働くようになる。
野口明人
野口明人
ただ、トニーの欲の深さはすごくてね、フランクの女であるエルヴィラに手を付けたり、独断で大物と取引を決めたりやりたい放題するんだ。
野口明人
野口明人
次第にそんなトニーを危険視したフランクはトニーの暗殺を試みる。…が、運良く殺されなかったトニーは逆にフランクを殺害してしまう。
野口明人
野口明人
そしてフランクが持っているものをすべて手に入れる。
野口明人
野口明人
エルヴィラと結婚し、欲しいものをすべて手に入れたトニー。
野口明人
野口明人
…が、これがまたピカレスク・ロマンの宿命でね。悪者が成り上がってもそこから破滅していくっていうのテンプレなわけだよ。
野口明人
野口明人
トニーも例に漏れず、フランクから奪ったお金で起業し表社会でも成功するんだけど、徐々にそのやり方の件で相方のマニーと上手く行かなくなってくる。
野口明人
野口明人
そしてエルヴィラとの間にも子供は出来ず、徐々に冷めていく。
野口明人
野口明人
ある意味人から奪って成功したわけで、そういう人は自分も誰から奪われる恐怖ってのがあるわけだね。
野口明人
野口明人
だからトニーは誰も信用する事が出来ず、徐々に麻薬に逃げるようになる。
野口明人
野口明人
次第に薬物中毒になっていって冷静な判断も出来なくなり…っていう感じのあらすじ。まぁ、かなり省いたけどだいたいそういう感じ。
野口明人
野口明人
トニー・モンタナはさ、あれなんだよ。悪いことはするんだけど、家族は大事にするんだよね。妹と母親を愛してる。
野口明人
野口明人
でも、母親はトニーが悪い事をしている事が許せないから、お前なんかに関わるとみんな不幸になる。出てけー!って冷たい。
野口明人
野口明人
ただ妹だけはトニーの味方をしてくれる。そんな妹をさ、マニーは気に入っちゃってね。そのマニーとトニーの確執が悲劇的で…。もうね、観ていて痛々しくなる。
野口明人
野口明人
『スカーフェイス』はね、3時間近い映画なんだけど中々よく出来た話で、全然長く感じなかった。
野口明人
野口明人
前半はトニーが成り上がっていくまでを描いて、後半は破滅していくさまを描いてって感じで。アル・パチーノがかっこいいんだよね。
野口明人
野口明人
かっこいいっていうか、脆さを兼ね備えたかっこよさっていうのかね。渋いねぇ。最後の狂いながら機関銃ぶっ放しているシーンなんて、鳥肌モノでしたよ。
野口明人
野口明人
あとはセリフもさ、文字にするとちょっと臭いセリフにはなってしまうし、字幕で観ているからニュアンスもちょっと変えられちゃってるかもしれないけど、トニーの言葉がいちいちかっこいいんだ。
野口明人
野口明人
結構スラングばっかりで、英語圏に住んでいる人からすると耳をふさぎたくなる感じなのかもしれないけどね。厨二心をくすぐるよね。
野口明人
野口明人
さあ悪党におやすみを言いな。
野口明人
野口明人
…くう。いつか言ってみてー!
野口明人
野口明人
この映画を観て思ったんだけど、やっぱり僕は基本的に悪者に惹かれる体質なのかもしれないなぁ。
野口明人
野口明人
小さい時から。 仮面ライダーBLACKのシャドームーン好きだったし。
野口明人
野口明人
あれだよね。悪者だけど、一本の筋が通っているキャラとかってなんかいいよね。その立場を変えたら主人公の方が悪者になるって感じの物語ってタマラナイよね。
野口明人
野口明人
アムロとシャアとか、グレンラガンの螺旋王とか。悪者と正義って境界線が難しい。
野口明人
野口明人
今は人を殺したら犯罪者だけど、戦国時代なら英雄だもんね。
野口明人
野口明人
いけない事をいけないって決めているのはあくまでも人間なんだよね。だから人間が変わればいけない事も変わるのだよ。
野口明人
野口明人
だからさ、悪者に憧れるってのもヒーローに憧れるのも根本は一緒なんじゃね?
野口明人
野口明人
ま、そういうわけであんまりスカーフェイスの良さを伝えきれてない気もするけど、この映画は観てみないことにはその雰囲気を感じ取れないと思う。
野口明人
野口明人
なんだろうなぁ…似た映画を考えてみたんだけど、僕の映画知識の引き出しではいい映画が思い浮かばなくてね。
野口明人
野口明人
人間が徐々に狂っていく感じで言えば『タクシードライバー』が似てるかなって思うんだけど、ジャンルが違うんだよなー。
野口明人
野口明人
検索したら似てる映画出てきたんだけど、ここらへんの時代の映画、全然観てないからさーオススメとして挙げられないんだよなぁ。
野口明人
野口明人
とりあえず似てるで検索して出てきた映画。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 』『グッドフェローズ』『アンタッチャブル』…って、この映画ほぼロバート・デ・ニーロ出てるんだが!
野口明人
野口明人
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロと言えば『ゴッド・ファーザー』つながりかね。
野口明人
野口明人
とりあえず、僕は次はアンタッチャブルってのを観てみることにするよ。
野口明人
野口明人
興味が湧いたら調べたりしてみてよ。DVDのジャケットカッコよくてさ、ポスター欲しいぐらいだわ。

…そんな事を『スカーフェイス』についてアナゴ天でも食べてながら天丼屋で話すと思います。

『スカーフェイス』の名言

人間の欲の深さを甘く見るな

いいか。この世の中ではタマのある奴が命令を下す。あんたタマあんのか?

自分で買いなよ。地獄行きのファースト・クラス切符を。

The World is Yours(世界はあなたのもの)

クソ食らえ!おれがこの暮らしを築いた!信用できるのは自分だ!自分以外に誰を信用できる…。誰もいない…。どいつもこいつもアタマにくる。あの野郎もあの女も消えちまえ。一人でいい。

さあ悪党におやすみを言いな。おれほどの悪党にはもう会えないぞ。

これがあいさつだ!

おれはトニー・モンタナだ!おれにかなう者はいない!まだ立ってるぞ!いくらでも撃ちこめ!おまえらのクソ弾だ!こんな弾でおれが死ぬと思うか!

『スカーフェイス』のおすすめポイント

・アル・パチーノの渋かっこよさにしびれる。一部ショッキングなシーン(チェーンソーで体を切られる)とかもあるけど、モロには映していないのでグロいのが苦手な人でも大丈夫だと思う。

・とにかく人の成り上がっていくまでと破滅していくまでの流れが水がサーッと通るように自然で、人の世の儚さを感じる。

・トニーの孤独感とかをカメラワークがうまく映していて、ひしひし伝わってくるのもタマラナイ!

映画『スカーフェイス』 – まとめ

実はスカーフェイスを教えてくれた友人は怪談話がすごく得意で、scarfaceとメールアドレスに入っているのを観た時に勝手にホラーと結びつけてしまったのですが、映画を観てみると全く違うものでした。

冒頭にも書きましたが、スカーフェイスとは、傷のある顔の事。

まぁ、そうやって書くとホラーにもつながる気もしないでもないですが。傷のある顔と聞くと、アニメ『ブラック・ラグーン』のバラライカを思い出します。でもあんなに全体的に傷があるわけではなく、ほほにちょろっとあるぐらい。

なので、この映画のタイトルから想像出来る内容も少ないとは思いますが、何はさておき先入観を持たず観てみるのが良いと思います。

今ではヒップホップの世界やある種の若者の中では熱狂的なファンがいるぐらいのアイコン的映画です。

Grand Theft Autoみたいなゲーム好きな人には世界観がタマラナイんじゃないかな。まぁ、全部Wikipediaの受け売りですが…。

あんまり観たことがないジャンルだったので、これからちょっとこういう映画を観る機会を増やして行こうと思います!

ピカレスクってかっこいい。

ではでは『スカーフェイス』でした。

…ひとつ思ったんだけど、こういう映画の中でコカインを吸うシーンとかの粉って実際は何の粉使っているのかね。鼻でズズズっと吸っているけど、小麦粉か何かなのか?鼻痛くならないのかな。

スポンサードリンク

スカーフェイス - 感想・評価

スカーフェイス
4.3

公開日:1983年12月09日
ジャンル:犯罪映画, ヒューマンドラマ映画
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:アル・パチーノ, ミシェル・ファイファー, スティーヴン・バウアー

スカーフェイス
  • ストーリー - 85%
    85%
  • キャラクター - 85%
    85%
  • 演出 - 90%
    90%
  • 映像 - 80%
    80%
  • 音楽 - 75%
    75%
83%

映画レビューまとめ

3時間弱の映画とは思えないぐらい世界に引き込まれサーッと観れる映画。ピカレスク・ロマンという言葉を今度友達に使ってみよう!とにかくアル・パチーノのセリフがかっこいい。…そしてちょっと切ない。

Sending
User Review
0 (0 votes)
スカーフェイス_ブライアン・デ・パルマ
いいね!を貰えると勇気が出ます