スイミング・プール_フランソワ・オゾン
スイミング・プール - 映画情報
  • 公開:2003/05/21
  • 監督:フランソワ・オゾン
  • 出演者:シャーロット・ランプリング, チャールズ・ダンス, リュディヴィーヌ・サニエ
  • 製作国:イギリス, フランス
  • 上映時間:1時間44分
MOVIE REVIEWS

スイミング・プールという映画をご存じでしょうか。2003年に公開されたフランソワ・オゾン監督のミステリー映画です。

なんともいい香りのしそうな監督の名前ですが、フランス出身の監督です。

この映画を知ったのは何かの映画のDVDを観た時の本編前に流れる映画情報でした。

本来そういうCMみたいなやつはあまり好みではなく飛ばせるなら飛ばしたいと思っているぐらいなのですが、スイミング・プールのトレイラーだけは妙に魅力的で、観てみることにしたのです。

そして、まさに青天の霹靂。

フランス映画特有の独特なムードともちょっと違う雰囲気のフランス映画

どんどん惹きつけられていき「こりゃー面白い。こういうの好みだわ」と並大抵な感想をエンディング付近で思った途端、ラストのカットで鳥肌ドーン

どんでん返しと言って良いのか丸投げと言っていいのか、さっぱりわからないラストでギュッと心を鷲掴みされました。

「もう一度観てぇ…」そう思える映画だったのです。

おそらくものすごく人を選ぶ映画だとは思いますが、あなたはどうでしょうか?

という事で映画『スイミング・プール』のレビューをしていくことにしましょう。

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スイミング・プール – あらすじ

スイミング・プール
3.9

公開日:2003年05月21日
ジャンル:犯罪映画, ヒューマンドラマ映画, ミステリー映画
監督:フランソワ・オゾン
出演:シャーロット・ランプリング, チャールズ・ダンス, リュディヴィーヌ・サニエ

イギリス人の中年女性推理作家のサラは少々スランプ気味。出版社の社長ジョンのすすめでフランスのプール付きの別荘へ出かける。静寂に包まれた雰囲気でパソコン向かうサラは気分を取り戻していた。しかし、ある夜現れたジョンの娘と名乗るジュリーの登場で環境は一変。毎晩男をとっかえひっかえで連れてくるジュリーに静寂を乱され、サラとジュリーは衝突する。だがそんな自分と正反対のジュリーの振る舞いに徐々に関心を持ち始め、ジュリーを盗み見ることでサラは執筆を進めていくのだが…

映画名作レビュー戦記シネマネオン!-スイミング・プールの巻-

映画名作レビュー
前回までのシネマネオンは…

 館見放題
とある映画館でポスター貼りのアルバイトをしていた館見 放題(たちみ ゆきみつ)。「ミステリアスな一通の招待状かぁ」と言いながら映画ランキングと興行収入を参考におすすめポスターを入れ替えていたが、その作業中、謎の組織ノーモアーズに襲われ記憶と顔を盗まれてしまう。何も思い出せない館見。彼は自分を取り戻すため、引き込まれるように映画館に入り『スイミング・プール』を観ようとしたのだが…

スイミング・プール -内容紹介-

館見 放題
ち、畜生!なんだったんだ。あの赤い顔の男は…。何かを思い出せそうだったのに、映画館から追い出されてしまった。『スイミング・プール』とは一体どんな映画なんだ…。
シネマネオン
一言で言えば、“小説のような想像力で楽しむ映画”だな。フランソワ・オゾン監督の9番目の作品さ。
館見 放題
だ、誰だ!?
シネマネオン
呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン。レビューロボ、シネマネオンだ!
館見 放題
だから誰やねん!誰もオマエの事なんて呼んでないぞ!
シネマネオン
まぁまぁ、落ち着きなさい。今の君の体ではきっと映画館から追い出されてしまうだろう。アレに非常に似てるからね。アレに。
館見 放題
アレとはなんだ!僕は自分が誰だか思い出せないんだ。
シネマネオン
君は『スイミング・プール』を観たかったんだろう?
館見 放題
そうだった。『スイミング・プール』を観れば何かを思い出せそうなんだ。
シネマネオン
では、私と合体しなさい。期間限定レンタルロボ貸出中、今だけ非常にお得だよ。
館見 放題
怪しさ満点じゃないか!合体って何を…
シネマネオン
ええい。やってみればわかる。君の持っているそのスマホのアプリのボタンを押せ!
館見 放題
いつの間にこんなアプリが!ちくしょー!!こうなりゃヤケだ!ポチッと!
シネマネオン
シネマネオン
アジャラカモクレン、スイミング・プール、テケレッツのパー
館見 放題
館見 放題
うわああーー!『スイミング・プール』の映像が頭のなかに広がっていくぅぅぅぅうう!!
レビュー評価

スイミング・プール -解説-

シネマネオン
フランス映画って独特な映画が多いよな。
館見
そうか?例えばフランス映画って何があるかな。
シネマネオン
アメリ』とか『最強のふたり』とかはここでもレビューしただろ?
館見
ふむ…。あ、最近観た映画で『タイピスト』も確かフランス映画か。言われてみればあれも独特だった気がしないでもない。
シネマネオン
まぁ『レオン』などもフランス映画だから、すべてが独特っていうわけじゃないけれど、なんとなーくアメリカの映画とはちょっと違った雰囲気の映画が多いと思うんだ。
館見
でもそれがどうかしたの?
シネマネオン
今回の『スイミング・プール』もある種独特だった映画なのさ。
館見
ほほう。『スイミング・プール』は一体どういう映画なんだ?
シネマネオン
イギリス人の推理作家サラという中年の女性が主人公なんだが、不満たらたらで登場してくる。
館見
中年女性。ふむ。
シネマネオン
彼女のドーウェル警部シリーズはそれなりに売れていて、読者もいる。電車で読者に話しかけられたりするぐらいだ。
館見
ほほう。それのどこが不満なのか。
シネマネオン
彼女の本を出版してくれる出版社の社長でジョンという男がいるのだけれど、彼と愛人関係っぽい雰囲気なわけだ。しかし、そんな彼は最近新人作家に付きっきり。
館見
へー。
シネマネオン
「どうせジョンは私の事をお金のなる木ぐらいにしか思っていないだわ」みたいな。お金も成功もどうだっていい。殺人も捜査もうんざり。
館見
あー。マンネリ化しちゃっているだね、自分の作品に。
シネマネオン
そんなサラにジョンは「フランスは好きか?」と質問する。
館見
フランス?
シネマネオン
ああ。サラが今いるロンドンは天気も雨が多くどんよりしている事も多い。
館見
確かにロンドンの人っていっつも天気の話題ばかり話しているイメージはある。
シネマネオン
だから「気分転換にフランスにある別荘へ行ってみたらどうか?」とジョンは提案するわけだ。それを聞いてサラは「あなたも来るの?」って。
館見
おお。愛人っぽい。
シネマネオン
娘がいるから週末には行けるみたいな。それを聞いてサラはまんざらでもないようなそうでもないような顔でフランスへ飛ぶ。
館見
まんざらでもないようでそうでもない。どっちなんだよ。
シネマネオン
この主人公、本当に最初の頃は感情が読み取りにくい表情をするんだよ。サラ役のシャーロット・ランプリングっていう人、演技上手いなーって思ったね。
館見
シャーロット・ランプリング。裸にサスペンダーで踊ってる人か。
シネマネオン
あ、ちなみにシャーロット・ランプリングの姉の名もサラという名前なんだが、自殺してしまった事をシャーロット・ランプリングと父で30年以上も母には秘密にしていたそうだ。
館見
…ふむ。複雑な感情です。
シネマネオン
まぁ、そんなシャーロット・ランプリングが演じるサラはフランスへやって来て、ジョンの別荘を見て回っている内に徐々に顔の表情も和らいでくるわけ。
館見
ふむ。ジョンの提案がヒットしたわけだね。
シネマネオン
そう。その別荘はプール付きで、非常に静かな佇まい。外へちょこっと出かけてみれば、カフェの店員さんにちょっと自分好みの良い男性がいる。これは良い作品が書けそうだとパソコンのキーボードを叩く。
館見
ほー。ここでタイトルのプールが出てくるわけだ。
シネマネオン
静寂。まさにこの映画はそれにふさわしいような素敵な雰囲気でね、BGMがほとんどないわけだよ。環境音が心地よく聞こえてくる。
館見
へー。ハリウッドの映画はゴージャスなBGMとかSEをバンバン挿し込んできますもんね。
シネマネオン
サラはそんな静かな環境の中で執筆活動を進めていく。しかしある夜、誰もいるはずのない家から物音が。
館見
あれ。この映画、実はホラー?ホラーでありがちな設定な気がしてきた。
シネマネオン
いやいや、実はその物音はジョンの娘さんっぽい人が家に帰ってきた音だったんだ。
館見
あー、娘さんがいるってたしかに言ってたね。
シネマネオン
でもそんな事は思いもしなかったサラ。突然の娘の出現に戸惑う。ジュリーと名乗るその娘さんは仕事を辞めて帰ってきたらしく、どうやらしばらくはその別荘で暮らすらしい。
館見
ほほう。物語が動き始めてきましたな。
シネマネオン
ジュリーは毎晩違う男を連れてきては、騒ぎ立てるあばずれ娘。サラは気に入っていた静寂をぶっ壊され怒り爆発
館見
お。もしかして憎悪から始まる殺人ドラマ?
シネマネオン
私も最初はそうなるかなって思っていたんだ。しかしサラは徐々にジュリーの行動を見る事で創作意欲が駆り立てられるようになるんだ。パソコンのフォルダにジュリーなんて作ったりして。
館見
へー。
シネマネオン
男と逢い引きしているのを覗き見たりしてね。ここらへんのサラの表情は観ていて怖くなってくるほど創作欲の狂気に満ち溢れている
館見
ふむ。芸術家っぽいですなぁ。確か芥川龍之介の『地獄変』という作品にも創作欲に駆り立てられて、火に焼かれる娘さえ見殺しにするってのがあったよ。
シネマネオン
サラはジュリーと仲良くする事に決め、一緒に食事しに行ってね。そこでジュリーの母親も本を書いていた事を知る。
館見
あー、出版社の社長のジョンの奥さんって事はそういう事もあるかも知れないですな。
シネマネオン
しかし、どうやらジョンはその作品を気に入らなかったらしく、書き上がった原稿を焼いてしまったらしい。だから本を出版するまでには至らなかったんだ。
館見
ジョンはすごいストイックな人なんだな。
シネマネオン
まぁ、その話を聞いてますます二人の距離は近づいていく。だがジュリーはある日、自分の事を書いてあるであろうサラの原稿を読んでしまう
館見
おお…。またここで話が展開していくわけですな。
シネマネオン
ジュリーは何を思ったのか、サラが気に入っているカフェの店員さんを家に連れてきて一緒にパーティーをするんだ。
館見
ま、まさか寝取られるのでは…。なんかこの映画、昔の小説を読んでいるみたいだな。太宰治とかそういうの書きそう。
シネマネオン
だがしかし。ジュリーの思惑とは違い、サラとカフェの店員さんは良い感じになっていく。それを不満に思ったジュリーはスイミング・プールにカフェの店員を連れ出し、強行突破
館見
強行突破?
シネマネオン
ジュリーとカフェの店員さんは裸でスイミング・プールで泳いでいる。そしてジュリーはカフェの店員を誘うわけ。いつものようなあばずれ行為に。
館見
ほほう。あばずれ行為かぁ。言葉を濁しますなぁ。
シネマネオン
あ、この映画、結構大人なシーンが多いから、一人で観たほうが気まずくないと思うよ。
館見
あー、あるよね。家族と見ていたら普通にぷるんって出てきて気まずい雰囲気になる映画。
シネマネオン
そうそう。この映画、サラとジュリーは二人共キレイなお体を披露するからね。まぁ、それでジュリーとカフェの店員のそういうシーンを別荘の2階から眺めたサラはちょっと気に食わなかったらしく、スイミング・プールに石を投げ入れる。
館見
石を。ついにインスピレーションよりも、嫉妬の方が勝ってしまったか。
シネマネオン
その音で我に返ったカフェの店員さんは、帰ろうとする。しかし必死にしがみつくジュリー。そこでサラは目が覚める
館見
え!?夢オチ!?
シネマネオン
サラはジュリーが一人で寝ている事を確認し、ニヤリとするが、いつも開放されているスイミング・プールにビニールシートのカバーがかかっている事に気がつく。何やらこんもりしてる。
館見
もしかして…死体?
シネマネオン
とまぁ、こんな感じのあらすじですよ。
館見
えー!!ここで終わり!?
シネマネオン
いやいやここから話が面白くなってくるのだけれど、それをここで言ってしまっては、これから観る人が面白くなくなってしまうでしょう?
館見
き、気になるなぁ…。
シネマネオン
この映画はとにかく虚構と現実の境目がわからない映画で、じわじわっと不気味な世界に引き込まれていくのが魅力的なんだよね。
館見
虚構と現実?あー、なんか昔、日本の映画でそういうの観た気がする。確か『ゆれる』だったかな。
シネマネオン
オダギリジョーと香川照之のやつか。確かにあーゆー感じの雰囲気かも。カメラで撮られているシーンが必ずしも真実を映しているわけではないって感じで。
館見
そうそう。あれ観た時になんじゃこの不思議な映画は!って思ったもの。
シネマネオン
観ている視聴者は映画のシーンすべてが実際に行われている事だと思って観ているけれど、ラストのシーンで、それが真実なのか、サラの妄想だったのかわからないまま映画が終わっていく。
館見
えー。そういう丸投げの映画ってあんまり好きじゃないんだよなぁ…。
シネマネオン
確かにこの映画はだいぶ観る人を選ぶと思うけど、私はすごく好きだったよ。なんか小説を読んでいる感じだった。視聴者の想像力で色々な事が考えられるラストって感じで。
館見
僕はかっちりとした仕掛けのミステリーが好きだからさ。
シネマネオン
私もそういう作品も好きですよ。ただこの映画はミステリーっていうほどミステリーじゃないからね。どっちかっていうとミステリー作家の成長っていうかなんというか。うまくいえないけど、トレーラーがYouTubeにあったから観てみてくれ。
館見
オゾン監督からあなたに届くミステリアスな一通の招待状…。ふむ。ちょっと招待されて来ますかな。
シネマネオン
シネマネオン
アジャラカモクレン、レビューラビュー、テケレッツのパー
館見 放題
館見 放題
アァ、消える……

スイミング・プールの批評を終えて

スイミング・プール-レビューラスト
館見 放題
館見 放題
ミステリアスな一通の招待状…ん?あれ?ここは?あ、ポスターの前か。
館見 放題
館見 放題
あー、今回は『スイミング・プール』推しなんだな。このポスター貼って、次の試写会の会場に行く前に、ささっと限定20杯の燻製ラーメン食べに行かなくちゃ!あー。腹が減ってきたなぁ。急がなくっちゃ!!
館見 放題
館見 放題
それにしても、この「映画名作レビュー戦記シネマネオン!」とかいう知らない映画の前売り券を支配人にもらったけど、どうしよう…。一緒に見に行ってくれる人なんていないしなぁ〜。
スイミング・プール評価お終い

スイミング・プールの名言・心をざわつかせた言葉

賞は痔のようなもの、誰でもいずれかかる。

生活のある部分を隠してる男って魅力的でゾクゾクする。

私に手を出す奴がいたら必ずやり返してやる。

人を殺すのは疲れるものよ。

動画視聴で『スイミング・プール』を実況・解説!

シネマネオン
シネマネオン
今回の動画実況はDVD版を観て行っています。
  • 0:01:00頃
    最初綺麗な音楽だと思っていたのに徐々に不気味になってきた。
  • 0:02:05頃
    この人の無愛想加減、笑えるぐらい強いな(笑)
  • 0:03:55頃
    クソガキて(笑)無愛想だけでなく、口も悪いというね。不満感がすごい主人公だな。
  • 0:07:20頃
    ん?この人はおばあちゃんか?おじいちゃんか?
  • 0:08:55頃
    すげぇ。さっきまで普通に英語喋ってたのに、フランスに来た途端すごくキレイなフランス語喋ってる!バイリンガルって羨ましい。
  • 0:14:30頃
    パナシェってなんだ。それにしても冒頭にあっただけで、この映画ほとんどBGMないな。静かな映画だ。
  • 0:17:00頃
    やっとBGMかかった。そーいえばこの頃のノートパソコンってまだ画面が4:3だったわ。懐かしいな、この四角い感じのノーパソ。
  • 0:19:20頃
    満足そうで何よりです。やっと微笑ましい顔になった。…と思ったのにすぐに表情が曇ってしまった。フラストレーション溜まってる作家さんだな。
  • 0:21:00頃
    お。物語が転がりだしてきたぞ。こういう映画なのか。面白そうだ。
  • 0:23:25頃
    あれー!普通に見えとる!泡で隠すかと思ってた。
  • 0:26:30頃
    全裸でプール気持ちよさそうだな。家にプールあるっていいな。
  • 0:29:20頃
    この映画、本当に主人公の不満な顔を楽しむ映画だな(笑)これこそThe不満顔って感じで面白くなってしまう。
  • 0:35:00頃
    このおばさん、何かし始めたぞw中学生みたいな嫌がらせのセンス!
  • 0:36:00頃
    声だけ聞いてたらイケメンかと思ってたら、意外と髪の毛怪しくて笑ってしまった。
  • 0:36:35頃
    この主人公、こわーw何この映画、サイコホラーなの?
  • 0:42:25頃
    え、何この状況w
  • 0:49:10頃
    ASMRかよ。静かな映画過ぎて、炭酸の弾ける音さえ心地よく聞こえる。
  • 1:01:45頃
    ふと気がついたけど、BGM一種類しかなくね?
  • 1:03:25頃
    お。ここから物語がさらに発展するのか。BGMが追加された。
  • 1:08:25頃
    主人公の頭の中がなかなか見えてこない。これどうなっていくんだろう。未だに何か起こりそうで起こらない。先が読めないな。
  • 1:09:15頃
    不器用ステップw何を見せられているのかわからないダンスで笑ってしまう。
  • 1:14:00頃
    ほほう。こういう装置なのか。プールにビニールシートかぶせてるのどうやってやってるのか疑問だったんだ。
  • 1:16:10頃
    途端にミステリーっぽくなってきた!
  • 1:16:55頃
    あ!チャオだ。この自転車みたいなバイクいいよなぁ。
  • 1:19:30頃
    え!?すげーミステリーっぽくなってきた!!不思議な雰囲気の映画だ。
  • 1:22:50頃
    まじかよ…。狂気的な映画だったんだな。
  • 1:30:10頃
    急にこの主人公がすごい思いやりに富んだ人間に見えてきた。
  • 1:34:55頃
    この展開は想像していなかった。すげーな。
  • 1:37:00頃
    主人公、かっけー!!
  • 1:37:40頃
    え…。え…?こわーっ!なにこれ!鳥肌がすげぇ。

スイミング・プール – オチ・エンディング・ラストの感想・考察

ねたばれ

ここから先はネタバレを含む場合がございます。まだこの作品を観ていないあなたはこのままページを閉じるか、覚悟の上でお読みください。

by シネマネオン


ここから

いやー、1時間42分と比較的短い系の映画でしたが、とにかくラスト30分。目が離せない展開でした。

ここまでどんな展開になるのか想像出来ないフワフワした雰囲気の映画も久しぶりに観たんじゃないかな。

サラの方がジュリーを殺してしまうのかと思いきや、ジュリーが人を殺してしまうし、ジュリーの母親の原稿がまさか残っていたのも想像つかなかったし、それを元にサラが名作をかきあげて、ジョンを見返すみたいなかっちょええ!というラストかなと思った頃に、最後のどんでん返し。

会社に入ってきた、若い娘さんの名前はジュリアで、サラの方に見向きもしない。ジュリーとは明らかに別人。サラはそれを遠目でみて、なんとも言えない表情を浮かべる。

僕はこれを観た時に、えええ!!もしかして、ジュリーって熱狂的なストーカーだったの!?こわー!!ってまず先に思いついて鳥肌が立ったんですよ。

でも、その後にサラが別荘の2階からスイミング・プールに入ってこっちに手をふるジュリーを見下ろしているシーンがカットインしてきて。サラは今までのキャラではそんな事するか?って感じで手をにこやかに振り返している。

そのジュリーはパッと見、会社ですれ違ったジュリアで、少し立つとジュリーに戻ってる。

野口明人
野口明人
こ、これはサラの妄想だったのか?どこからどこまで妄想だ?ん?んん!?

と観終わった瞬間からすぐにもう一度見たいという衝動に駆られましたね。

それで2回目を観てみると、意外と細かい所に気を使っているシーンが多いんですよね。

ジュリーがジョンから電話を受けて、叱られちゃったって言いながらサラに電話を渡すシーンでは、サラが電話に出てみると、電話がキレた状態だったり。

なんて事なく見逃していたシーンが意外と伏線っていうほどでもないけれど、伏線のように作り込まれている。

この感覚は『シックス・センス』を初めて観たときのような感じでした。

ちょっと視聴者に丸投げのような感じがしないでもないラストでしたが、

鍵を渡したくありません。もちろん自分の意見はありますが、結末は謎のままにして、観客各人が思うようにしておきたいのです。観客が自分自身の映画を作ることが出来る映画なのです。

とindieWIREのインタビューに答えたらしいので、これは意図してこういう感じの映画を作りたかったのでしょう。

僕は小説を読むことが多いのですが、小説ってそういう終わり方の作品が多いので、なんか観ていて小説的で珍しい不思議な雰囲気を持つ、良い映画だなと思いました。

誰かと結末についてあれこれ議論を交わせる映画って良いよね!

シネマネオン
シネマネオン
これがネタバレだと言うのか…!?

スイミング・プールのような映画・似てる作品・おすすめ

ゆれる
4.0

公開日:2006年05月24日
ジャンル:犯罪映画, ヒューマンドラマ映画
監督:西川美和
主演:オダギリジョー, 香川照之, 伊武雅刀

館見
館見
レビュー内でも書きましたが、視聴者が観ている映像がすべて真実なのかどうかなのかわからなくなる邦画『ゆれる』です。洋画好きな僕ですが、邦画も面白えなー!と思わせてくれた作品なので観たことなければぜひ。香川照之怖え…でもすげぇ!ってなる映画ですよ。

レビューまとめ

映画まとめ

ども。野口です。

正直に言うと、最初この映画を観た時に僕の頭では勝手な勘違いが起こっていて、これはスティーブン・キングの原作の映画だよなって思っていたんです。

ミザリー』っていう作品がありまして、あれも確か作家が主人公なんですよ。熱狂的なファンに監禁されるみたいな。

その作品のイメージを持ったまま観始めたので、なんとなくふわふわしてるなー。どっちかって言うと作家の方が狂気に満ちているんだけどなぁーなんて思いながら観てました。

そして事件が起こった時に、一度映画を一時停止して、スイミング・プールをWikipediaで調べてみたんです。すると全然スティーブン・キングとは関係ない作品じゃない事に気がついて。

それでもすでにその頃にはサラの魅力に惹き込まれていたんですよね。

最初は不満をもろに表情に出すおばさんだなーって笑って見てたら、朝からお酒を飲んでいるし、コカコーラライトとかノンカロリーヨーグルトしか食べない変なおばさんで。

しかも、服装は微妙にダサいし、ジュリーに対する嫌がらせも、ワインをちょこっと飲んでそこに水道水を入れて薄めるみたいな変な行動で笑ってしまい。

そんなサラが徐々にジュリーと仲良くなって来て、最後のパリッとしたスーツでバシーンと編集長のジョンに本を叩きつけるシーンでは、サラも成長したなぁ〜、これはサラの成長記録の映画だったんだなぁ〜と。

そう思った頃に、突然のどんでん返し。

いや、どんでん返しと言ってしまうと、そういう映画を期待してしまう人を裏切ってしまうような内容な気もしてくるので、あまりどんでん返しのハードルを上げたくないのですが、とにかくラストにびっくりして。

それで『ミザリー』を思い出して、うわー、ジュリー怖っ!って思ったら実はどうやらそうでもないらしい。

色々な人のレビューを読んでみると、人によってこの映画の解釈が全然違うんですよ。

そこでもう一度見直してみると、たしかにこれは色々な事が想像出来るラストだなと。色々と作り込まれているシーンがあるんですよね。観る人によって解釈が変わってくる映画。

そういう映画を良しとしない人もいるので、誰にでもおすすめ出来る映画ではない気もしますが、僕はぜひとも友人などに勧めたい映画になりました。

全体的に静かな雰囲気も楽しめる映画ですし。強烈なSEで驚かせるホラーみたいなのもいいですけど、なんとなく意味を想像して、ゾッとするこういう静かなミステリーも好きです僕は。

まぁ、ミステリーって言ってしまうとまたハードルが上がってしまって観る人の期待を裏切ってしまう気もするのですが。

という事で良ければ、何の偏見も持たずに『スイミング・プール』を観てみて、色々と楽しんでいただけると嬉しいです。

ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。

野口明人

あ、最後に『スイミング・プール』のレビュー点数です↓

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スイミング・プール - 感想・評価

スイミング・プール
3.9

公開日:2003年05月21日
ジャンル:犯罪映画, ヒューマンドラマ映画, ミステリー映画
監督:フランソワ・オゾン
出演:シャーロット・ランプリング, チャールズ・ダンス, リュディヴィーヌ・サニエ

スイミング・プール
  • ストーリー - 82%
    82%
  • キャラクター - 89%
    89%
  • 演出 - 87%
    87%
  • 映像 - 81%
    81%
  • 音楽 - 80%
    80%
84%

映画レビューまとめ

独特なキャラクターもさることながら、ストーリーもどうなるのだろうと徐々に作品に惹き込まれていきます。音楽はほぼ皆無に等しいけれど、時折流れてくる静かなBGMが奇妙なムードを盛り上げてくれます。個人的にはほぼ不満点が見当たらない映画でしたが、万人に勧めるのは、うーんと考えてしまう内容です。大人なシーン多めなので出来れば一人で観てね。

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スイミング・プール_フランソワ・オゾン
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