エターナル・サンシャインという映画をご存じでしょうか?2004年に公開されたこの映画は、アメリカの人気脚本家チャーリー・カウフマンが参加し、アカデミー脚本賞を受賞した作品です。
ではどんな話なのかと言えば、記憶除去手術というのがあって、喧嘩したカップルの片割れが記憶を消しちゃうんですね。
それで全く自分のことを覚えていないかのようにふるまう恋人に戸惑い、記憶を消したことを知ると、自分も記憶を消すことを決意するんだけれども…っていうね。
ぶっちゃけこの映画、随分と前に観たんですよ。ジム・キャリーが好きなので。
ただ、今回改めて観てみたら「あれ!?こんなに難しい映画だったっけ!?」って思ったんですよね。
ということで、そんな映画『エターナル・サンシャイン』についてレビューしていきたいと思います。
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映画『エターナル・サンシャイン』 – ストーリー
公開日:2004年03月19日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, 恋愛映画, SF映画
監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ジム・キャリー, ケイト・ウィンスレット, トム・ウィルキンソン
ネタバレ注意『エターナル・サンシャイン』のあらすじまとめ
2004年、バレンタインに思うこと。今日はグリーティング・カード会社が作った、不愉快な祝日だ。ジョエルは会社をサボり、モントークの浜辺に向かった。
彼はそこでクレメンタインという女性を見かける。その後入ったファミリーレストランでもその女性を見かけ、帰りの電車の中でもその女性を見かけた。そしてそのクレメンタインという女性はジョエルに興味を持ち、電車の中で話しかけてきた。
ジョエルは少しでも自分に興味を持ってもらえるとすぐに恋に落ちてしまう。クレメンタインは髪の毛を青色に染め、よくしゃべった。電車を降りた後、彼は車で家まで送ると提案し、彼女はその提案にのった。
車内で話しているうちに二人は不思議なほど息が合い、彼女は家に着くと家でお酒を飲まない?と提案する。ジョエルはその提案にのり、家に上がりこむ。
一気に距離を縮めた二人は次の日、凍ったチャールズ川の上でデートをした。氷の上に寝そべり夜空を見上げた、その空は息を呑むほどの絶景であり、二人は星座について語った。
朝方、車でクレメンタインを家まで送っていくとジョエルの家に泊まりに行くといい、準備をしてくるから待っててと家に戻っていった。その待っている間、ジョエルは短髪の変な男に話しかけられるが何のことだかわからない。
そしてそこから回想が始まる。
バレンタインを迎える数日前、ジョエルは恋人のクレメンタインと喧嘩してしまう。謝りたいと思い、プレゼントを持ち彼女の職場に向かうとクレメンタインはジョエルのことなんてはじめから知らなかったような顔で対応した。それだけでなく、クレメンタインにはすでに彼氏もおり、目の前でキスをしている姿を見せられる。
その出来事を友人に告げると、彼女はラクーナ社という会社でジョエルの記憶を消す手術を受けており、ジョエルのことは完全に忘れてしまったのだという。その話を聞き、ショックを受けたジョエルは、自分もクレメンタインに関する記憶を消す手術を受ける決意をする。
手術の仕方はクレメンタインに関する全てのものを身の回りから消し、眠っている間に頭に機械を取り付け、ひとつひとつの記憶を振り返りながら消していくというもの。一種の脳障害に近い現象を脳に起こさせるのである。
早速家に帰り、睡眠薬を飲むとジョエルは眠った。そしてラクーナ社の若者二人が彼の部屋に入り装置を取り付ける。
まずはラクーナ社に記憶を消しに依頼した記憶が消される。次に最後にクレメンタインと出会い喧嘩別れをした記憶が消され、徐々に記憶が消されていく。
その作業の中で、ジョエルはクレメンタインの記憶が消されていくことに恐怖を覚え、記憶を消されないように必死で抵抗するようになる。さらに無意識の中で聴こえてくる声、作業中のラクーナ社の社員の声も聞こえるようになり、クレメンタインがラクーナ社の社員と付き合っていることも知る。
しかし、作業は次々に進められていき、ジョエルの記憶は完全に消されてしまったのである。
回想シーン終了。
そして、バレンタインの日。彼は再び偶然にクレメンタインと出会い、恋に落ちていく。クレメンタインがジョエルの家に向かう準備をしてくるからと一度家に戻ったとき、彼女はメアリーという女性からひとつの小包を受け取る。
その中に入っていたものはひとつのカセットテープ。
その内容は…
『エターナル・サンシャイン』の名言
「無口なの?」「退屈な人生だから、話のネタがない」
『エターナル・サンシャイン』のおすすめポイント
時間軸が飛び飛びで記憶の中の話や現実の話などでごっちゃ混ぜになって理解しにくい内容になっているが、理解できると非常に凝ったつくりの映画。
ジム・キャリーの真面目な演技も見ごたえがある。
『エターナル・サンシャイン』ってこんな映画だったっけ?
エターナル・サンシャインを最初に見たのは大学生の頃。もうだいぶ前のことなんですが、あの頃はとにかくたくさんの映画を観ること夢中になっていて、ひとつの映画を味わうことなんてあまりしなかったんだと思います。
だから一度観たはずなのに、今回映画を観ても一回じゃこの映画の内容が理解できず、何度も繰り返し観ました。
あぁ、こういう話なのか!と理解できたときに思ったのは、この映画は『メメント』みたいに記憶を振り返っていく系の映画で、その流れを理解していないと難しい映画なのです。
特に感動したという映画ではなかったし、涙も流れませんでしたが、その映画の演出に胸が躍りました。とにかく演出が凝っている映画なのです。
それとやっぱり、真面目な演技をしているジム・キャリーも良いですね。
監督のミシェル・ゴンドリーはジム・キャリーには全くアドリブをさせなかったらしいです。いつもアドリブで生き生きしているジム・キャリーとのギャップでものすんごいシリアスが引き立っていました。
逆に恋人役のケイト・ウィンスレットは出来る限り自由奔放にアドリブをさせたのだとか。
監督の手腕が光るこだわりの演出ですね。
いつも光っている人が暗くなるとより一層暗く見え、そこへ光り輝く空間を連れ込んでいくと、暗闇はさらに深く、光はもっと輝きを増す。
そんな空気感でした。
映画『エターナル・サンシャイン』 – まとめ
ラブストーリーとしては微妙かもしれないですが、演出の凝った映画としてはそれなりに楽しめると思います。それと『エリザベスタウン』で大絶賛したキルスティン・ダンストも地味に魅力的です。
つまりは、一度は観ておいてもそんはない映画だということです。まぁ、無難な映画であることは間違いありません。一度観ただけじゃ理解出来ない、何度も繰り返し見たくなるスルメ映画だと思います。
ただ、出来れば心の体力がある時がおすすめです。
なぜだか、心擦り切れました。
あ、ちなみに原題は『Eternal Sunshine of the Spotless Mind』で「染みのない心の永遠の輝き」って感じですかね。
染みのない心…。僕はもう、純粋さを失っちまったのかもしれない。
ではでは、そんな感じで、『エターナル・サンシャイン』でした。
エターナル・サンシャイン - 感想・評価
公開日:2004年03月19日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, 恋愛映画, SF映画
監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ジム・キャリー, ケイト・ウィンスレット, トム・ウィルキンソン