『インセプション』クリストファー・ノーラン監督は天才だ…

インセプションという映画をご存じでしょうか?この映画でも取り上げた『メメント』や『バットマンシリーズ』の監督として有名なクリストファー・ノーラン監督が2010年に発表したSF映画です。

この『インセプション』という映画、人間が寝ている間に見る「夢」を舞台に展開されるSFアクションなのですが、構想期間がなんと約20年なんだそうで、ものすごく考えられた設定と、観ていて驚かされる映像美、そしてハラハラが続くアクションというトリプルパンチの魅力がすごいです。

ちなみに主役はレオナルド・ディカプリオですが、渡辺謙もメインとして出ています。その影響か、日本の美しい風景なども撮影されています。

こんな感じのSFがあるとは…。『メメント』といい、この映画といい、クリストファー・ノーランは何度も観たくなる映画を作る天才なんだな。

ということで映画『インセプション』のレビューをしていきたいと思います。

スポンサードリンク

映画『インセプション』 – ストーリー

インセプション
4.3

公開日:2010年07月13日
ジャンル:アクション映画, 冒険映画, SF映画
監督:クリストファー・ノーラン
出演:レオナルド・ディカプリオ, ジョセフ・ゴードン=レヴィット, エリオット・ペイジ

夢のなかに潜入し、アイディアを盗み取るスパイ。そんな彼の元に危険な依頼が舞い込む。一度は断るものの、ある事情から彼は優秀な仲間たちを引き連れ、挑むことになる…。

ネタバレ注意『インセプション』のあらすじまとめ

主人公コブはある特殊な仕事をしていた。それは人の夢の中に入り込み情報を盗むというもの。そんな彼の元にとある巨大企業のトップであるサイトーが仕事を依頼してきた。その内容はサイトーのライバル企業を解体させる為にライバル企業のトップの息子の夢に忍び込み、そのアイディアを植え込む(インセプションする)事。

かなり難しい仕事であるため、最初は断ったコブであったが、サイトーがコブの最大の望みである、犯罪履歴を消すことを提案するとコブは依頼を引き受けた。コブはその昔、妻殺害の容疑がかかってしまい、子供が住む国へ帰れないでいることをずっと悩んでいた。子供の元へ帰れるのなら何でもする。

コブは古くからの相棒であるアーサーとともに計画を練り、夢の中の世界を構築する「設計士」のアリアドネ、夢の中で他人に成りすますことが出来る「偽装師」のイームス、夢から簡単に覚めないような薬を調合することが出来る「調合師」のユスフを仲間にした。

そして5人とサイトーを含んだ6人は飛行機の中で作戦を結構。あらかじめ航空会社を乗っ取ったサイトー。乗客はターゲットであるロバート以外ほとんどグル。その飛行機の中でロバートとともに夢に入り、いよいよロバートへのインセプションが始まる。

『インセプション』のおすすめポイント

野口明人
何度も何度も繰り返し見ればみるほど、この映画の構造を理解することが出来、楽しめる。一度目よりも二度目、二度目よりも三度目の方が面白く感じる映画というのも珍しいと思う。

理解するまでに30分ぐらいかかる

『インセプション』は場面が入れ代わり立ち代わり、時間軸ぐちゃぐちゃで始まるので意味を理解するまで時間がかかると思います。

まず、ラストシーンから始まります。そしてすぐに回想シーンになり、その回想シーンからラストシーンまで順に追っていく感じになるんですが、場面が二転三転します。

というのも現実と夢の世界の二場面というのならよくあると思うんですが、夢の中でさらにまたその夢を見る事があり、そしてさらにまた夢を見ることがあります。つまりはエレベーターのように夢の階層が存在し、その分だけシーンが切り替わるのです。

そういうシステムがこの映画の中で存在しているんですよ~っていう説明を開始30分ぐらいにコブが新人のアリアドネにしてくれます。そこでようやくこの映画を観ている視聴者は理解するのです(いや、余計パニックになって置いてけぼり食らうかもだけど…)

なので、最初は意味がわからなくても観ていてください。このシステムを理解するとすごく面白いです。

さらにドラゴンボールの精神と時の部屋のように現実の世界と夢の中の世界は時間速度のズレがあります。現実の5分が夢の1時間になる。そしてその夢の中の夢ではさらに時間がのびる。この時間のズレをうまく利用してこの映画をスリリングでありながらタイムリープもののような現実世界への収束の見事さをも生み出しています。

つまり、この映画は設定演出がすごく凝っている映画なのです。この構造を考えたやつ、天才です。でも天才がゆえに凡人がその設定演出を理解するのに時間がかかってしまうのは仕方がないこと。

何度も観て、理解したときにはじめて、面白さが倍増する映画です。

映画『インセプション』 – まとめ

すごく面白い。はっきり言ってすごく面白い。クリストファー・ノーラン監督の他の作品の『メメント』も何度も見直したくなるリバース・ムービーだったけど、この映画も間違いなくリバース・ムービーです。

まぁ、登場人物のキャラ付が若干薄い気もするけど、その分、演出が光っている。

この人、本当に映画の見せ方が面白い。理解するまでにちょっと時間かかるから途中で折れる人もいて、万人受けはしないかもしれないけど、わかりにくい内容を観終わった後にわかりやすくひも解いた状態で提示し、もう一度観たくなるように映画を作る。

そして、ラストも実にどっちとも取れるように作られているのだからやっぱり繰り返し観たくなる。

一回観てそれで満足っていう映画もあるし、何年後かにもう一度観たくなる映画もあるけれど、この人の映画は観終わった後すぐに3、4回は見直したくなる。

そういう映画を作れるクリストファー・ノーランはすごいと思う。

ちなみに、冒頭で「バットマンシリーズで有名な」って書きましたが、バットマンシリーズを見たことがないので、時間を作っていつか『ダークナイト』を観てみたいと思います。

ではでは。『インセプション』のレビューでした。

あ、

『(500)日のサマー』に出ていたジョゼフ・ゴードン=レヴィットは今回、ディカプリオの相棒のアーサー役で出ているけれど、最初はジェームズ・フランコという違う役者さんがやる予定だったみたいです。

でも、今回はジョゼフ・ゴードン=レヴィットで正解でしょう。彼のアクションが一番すごいと思いました。いい味出てるわぁ。

それと、吹き替えの声優さんが結構僕好みの人達ばかりだったので嬉しかったです。にしおかすみこも出てるよ。にしおかすみこは渡辺謙の指名なんだってさ。


インセプション - 感想・評価

インセプション
4.3

公開日:2010年07月13日
ジャンル:アクション映画, 冒険映画, SF映画
監督:クリストファー・ノーラン
出演:レオナルド・ディカプリオ, ジョセフ・ゴードン=レヴィット, エリオット・ペイジ

インセプション
  • ストーリー - 90%
    90%
  • キャラクター - 65%
    65%
  • 演出 - 95%
    95%
  • 映像 - 95%
    95%
  • 音楽 - 75%
    75%
84%

映画レビューまとめ

アクションとしてもSFとしてもすごく面白い。コンセプトから成功している映画だ。

Sending
User Review
0 (0 votes)
いいね!を貰えると勇気が出ます