アンドリューNDR114_クリス・コロンバス
アンドリューNDR114 - 映画情報
  • 公開:1999/12/17
  • 監督:クリス・コロンバス
  • 出演者:ロビン・ウィリアムズ, エンベス・デイヴィッツ, サム・ニール
  • 製作国:アメリカ合衆国
  • 上映時間:2時間12分
MOVIE REVIEWS

アンドリューNDR114という映画をご存じでしょうか?『グレムリン』や『グーニーズ』などで脚本を務め、監督としても『ホームアローン』や『ハリー・ポッターと賢者の石』などを大ヒットさせたクリス・コロンバス監督の1999年の作品。それが『アンドリューNDR114』です。

原作は三大SF作家の一人アイザック・アシモフの『バイセンテニアル・マン』で、海外では『Bicentennial Man』というのが映画タイトルです。

まぁ、Bicentennialという英単語があまり日本人には馴染みがないので、アンドリューNDR114としたのでしょうが、Bicentennialとは「200年にわたる」「200年記念日」という意味です。

バイリンガルのバイ(2つの)にセンチュリーのセンテニアル(100年目の)の複合と考えればわかりやすいでしょうか。

では200年目って何から?って話なんですが、この小説が書かれたのは1976年。アメリカ合衆国の建国が1776年なのでアメリカ建国200周年の記念にアイザック・アシモフが『200歳の男』という小説を書いたということです。

それは日本では『聖者の行進』という短編集に収録されているんですが、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞と数々のSF小説の文学賞を受賞していてロボットもののひとつの境地とも言われているのです。

そんな原作を映画にしたのが映画『アンドリューNDR114』なのですが、Amazonじゃやたらと評価が高い。僕が一番好きな俳優さんのロビン・ウィリアムズ主演だし、観てみようじゃないかと再生してみたのですが…

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映画『アンドリューNDR114』 – ストーリー

アンドリューNDR114
4.6

公開日:1999年12月17日
ジャンル:コメディ映画, ヒューマンドラマ映画, SF映画
監督:クリス・コロンバス
出演:ロビン・ウィリアムズ, エンベス・デイヴィッツ, サム・ニール

自我を持ったアンドロイドロボットが、自分と同じように自我を持つアンドロイドに出会うために旅をしたり、より人間らしく近づくためにはどうしたらいいか試行錯誤する話。

3分でわかる『アンドリューNDR114』の詳しいあらすじ(ネタバレあり)

今より近い未来の話。人型の家庭用お手伝いロボットが大量に製造されていた。この物語の主人公、アンドリューもそんなアンドロイドの一人。ロボット工学三原則に基づき、プログラムされた通りに動き、家事の手伝いや掃除などを行い、人間を助けていた。

しかし、そんなアンドリューはある日、マーティン家の幼い娘リトルミスの為に自発的に木彫りの馬の彫刻を作ってあげる。これは先日、リトルミスが大切にしていたガラスの馬の彫刻をアンドリューが壊してしまったお詫びなのだが、家の主人はこのアンドリューの自発的な行動に他のロボットとは違う個性を見つけ、アンドリューを教育する。

毎日主人と話をし、教養を覚え、書物から知識を得、創作活動として時計を制作する。

徐々に自我に目覚めていくアンドリュー。制作した時計を売って自分の口座に資金を蓄えていたアンドリューは、そのお金と引き換えに主人に自由が欲しいと懇願する。驚いた主人だったが、お金は受け取らずにアンドリューの願いを受け入れ、アンドリューは家を出て自分の家を持つことになる。

時間は過ぎていき、自分を大事にしてくれていた主人が亡くなってしまう。アンドリューに恋心を覚えていたリトルミスも結婚し、子供を作っていた。周りが変わっていく環境の中で、アンドリューは自分と同じ自我を持ったアンドロイドを探すため旅をする決意をする。

その旅先でボロボロに壊れて捨てられている仲間などを見つける。書き上げたリストをしらみつぶしに探し回り、結局自分と似たように自我を持ったアンドロイドはいないのかと諦めていたアンドリューだったが、リストの最後で自分と同じように自我を持ったように見える女性型アンドロイド、ガラテアを見つける。

しかし、彼女は自我を持っているのではなく、人格チップのスイッチがオンになっていただけだった。それを知ってがっかりしたアンドリューだったが、その場所で出逢ったアンドロイド開発チームで働いていた父の遺志を引き継いだ男ルパートと出会う。彼はアンドロイドに人間そっくりな顔をつける研究をしており、アンドリューはそのアップデートを自分に施してくれとお願いする。

人間そっくりな顔に生まれ変わったアンドリューは旅を終え、リトルミスの住む家に向かう。家に着くとリトルミスがピアノを弾いていた。リトルミスは知らない人間が家の中に入っていることにびっくりする。アンドリューは急いで、自分がアンドリューだと伝えてもリトルミスは自分を認識してくれない。そこへ、年老いたリトルミスが登場する。

アンドリューがリトルミスだと思っていた若い女性はリトルミスの孫のポーシャだった。アンドリューが旅をしている間にも時間は過ぎ、リトルミスはすっかり老婆になっていたのだ。若い頃のリトルミスしか認識していないアンドリューは二人のリトルミスがいることに困惑するが、性格が違うことを理解すると自分をよく知ってくれている老婆のリトルミスを本物と認めた。

しかし、また時間は過ぎ、そのリトルミスさえも死んでしまった。自分の大切な人が次々と死んでいく。自分と話してくれる人が減っていくことに困惑したアンドリューは孫のポーシャの元へ度々足を運ぶことになる。

そこでアンドリューはポーシャから人間とはどういうものなのかを学び、さらに人間に憧れ、ルパートとともにさらなる改造を施し、人間の心や感触、痛覚などの神経系器官を手に入れる。

人間の心を手に入れたアンドリューはポーシャと恋に落ち、ともに生活するようになる。セックスも行い、食事もとれるアンドリュー。何もかも人間とそっくりなアンドリューはポーシャと結婚するために自分を人間と認めるように国家に申請したが、「人間としての遺伝子を持たなず、なおかつ人間とは違い君は死なない。よって、同じ人間として認める事が出来ない」と却下されてしまう。

その後、さらに時間は過ぎ、気が付けばポーシャは75歳になっていた。ポーシャもやがて死んでいく。ポーシャがいなくなっては生きていけないと思ったアンドリューはルパートに頼み、寿命のある体にアップデートしてもらう。

自分の寿命が来そうなとき、アンドリューはもう一度国家に申請を出す。今度は人間として認めてほしいのではなく、自分の存在を認めてほしいと。それが人間としての尊厳だと。

200年間生きたアンドリュー。彼は国家に今まで生きた最長の人間として認められ、ポーシャとの結婚も認められる。しかし、その決定を聞く前にアンドリューの機能は停止していた。

ポーシャも自分の延命装置を切り、二人で静かに眠るのであった。

『アンドリューNDR114』のおすすめポイント

野口明人
野口明人
二転三転する場面展開だが、非常にわかりやすく最後にはちゃんとまとまって、ロボットの一生を描いている所がすごい。

ロボットを通して人間を見つめる

ロボットが人間に憧れ、どこまでも人間に近づいていくという内容の物語は結構多いもので、さして珍しい内容ではありません。しかし、その中でもこの映画は非常にわかりやすく丁寧な作りになっているので観やすいと思います。

ただなぁ…。評価が高すぎるんだよなぁ。

僕の理解が足りないのかもと思ったので、理解出来るまで何度も何度も繰り返し観てみました。字幕で観ては吹き替えで観て、また字幕に戻ってと何度も繰り返し。

でも。それでも。

途中までは非常に面白かったんだけど、何でもアリになって来ちゃってロボットが人間に近づきまくるだけの映画になってしまっている感が否めない。

人間が人間である為に必要なこと。「それは心!」っていう意見がよくよく見られるし、実際この作品のレビューをしているサイトを読んでも、“心の大切さ論”を繰り広げている人が多かったのだけれど、この映画の中で、心を持っただけではアンドリューは国家に人間である事を認めてもらえなかったしなぁ。

心を持っていない人間は世の中に多数いるけれど、じゃあその人がロボットなのか?と言うと人間だし、人間とロボットの違いは心のあるなしであるっていう意見は違うのでは?と思う。

そして、次の議題であがった死ぬ死なないについても、死ぬロボットは人間なのかっていうとやっぱりそこも違うし。結局問題点は人間が「グループを大切にしがちな生き物」な点ではないか?と思う。

ロボットだろうが人間だろうがどっちでもいいじゃないか。男性であろうが女性であろうがどっちでもいいじゃないか。外国人だろうが日本人だろうがどっちでもいいじゃないか。宗教が違おうが無宗教だろうがどっちでもいいじゃないか。日本人の誇りを持てとかそういうグループ意識が争いを生むのではないか?と思う。

自分と一緒のものは認め、違うものは認めない。様々なものを区別する事から争いが起きる。

この映画は人間が、右向け右を推奨している事を示唆している映画なんだと思います。左を向いているものを排除する生き物なのです人間は。

…うーん、何が言いたいのかわからなくなったけど、そんなことを考えました。

映画『アンドリューNDR114』 – まとめ

ごちゃごちゃ書きましたが、僕が言いたいことは、人間が人間であるためには心なんです!っていうメッセージをこの映画から受け取って欲しいのではなく、この映画から受け取るべきなのは、“人間とは自分とは違うものを排除したがる生き物なのだ”という事。

この映画、何度観ても沢山のレビューが言うような心を持つことの素晴らしさなんて伝わってこず、人間の排除精神の方がひしひしと伝わってきました。

うん。

たんなる僕がへそまがりなだけかもしれないですが、そんな感想です。

あぁ。病み上がりだからかまとまらぬ。ちくしょう。

ではでは、今日はここまで。『アンドリューNDR114』でした。

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アンドリューNDR114 - 感想・評価

アンドリューNDR114
4.6

公開日:1999年12月17日
ジャンル:コメディ映画, ヒューマンドラマ映画, SF映画
監督:クリス・コロンバス
出演:ロビン・ウィリアムズ, エンベス・デイヴィッツ, サム・ニール

アンドリューNDR114
  • ストーリー - 65%
    65%
  • キャラクター - 55%
    55%
  • 演出 - 55%
    55%
  • 映像 - 70%
    70%
  • 音楽 - 65%
    65%
62%

映画レビューまとめ

名作というほど名作ではないと思うが、途中までは確かに面白い。

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2.5 (2 votes)
アンドリューNDR114_クリス・コロンバス
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