- 公開:2008/05/24
- 監督:内田けんじ
- 出演者:大泉洋, 佐々木蔵之介, 堺雅人
- 製作国:日本
- 上映時間:1時間42分
アフタースクールという映画をご存知でしょうか?監督は、前回レビューした『鍵泥棒のメソッド』と同じ内田けんじ監督です。2008年の作品なので、『鍵泥棒のメソッド』の4年前の作品になりますね。
『鍵泥棒のメソッド』は演出と脚本をべた褒めしたのですが、今回の『アフタースクール』にはにはやられました!!シックスセンスを観た時以来の騙された感で爽快!
勝手に堺雅人週間と称して『クヒオ大佐』『南極料理人』『鍵泥棒のメソッド』と見てきましたが、今回もTwitterで教えてもらった映画です。
しかも、出演陣が大好きな大泉洋と佐々木蔵之介と堺雅人!もう大好き過ぎる俳優さんで面白くないわけがない。
…なんて思っていたのにいざ観始めるとどうやら流れが怪しくなってきた。
しかし。
ということで映画『アフタースクール』のレビューをしていきましょう。
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映画『アフタースクール』 – あらすじ
さて、「いざ観始めるとどうやら流れが怪しくなってきた」と最初に書きましたが、どういうことかといえば堺雅人演じる「木村」というエリートサラリーマンは一番最初に出てきた限りで全然出てこないのです。
やばい。これは桐島状態。「桐島、桐島」と名前だけが出てくるだけで全く登場しない『桐島、部活やめるってよ』があまり僕に刺さらなかったので、ちょっと嫌な感じがしていたのです。
あらすじ的に、消えた「木村」を探しに探偵役の佐々木蔵之介と先生役の大泉洋がメインで動き回る話。
…だと思っていました。
映画『アフタースクール』について
ここから先はネタバレになってしまうので、詳しくは言えませんが、前回観た『鍵泥棒のメソッド』はすべての演出が意味を持っていてすんばらしかったと絶賛したんですが、今回も一緒です。
それはまるで伊坂幸太郎の小説を読んでいるかのように物語の途中からがらっと流れが変わります。だ、だまされた!!その爽快感たるや、点数をつけられないぐらいあっぱれ。
この映画はDVDで観たんですが、副音声で内田けんじ監督と大泉洋のオーディオコメンタリーが付いています。一度本編をすべて観終わった後にこの二人のオーディオコメンタリーでの解説を聴きながら観るとこの映画の奥深さがわかります。
『ゆれる』の映画でわかったことですが、「映画というのは、映像から理解する事象は実はすごく不安定なものだ」という事です。
ひとつの映像から、こういう事ことねと頭で理解していたことが、音声を加えるだけで全く違う意味だったという事があり得るのですな。
まぁ、この映画のラストらへんのシーンを観ていただければ僕の言いたい事がわかると思います。
この時、この人はなんて思っているんだろうな。と思いながら映画を観る事がこんなに映画を面白くしてくれるなんて知らなかったです。
大泉洋が演じた学校の先生が今は何を思っているんだろうと思いながら観るだけで、この映画を初見で観た時の印象とは全く別の印象が頭に生まれます。
つまりは。
この映画は、「映画を百倍楽しめる方法」みたいなものを教えてくれる映画なのです。
うん。
映画『アフタースクール』 – まとめ
ラストに種明かしをする映画と言えば、最近では『ユージュアル・サスペクツ』を観ましたが、あれよりも僕はこっちの映画の方が好きです。
それは多分僕の好みがコミカル系な映画だからだと思うのだけれど。
種明かしして、ほら騙されたでしょ?で終わる映画よりも、ほら騙されたでしょ?でも、なんか笑えるでしょ?みたいな視点を変えるだけでちょっと幸せになれる映画なんですよこれは。
その点で「ユージュアル・サスペクツ」よりもおすすめです。
はい。
ぜひぜひ一度観終わった後に、登場人物からセリフから何から何まで細かく観返して観てください。内田けんじ監督天才ですよ。小説ならミスリードを誘う作品ってありますけど、映像でも出来るんですね。面白い。
やっぱり、映画って出演者も大事ですけど、制作陣も大事なんだな。『鍵泥棒のメソッド』と『アフタースクール』の二作品で一気に内田けんじ監督のファンになりました。
そんな感じです。
あ、大泉洋と内田けんじ監督のオーディオコメンタリーはラジオみたいな感じで笑えるので、機会があれば全部聴いてみてもらいたい。
それとエンディング歌っているmonobrightはカウントダウンジャパンでみたけど、やっぱり良いよ。PVの監督を内田けんじ監督がやっているらしい。
ではでは。
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