アイデンティティーという映画をご存じでしょうか?2003年のアメリカ映画なんですが、これがまたすごいのです。
正直、これを観ながら犯人がわかったあなたは天才だと思います。それぐらい犯人が誰だかわからないミステリー映画なのです。
死刑囚マルコム・リバースの死刑執行前夜。マルコムの日記が見つかり、再審理が行われることになります。
「階段を上ってたら また会った姿のない人に そこにはいない人に どうか 僕の前から消えてくれ」
はたして、あなたに映画『アイデンティティー』の犯人を言い当てることが出来るでしょうか?
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映画『アイデンティティー』 – ストーリー
公開日:2003年04月25日
ジャンル:ミステリー映画, スリラー映画
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ジョン・キューザック, レイ・リオッタ, アマンダ・ピート
ネタバレ注意『アイデンティティー』のあらすじまとめ
階段を上ってたら また会った姿のない人に そこにはいない人に
どうか 僕の前から消えてくれ
死刑囚マルコム・リバースが作った詩だ。マルコムは連続殺人犯で明日にも死刑が執行される。しかし、その前夜、マルコムの日記が見つかり、再審理が行われる。
一方、時は変わって大雨の中、タイヤがパンクしてしまったため、車の修理をする夫ジョージとそれを見守る妻アリス。妻は特にやることもないので、車の中で待っている息子ティミーを見守っていると、突然アリスに車が衝突してきた。
その車に乗っていたのは元女優カロラインとその運転手エド。カロラインは逃げようとしていたが、責任感の強いエドは車を降り、様子を見に行くとアリスは気を失い首から血が流れだしていた。
ケータイで救急車を呼ぼうとしたが、ケータイの電池は切れており、エドは車にその家族を乗せ、近くのモーテルに連れて行った。しかし、そこでも電話は使えず、エドは誰かの助けを探しに車で出かけていく。
その途中、雨で事故に合った娼婦のパリスを拾う。さらに、その場所に通りかかった結婚したばかりのルーとジニーに出会うが、彼らもケータイを持っておらず、暴雨の中立ち往生しており、結局その4人はモーテルに引き返し泊まることになった。
エドが出かけているうちにモーテルには新しい客人が訪れる。それは殺人犯を輸送中の警察官のロードと、囚人のロバート。彼らもこの雨の中身動きが取れなくなり、仕方なくモーテルに来たのだという。
こうして集まった、10人の客人とモーテルの支配人であるラリーを合わせた11人はモーテルで不思議な一夜を過ごすことになる。
事件はカロラインの殺人から始まった。
エドは応急処置として、見よう見まねで裁縫道具を使ってけが人のアリスの首を何とか裁縫していると、異様な音に気がつく。
その音のするコインランドリーに向かうとなんと、カロラインの顔だけが音を立てて、乾燥機の中で回っていた。
その場に駆けつけたロードとラリー。ロードは一番最初に自分が連れてきた囚人ロバートを疑い、自分の部屋のトイレにつながれているはずの場所に行ったが、そこにはロバートの姿はなかった。
囚人が脱走した。みんなを集め、状況を説明する。パニックに陥る人々を静かにさせ、警察官のロードと元警官だということがわかったエドは脱走したロバートを探しに行く。
その間に第二の殺人が行われてしまう。パニックに陥った新婦のジニーは、こんなところにはいられないと部屋に戻った。彼女を追って新郎のルーは部屋に戻る。
トイレにこもっていたジニーを説得しようとルーはドアをバンバンと叩いていたが、やがてその音は聞こえなくなってしまう。
恐る恐る扉を開けるジニー。そこには全身血まみれで死んでいるルーがいた。ジニーの叫ぶ声を聞き、集まる一同。ちょうどその時、脱走したロバートをロードは捕まえ、再び鎖につないだ。
犯人は捕まった。犯人の見張り役としてモーテルの支配人のラリーが選ばれたが、そこで再び殺人が行われる。今度は囚人のロバートが殺されていたのだ。
早速疑われるラリー。興奮したラリーはパリスを人質に取り逃げ出そうと車で脱走をはかる。その走路に偶然居合わせた息子のティミーをかばって、父親のジミーはラリーが運転する車にはねられ死んでしまった。
ラリーはその場で押さえつけられ、縄で縛られた。ラリーに事情を聞いたがどうやらラリーは犯人ではないらしい。しかし、その話を信じないロード。少しでもおかしな行動をとったら誰であろうと撃ち殺す。
その指示に従い、残ったみんなはひとつの部屋に集まり、時間が過ぎるのを待っていた。その間に映画で似たような状況があるのを思い出し、ここに集まったみんなにも同じような共通点がないものかと話し合っていた。
ふと、ロードが怪我で寝ていたアリスが死んでいるのを発見する。その場所には部屋の鍵が置いてあり、どの死体のそばにも番号が書かれた鍵が落ちていることに気がつく。さらにはその番号がカウントダウン形式で数が徐々に減っていることにも。
コレは幽霊の仕業かもしれない。とっさにエドはこんな場所にいるより、女と子供だけでも逃がすことを思いつき、ジニーとティミー、そしてパリスを車で逃がそうとする。
それに気がついたロードは犯人かもしれないと逃がそうとしなかったが、ジニーとティミーが車に乗った瞬間、車は爆発してしまった。
さらに不思議なことに死んだ死体が消えている。
慌てる残された人々は停電してしまったモーテルに何とか明かりをともそうと、いろいろと探しているとパリスはロードの乗ってきた車からとんでもないものを発見してしまった。
それは、囚人の資料。そこにはすでに死んでしまったロバートと、警察官と言っていたロードの資料があった。そして車のトランクには警官だったはずの人の死体が…
…まだまだ話は続きますが、ネタバレしたくはないので大事なところは省いてあらすじ書きました。
実際は、最初に語ったマルコムと言う殺人犯とモーテルの話がクロスして進んでいきます。ちょっとした理由でモーテルのほうしか詳しく書きませんでしたので、続きは実際に映画のほうでお楽しみくださいませ。
『アイデンティティー』のおすすめポイント
よく出来た構成。本当に面白いサスペンスです。
時間軸があっちこっちに行くのでちょっとわかりづらいかもしれないですが、最後まで見れば、あっ、と驚く展開が待っています。
『そして誰もいなくなった』のような
この映画、本当に面白い。久しぶりによく出来たサスペンスを観たなって感じがしました。アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』っていう小説がありますが、それをもうちょっとひねった感じの映画です。
Wikipediaのあらすじを見てしまうと、それがネタバレになってしまって面白さが半減してしまうので、この映画を観る前にはあまり調べないで観ることをオススメします。
なんというか、この映画は二転三転していきます。コイツが犯人かな?とか思ったら、実はさらに裏があってみたいな。モーテルの話だけで一本の映画が作れそうですが、それをマルコムと言う殺人犯の話とクロスさせて見せるところが本当ににくい演出です。
この映画の見所はずばり、観ている最中はハテナ?ん?あれ?って思うことが多くありますが、最後まで見るとそのハテナが全てビックリに変わる所。つまりは全て伏線でそれが最後に回収しきるところにあると思います。
なので、ぜひ何もわからない状態で見てください。調べたりせず観ることがこの作品を一番楽しむ方法だと思います。
映画『アイデンティティー』 – まとめ
こんなに面白いミステリー映画は久しぶりに観ました。今まで見た映画の中では結構上位のランクに位置するミステリーだと思います。
ラストにアッと驚く系だと、今までもいくつか観てきましたが、それらは観ている最中に犯人がわかっちゃって面白さが半減しちゃってしまうこともありました。
ですが、今回の映画は観ているときに「何の話かよくわからない」部分が挿入されるのがポイント。
よくわからん、よくわからん、よくわからん。という具合に映画に引っ張られていって、最後に、あっ!!そういうことだったのか!と一種の爽快感さえ感じさせるラストに感動します。
それぐらい面白い作品でした。
よかったら、ぜひ観てみてくださいませ。解説とか読まないで観たほうが楽しめますので、絶対にWikipediaは観ないでくださいね。なかなかに犯人が途中でわからないタイプの映画だと思います。
ではでは、『アイデンティティー』でした。
アイデンティティー - 感想・評価
公開日:2003年04月25日
ジャンル:ミステリー映画, スリラー映画
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ジョン・キューザック, レイ・リオッタ, アマンダ・ピート