- 公開:2006/10/28
- 監督:新城毅彦
- 出演者:宮﨑あおい, 玉木宏, 青木崇高
- 製作国:日本
- 上映時間:1時間56分
ただ、君を愛してるという映画をご存じでしょうか。2006年に公開された玉木宏と宮﨑あおい主演の邦画です。
「ただ、君を愛してる」と聞くと、一番最初に浮かんでくるのは大塚愛の『恋愛写真』という歌のサビ。
かなり印象的に頭の中に残っているその歌が、まさか今回観た映画の主題歌になっているとは知りませんでした。
しかも『恋愛写真』と言えば、昔このブログでもレビューしたことがある広末涼子と松田龍平主演の映画『恋愛寫眞 Collage of our Life』を思い出すのですが、実はこれも関係があるのです。
『恋愛寫眞 Collage of our Life』はTRICKとかで有名な堤幸彦監督の作品。
恋愛映画かと思ってみてみたら、結構なミステリーな映画でビックリした的なレビューを書きましたが、このコラボで書かれた小説が市川拓司の『恋愛寫眞 もうひとつの物語』。
もうひとつの物語というだけあって、登場人物の名前は一緒ですが、全く別の物語なのです。
そしてこの小説を原作に映画化したのが、今回の映画『ただ、君を愛してる』というわけです。
設定は似ているけれど、結末が全然違う。
こっちはガッツリ恋愛映画。
そして映画『ただ、君を愛してる』では見事に号泣したという話なのだけれど、冒頭で長々と話をしてもしょうがないので、レビューをしていくことにしましょう。
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ただ、君を愛してる – あらすじ
映画名作レビュー戦記シネマネオン!-ただ、君を愛してるの巻-
館見放題
とある映画館でポスター貼りのアルバイトをしていた館見 放題(たちみ ゆきみつ)。「心のカメラでピントを合わせて…」と言いながら映画ランキングと興行収入を参考におすすめポスターを入れ替えていたが、その作業中、謎の組織ノーモアーズに襲われ記憶と顔を盗まれてしまう。何も思い出せない館見。彼は自分を取り戻すため、引き込まれるように映画館に入り『ただ、君を愛してる』を観ようとしたのだが…
ただ、君を愛してる -内容紹介-
彼女はよく、嘘をつく。
ただ、君を愛してる -解説-
批評を終えて
名言・心をざわつかせた言葉
世界の人間の5人に一人はエスパーなんだから。ホントよ。私確かめたんだから。
小麦は香ばしいし、穴は開いてるし。
おかしいでしょ?人の渡れない横断歩道なんて。そんなの野球場にいるサッカーの審判ぐらい使えないよ。
あの子は変人なんかじゃない。人より少しオリジナルなんだって
そのうちさ、誠人が撮りたくて撮りたくてしょうがないような女になるから。もう、家中、私の写真だらけになるような女になるから。
私がこの眼鏡を外した時が、誠人が心からビックリする時なんだからね!
そんなのもったいないよ。瀬川くんがじゃなくて、瀬川くんと結ばれるはずの誰かが。
確かにあの人は綺麗だよね。すごく綺麗。そのうえ自分が綺麗な事も自覚してて、それでいて嫌味じゃないよ。だから同性からも異性からも好かれるし、お年寄りから子供にだって好かれるし、きっと犬にだって好かれるんじゃない!?ホント完璧な女性!私とは大違いって言ってんの!
私はただ、好きな人が好きな人を好きになりたかっただけ!
「誠人は就職なんてしないで一生写真撮ってれば?」「それでどうやって生活していくんだよ」「草とか食べて」
付き合うことだけが恋じゃないだろ?片思いだって、それはそれで完成された恋だよ。
誠人とキス出来たら私嬉しくて死んじゃうかも!
今のキスに、少しは愛はあったかなぁ?
恋愛なんてそんなもんだよ。みんなに隠せば隠すほど、興奮すんだから!
私、私に生まれてきて良かった。他の誰でもない私に生まれてきて良かった。
動画視聴で実況・解説!
- 0:00:52頃
一時停止して、ちゃんと手紙読んだけれど、2年間行方不明の彼女からこんな手紙もらったら嬉しいけど、なんやねん!って感じで複雑だ。でも玉木宏はすげースッキリした顔。イケメンだわー。 - 0:04:10頃
や、やべぇ…。宮﨑あおいが足をジタバタして笑っている姿が可愛すぎる!! - 0:07:28頃
だ、駄目だ。鼻すする宮﨑あおいが可愛すぎる。たまらん。 - 0:08:55頃
懐かしい…。小出恵介がいるよ。もったいないなぁ。ってか、うおぉぉぉ!!!懐かしい。鉛筆にかみつきばあちゃんついてるよ!あったなぁ。シャーペンの芯のおまけで。 - 0:17:50頃
この映画、映像が美しいな。さっきの横断歩道の場所もそうだけど。光の暗さが良い感じだわ。 - 0:19:20頃
もうダメだ。いちいち宮﨑あおいが可愛すぎて笑えてくる。どうなんだろ。こういう感じの女子の行動って、同性から見たら嫌いだったりするのかな。僕はこういうあざとい系がたまらん。 - 0:24:30頃
うっひょー。リア充!!大学4年間でグループで海に行ったことなんて一度もなかったなぁ…。大学が舞台の映画を観ると、どうしてだろう。涙が出てくるよ。パトラッシュ、僕はもう疲れたよ。 - 0:29:30頃
「変人扱いなんてそんなの全然気にしてない。そんなの慣れてるもん」その台詞に心が痛い。本当の友達なら、もう少しぐらいかばってくれたっていいじゃん。って台詞に全力で賛同。言ったれ、宮﨑あおい!! - 0:31:10頃
ここのドーナッツビスケットのやりとりたまらん!!恋愛ってこうですよね。悲しさでくしゃくしゃだった顔が一気にパーッと笑うのとかキュンとくるわぁ〜。 - 0:32:25頃
なんて事ないシーンだけど、夕暮れ時に、二人で木に仕掛けたドーナッツビスケットを食べに来る鳥をじっと待ってカメラを持っている姿のワンカットすげー沁みる。ほんと、構図上手だな。 - 0:42:35頃
「私達だけの大切な場所じゃなかったの?」…こんな事言われたら、ハッ!とするわ〜。畜生。玉木宏めぇ。羨ましいぞ〜。そして宮﨑あおいが可愛そうだぞー!くそー、歯がゆいぜー。 - 0:44:45頃
玉木宏に手を引っ張られてもなお、会話の途中の笑顔を消さない宮﨑あおい。完璧!!それにしても、一瞬にして哀しんだり笑ったり、まるで台風のような表情の持ち主だなぁ。こういう女子、好きだわぁ。 - 0:45:20頃
うぉおおおおお!!!まっすぐだ!この子、むっちゃまっすぐなんだ! - 0:57:35頃
如実に講義の生徒が減っている!!リアルだわぁー。そうだった。大学ってそうだった。 - 1:02:13頃
靴を持ってバンザイって可愛いな。 - 1:12:27頃
これは反則だわ。まじでメガネ外すだけでこんなに可愛く見えるなんて、漫画みたいだ!すげードキドキした! - 1:14:23頃
本当に美しいな。まるで絵みたいだ。森でキスする二人。光の差し込み具合とか神がかってる! - 1:23:40頃
おぉ!ここで最初の嘘が効いてくるのか!!すげーな。 - 1:25:10頃
ここに来て、最初に手紙を落としたときの玉木宏の顔が笑っていた意味がわかった。なるほどなぁ。確かになんやねん!なんて微塵も思わんわ…。わかってないなぁ。僕も。 - 1:31:35頃
美味そうなサンドイッチからの、典型的なドジっ子行動に笑う。 - 1:36:00頃
駄目だ…。涙で前が見えない…。 - 1:40:43頃
圧倒的だ。圧倒的存在感の写真。一枚の写真を見て、こんなに涙が流れたのははじめてかもしれない…。宮﨑あおいすごい。 - 1:44:40頃
正直、誠人のおどおどしたキャラは玉木宏には向かないな…なんて思っていたけど、この写真のシーンでやっぱり玉木宏で良かったなって思った。写真映えするなぁ。 - 1:48:00頃
うぉ!!回想シーンがほとんど今までいいなって思った瞬間のものばかりじゃないか!!狙ってこれをやる監督の技量すごし!
ただ、君を愛してる – オチ・エンディング・ラストの感想・考察
ここから先はネタバレを含む場合がございます。まだこの作品を観ていないあなたはこのままページを閉じるか、覚悟の上でお読みください。
by シネマネオン
ここから
生涯ただ一度のキス、ただ一度の恋
この文字を観ただけで、今でもこの映画のあのシーンが脳裏に浮かんでくる。そしてなんか泣けてくる。あのキスシーン、なんて美しい映像美なんだ。
あした私の誕生日だからプレゼントにキスしてくれる?
なんて事ない、天真爛漫な女の子のおねだりかと思いきや、事実を知ってから聞くと、命がけの決意。
…とまぁ、事実を知ると色々な静流の想いが胸の中に溢れてきて、もう一度映画を見直したくなってくる映画ではありますが、とにかくビックリするのが、前半の宮﨑あおいと後半の宮﨑あおいの変貌っぷり!
漫画でメガネを外した地味っ子が美少女に変身するなんて事はよくよくあることですが、それが実写で表現出来てしまう事に驚きです。本当にあの透明感のある笑顔は宮﨑あおいだからこそ出来たものでしょう。
以前に観た映画『シーズ・オール・ザット』で、同じように地味っ子が美少女に変身するレイチェル・リー・クックも見事だとは思いましたが、ぶっちゃけあれはギャップがちょっと少なく、ドレス効果もありました。
でも今回は顔だけ勝負。「私がこの眼鏡を外した時が、誠人が心からビックリする時なんだからね!」と前振りをして、ハードルをあげておきながら、誠人だけでなく、視聴者のみんながドッキリさせてしまうっていうね。
原作者の市川拓司も、
宮﨑あおいさんには、自分の脳を探られたんじゃないかと思った。それか私が、宮﨑あおいが演じている姿を予知して小説にしたんじゃないかと思った。
と言っていたとWikipediaに載ってました。本当に宮﨑あおいじゃなかったら、この映画もまた別の映画になっていたと思うぐらい、この映画の宮﨑あおいはすごかった。
元々、宮﨑あおいは大好きな女優さんだったけれど、この映画でさらに大好きになった。
そんな宮﨑あおいの魅力をさらにさらに引き立たせる各シーンの映像美を生み出した監督。本当にすごい。
話のストーリーとしては、この映画が『恋愛寫眞』とつながっているとは知らずに観ていたので、なんかデジャヴ感とか思ってしまっていて、やっぱり最後は死んでたかー、と泣きポイントを1つ逃しているとは思います。
が、それでもやはりあの宮﨑あおいの全身写真(売ってるなら買いたいほど)のインパクトはすごく、その写真を観ながら涙する玉木宏の顔を観て、涙腺崩壊しました。
それまでは「宮﨑あおいすげー!玉木宏の存在感薄いなぁ〜」なんて事を思ってしまっていたんですが、最後までみて、やはり誠人は玉木宏で良かったと思いました。うん。
ぶっちゃけ途中までのおどおどしいキャラは、なんとなーくですが、若かりし頃の柳楽優弥とかセカチューらへんの森山未來がやった方が向いている気がしていたんです。
大学生の頃が若干不自然さを感じてしまってね。どうやら大学生時代は意識して声を高くしていたらしくそれがきっと不自然さにつながっているとは思うんだけど。でも、ニューヨークに舞台を移してからの玉木宏はすごかった。
何がすごかったのかはうまく言い表せないけれど、静流の死を知った時、「恋をしたから死んだのか」という台詞の玉木宏と、写真に魅せられる玉木宏の表情、瞳、もう吸い込まれる吸い込まれる。
そして静流が撮った写真の中の誠人は玉木宏じゃなきゃこうもピターッ!とハマらなかっただろうと思います。
個人的には「世界の人間の5人に一人はエスパーなんだから」っていう前振りからの黒木メイサが中盤らへんで「私がはじめて声をかけた時、あの時は瀬川くん、私のこと好きだったよね」っていうなんて事ない失恋シーンが好きでした。
静流の嘘をつくシーンが嘘ではなく、嘘ではなく見えるシーンが嘘。おお。この映画、凝ってるなぁ〜と思えた瞬間でした。
…まー、ひとつだけ残念な点をあげるとすれば、様々な懐かしいものが組み込まれている中に小出恵介が入ってしまう事ですかね。
ただ、君を愛してるのような映画・似てる作品・おすすめ
公開日:2003年06月14日
ジャンル:コメディ映画, ヒューマンドラマ映画, 恋愛映画
監督:堤幸彦
出演:広末涼子, 松田龍平, 小池栄子
レビューまとめ
ここの所、ずっとこのサイトを更新していませんでしたが、久しぶりに映画を観た作品がこれで良かったです。教えてくれた知人には感謝をせねば。
小説の方も、本棚で眠っていますが、読んでみなければ。
本当に久しぶりにこんなに涙を流しました。結末がわかっていてもなお泣きました。何度も何度も言ってしまって恐縮ですが、宮﨑あおいの演技はもとより、この映画を引き締めているのは映像美です。
本当に本当に美しい。Blu-rayが出ているのなら、完全保存版として持っておきたいんですが、DVDしか出てなさそうなんですよね。それが残念。
演出も、映像も、演技も全部いい。そんな映画に久しぶりに出逢った気がします。もっともっと映画を観たいなと思いました。これからはもう少しペースをあげて映画をみようかな。
ではでは『ただ、君を愛してる』でした。良ければぜひ。
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ただ、君を愛してる - 感想・評価
ただ、君を愛してる
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ストーリー - 81%
81%
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キャラクター - 92%
92%
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演出 - 91%
91%
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映像 - 98%
98%
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音楽 - 82%
82%
映画レビューまとめ
正直な所、バッドエンドで哀しい結末で無理やり泣かせようさせる系の映画は苦手なんですが、この映画はなんというか、哀しくて涙が出てくるのではなく、純粋さに胸を打たれて涙が流れてきた気がします。悪役もなく、みなが透き通っている。だからこそ生まれてくる観終わった後の、勇気をもらえた感。バッドエンドなのにバッドエンドじゃない。そんな映画も珍しいなぁ。頑張って生きなきゃなぁ〜。疲れた時に部屋でココアでも飲みながら観たい映画。あたたまる。