- 公開:1999/09/24
- 監督:ホセ・ルイス・クエルダ
- 出演者:マヌエル・ロサノ,フェルナンド・フェルナン・ゴメス
- 製作国:スペイン
- 上映時間:1時間39分
蝶の舌という映画をご存じでしょうか?1999年のスペインの映画なのですが、スペイン・アカデミー賞では13部門にノミネートされたほどの作品なのです。
ではどんな内容を扱っていると言いますと「蝶の舌?はて、それがどうした?」ってな感じで映画のタイトルからはちょっと想像出来ないですよね?
実はこの映画、スペイン内戦を扱ったものなのです。いわゆる戦争映画。ただし、それが主題ではありません。
モンチョという人見知りの少年がグレゴリオ先生と出会い成長していくのが主題です。
その中で一体、蝶の舌がどのように関わってくるのか。映画『蝶の舌』のレビューをしていくことにしましょう。
スポンサードリンク
映画『蝶の舌』 – ストーリー
公開日:1999年09月24日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, 戦争映画
監督:ホセ・ルイス・クエルダ
出演:マヌエル・ロサノ, フェルナンド・フェルナン・ゴメス, ウシア・ブランコ
ネタバレ注意『蝶の舌』のあらすじまとめ
1936年、服の仕立て屋の息子であるモンチョは喘息持ちのため、みんなと一緒には小学1年生にはなれなかった。
その喘息も落ち着きをみせ、いよいよ学校に行かねばならないとなった前の夜。
兄のアンドレスに「先生に叩かれたことがある?」と聞くほど心配性なモンチョ。そして当日、学校に行くとビビってお漏らしをして逃げ出し、山で一夜を明かす。
モンチョの担任のグレゴリオ先生はそんな繊細なモンチョを理解し、家まで迎えに来てくれた。
その後教室で温かく迎えられたモンチョは、新しい友達、酒屋の息子のロケと知り合い、楽しく学校に行けるようになる。グレゴリオ先生は学校での勉強は元より色々な知識を教えてくれた。
詩の朗読やジャガイモはアメリカから来たこと、アリが家畜を飼っていること、水グモが潜水艦を発明したこと、チョウに舌があること、ティロノリンコというオーストラリアにいる鳥が求愛として蘭の花を贈ることなどなど。
生徒達は、偉い人にも決して屈しないグレゴリオ先生に敬意を払っていた。モンチョなんか特にグレゴリオ先生のことが大好き。
そんなグレゴリオ先生も定年を迎え、引退をすることになったが、モンチョはさびしかった。しかし、引退後もグレゴリオ先生とともに虫の観察などが出来ることがわかると早速モンチョはグレゴリオ先生と一緒に森へ遊びに行った。
そこでモンチョは大きな蝶を捕まえる。そしてその蝶の舌を顕微鏡でのぞこうと誘われたが、モンチョは湖から聞こえる楽しそうな声に耳をとらわれていた。そこには女の子達が水遊びをしており、その中にモンチョがすごく気になっているアウローラの姿も。
「ティロノリンコのようにしなさい」そうグレゴリオ先生は身近にあった花を取って渡し優しく諭した。モンチョはその通り、花をアウローラに渡すと、お礼にキスをしてもらった。
そんな幸せな生活も突然崩壊する。
7月17日。スペイン内戦が勃発した。
ファシストの勢力がモンチョたちが住む町にもおよび、共和派の取り締まりが始まる。モンチョの家族は急いで協和派だと疑われるものを焼き捨てる。モンチョに共和派ではないということを叩き込む母親。先生と関わったことも隠しなさいと告げる。
広場に集まった群集を前に、手を縛られた共和派のものが次々と連行されていく。その中にはモンチョの親友であるロケの父親、兄と一緒にオーケストラにいたアコーディオン奏者、そしてグレゴリオ先生…。
「モンチョ、お前もみんなの真似して叫ぶの。アテオ、赤!裏切り者。ほら」モンチョの母親はモンチョの耳元でそうささやく。
モンチョは車で連れ去られていく共和派の人達に向かって、他の子供達のように石を投げつけ、叫ぶのであった。
「アテオ!赤!ティロノリンコ!蝶の舌!」
…だいぶ端折りましたが大筋はこんな感じの映画です。
『蝶の舌』の名言
自然は私の親しい友であり、人間が見る事ができる最大の驚異なのだ。
本はわが家と同じだ。読めば心が豊かになり安らげる。凍え死ぬこともない。
あの世に地獄などはない。憎しみと残酷さ。それが地獄のもとになる。人間が地獄を作るのだ。
先生がいつかこう言ってた。ベッドも鏡もなにもかもむなしい物だって。要するに人間すべて孤独だと。
『蝶の舌』のおすすめポイント
グレゴリオ先生が教えてくれることが胸を打つ。
スペイン映画の独特なカメラワーク。
音楽がよい。
余計なものが多すぎる気がしてならない…
Amazonで大絶賛のレビューが多い映画なのでかなり期待していました。しかし、実際観てみるとこれほど、あらすじをまとめるのに困る作品も珍しいほど、困りました。
余計な描写が多すぎるのです。
テーマとしては、ありとあらゆる幸せが戦争によって一気に壊れたっていう感じなのかもしれません。もしかしたら僕のスペイン内戦に対する知識が浅はかなのが問題なのかもしれませんが、余計な描写によって、一体この映画、何を言いたいの?状態で幕を閉じられてしまいました。
兄の初恋や、性交の描写、犬殺しの描写など、本当に必要だったのか…。
いまいちよくわからない映画だったので、これと言ってオススメできる人がどういう人なのかわかりませんが、とりあえずみんなが絶賛しているので、実際に観てみて、あなたが判断するというのが一番いいと思います。
僕にはちょっとわからない部分が多すぎました。
出来ればもっとモンチョの成長記録に絞ってくれた方が観やすかったかなぁと。
映画『蝶の舌』 – まとめ
余計な描写が多いっていうことを書きましたが、グレゴリオ先生は好きでした。そんな先生が共和派というレッテルを貼られて、連行されていく姿はなんかさびしくなりましたが、その先生に向かって、裏切り者、アカ!アテオ!蝶の舌!といわなければならないモンチョに激しい憤りを感じました。
まぁ、それが描きたかったんでしょうけどね。
あ、あまりよいレビューは書けませんでしたが、唯一いえることはモンチョ少年が、ナインティナインの岡村さんみたいだったなぁ。っていうのは確かです。チビムラさんと僕の中では呼んでいました。そのチビムラさんはかわいかったです。
スペイン内戦について勉強してから見た方がわかりやすいかもです。
ではでは、そんな感じで『蝶の舌』でした。
スポンサードリンク
蝶の舌 - 感想・評価
公開日:1999年09月24日
ジャンル:ヒューマンドラマ映画, 戦争映画
監督:ホセ・ルイス・クエルダ
出演:マヌエル・ロサノ, フェルナンド・フェルナン・ゴメス, ウシア・ブランコ
蝶の舌
-
ストーリー - 45%
45%
-
キャラクター - 75%
75%
-
演出 - 65%
65%
-
映像 - 75%
75%
-
音楽 - 85%
85%
映画レビューまとめ
余計な物が多い映画だと思う。僕にはまだそのすべてを一度に理解する能力がありません…。